前編の前置きが長かったが「これ、誰がデザインしたの?」的な回答は意外にあっさりしたものであった。
「社内です」
じゃあ、社内の誰?と聞きたいところだが、戦前から綿々と作られてきたものを継承したもの。オリジナルは誰がデザインしたのか資料が残っていないのだそうだ。残念。
堂々としたココアっぷりを作る、茶色ベース+文字の構成は「ブレクファストココア」登場1920年当時から続いている。
1955年、戦後再発売され、飾り文字を使い始めてからの印象はほぼ同じ。
商品、左から1936年、1968年、1970年、1976年、1977年のもの。
これが現在の商品。
飾り枠、エンゼルマークの変化があり、缶から紙パックに移行し、と徐々に若干微調整されている。
現行のデザインは2001年から変わってない。社内デザイン室で頑なに美感を貫いた方がいるのか、というとそういうわけでもない。
森永製菓の基本姿勢は「お客様第一」であり、時代背景、技術革新、消費者のニーズに合わせて、適時デザインのリニューアルをし、できるだけ消費者の気持ちを反映させている。
ということは、消費者自身が「純ココアは変わらなくてもよい」と判断しているとも考えられる。
むろん、認識を定着化させている工夫もある。
「エンゼルマークとCOCOAのロゴをおおまかに見た山形で純ココアを認識できます。その部分は箔押しで特に目立ちますね。エンゼルマークを大きくしているのは森永の製品という表明です。日本のチョコレート、ココアのパイオニアですから信用、安心感につながると思います」と、デザイン室室長の大塚隆氏は言う。
「他の製品ですと内容が改良されたり、変化して大胆なパッケージリニューアルをすることはありますが、純ココアの場合、原材料の改良研究を日々行っていますが、100%ココアパウダー、というところは全く変わらないことですから」と加えるのは、史料室長の野秋誠治氏。
この史料室というのがまたすごく……、という話をすると長くなるので、その話はいずれ。
森永製菓史料室様。また取材させて下さい。
森永製菓 純ココア
http://www.morinaga.co.jp/cocoa/pure/index.html