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ベイルート Souk El Tayeb Tawlet インテリア
ライター渡部です。

食を中心に地域活性の活動を行っているグループ、Souk El Tayeb http://soukeltayeb.com のハブ地となっているのが「Tawlet」 http://www.tawlet.com
(発音はタウレット、と聞こえるのだが私が発音すると必ず「トイレ?」と言われたので、こちらもアルファベット表記で)アラビア語でテーブルを意味するTawletは、レストランというよりは、正にその言葉通り、オープンキッチンの雰囲気だ。

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この70年代風の建物の奥、パラソルのある場所

中に60席、外に10席。行ったのが土曜日のランチタイムとあって、あっという間にテーブルは満席。子供からおじいちゃんから、(私含む)外国人から近隣の人から、あらゆる人が集まっている。お互いがお互いを紹介し合い、どんどん座が大きくなっていくのが面白い。食を中心とした公民館という感じだ。

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店内に入るといきなりキッチン。調理の様子がすべて見えるようになっている。
朝9時から夕方の6時まで、朝食からランチまで提供。また料理教室もほとんど毎日やっていて、誰が素材を作ったのか、誰が料理を作っているのか、どう作られているのか、といったことも自然と覚える。

毎日の黒板や週毎のフライヤーには、メニューの代わりに、野菜、チーズ、パンなど生産者の名前を出している。これらの生産者はファーマーズマーケットで出展している契約者。現在70軒の生産者が、マーケットに出し、レストランの食材を提供している。食の基本は素材。その作り手がまずは主役なのだ。
同時に料理の作り手も重要な役割を担う。プロのシェフもいれば料理自慢のお母さんもいれば、レバノン人も海外の人も、と交代制でその日のテーマを決めていく。

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ランチタイムはビュッフェスタイルで好きなものをすきなだけどうぞ、というスタイル。食器などは業務用のものに混じって、アンティークや伝統的な陶器など。

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店内のインテリアも、アンティークというべきや中古というべきや、新旧混在させて使っている。

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古材を活かしたカウンター。壁面にもこの木材を使用。

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手作りレモネードとフルーツジュース。容器をよく見ると、標本用のガラス容器に蛇口を付けたもの。傑作。

ピッチャーはレバノンの伝統的なピッチャー(こちらのサイトなどに出ているのを見れば分かるだろうか)をベースにしたもの。
「Tawletには様々な国籍の人が来る。レバノン人でないと使い方が分からないこともあるので、持ち手と注ぎ口を取って、使い易いようにした」と主催者のKamal Mouzawak氏は説明する。

Souk El Tayebは食だけではなく、食を中心とする生活すべてにプロジェクトが派生している。伝統工芸や建築の再生もその要素となっている。レバノンも日本同様、伝統工芸は継承者が減っている。また古民家の保存も難しい状況だと言う。
今後予定されているプロジェクトの1つ「Beit Loubnan=レバノンの家」は、地方の民家などを修繕し、宿泊可能な施設にするもので、訪れる人は、地元の食材や伝統工芸による生活用品を自ら作り、堪能する、というもの。
現在はまだリサーチの段階で3年目。レバノン各地を周り、その土地で生産されるものを見たり、地元の人々のやる気があるかどうか、村以外の人々を受け入れる素養があるかどうか、などを地元の人々と話合っている。二十数カ所を回ったうち現状5カ所が候補に上がっている、という。

Mouzawak氏はこうしたコミュニティの運営者であると同時に、現役のフード/トラベルジャーナリストでもある。つまり、情報伝達のスペシャリスト。
「僕はコミュニケーションならできるけれど、ものを作れと言われたら全くできない。かたや僕らが契約している小規模生産者のほとんどは、とてもいいものを作っているけれど、一人だけでやろうと思ったら消費者に繋がる範囲に限度がある。
結局は消費者にどう伝えるか、消費者がどう受け取るかが重要なので、生産者と消費者の間に立って、宣伝しコミュニケーションする存在として自分がいる。Souk El Tayebはすべてゆっくりと有機的に動いている。人々が動き、機が熟せば、プロジェクトが動く」と Mouzawak氏は言う。

ジャーナリスト、デザイナーもこうした「間に立つ」ことが仕事である。最近仕事がなくて、とぼやく自分もいるが、情報を持っている人、受け取りたい人というのは常にいる。そうしたところに行けば有償無償にかかわらず仕事は発生するのだな、と再確認させられた。
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by dezagen | 2010-08-03 18:03 | その他