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The Spirit of Poland
流浪のライター渡部です。
現在ポーランドはワルシャワに滞在中。

今年の東京デザイナーズウイーク、及び european design展 www.europeandesign.jpの中で、The Sprit of Polandという展示が行われる。参加するポーランドのデザイナーのプレゼンテーションがありますよー、と言われて、向かった先がここ。
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旧ヴォッカ製造工場跡。
本当にここでいいの〜、と思いつつ歩いてみると、イベントスペースやギャラリーやショップやオフィスなどがテナントとして入っている。

奥へ奥へと入っていくと、ヤングでナイスなデザイナーさんたちが迎えてくれた。
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写真の順番で、一番左はBETON www.betonon.com のレフ・ロヴィンスキさん。
パートナーのマルタ・ロヴィンスカさんとグラフィックから建築まで手がけるデザイン事務所をやっている。
2人とも建築の勉強をし、かつグラフィックも作る(おや、どこかで聞いたような)、プロダクトデザインにしろ、建築にしろ、その構造を1から考え、作る。
例えば、バッグのMI/ZU
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かなり大きなバッグだが、スポーツウエアに使われるような伸縮する紐とクリップを組み合わせ、サイズを変えられる仕組み。
ウェブサイトもかなりいい。

写真左から2番目の女性と真ん中の男性は、昨年もデザイナーズウイークに参加したPUFF-BUFF Design www.puff-buff.com のアンナ・シェドレツカさんとラデック・アフラモヴィッチさん。
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ふくらまして使う照明器具などを作っている。
ふくらまして、というとイギリスのインフレートが思い浮かぶ。それ自体は斬新なアイデアではないが、ふくらまして使うという方法が1つの手法として確立した現れだと思う。その中で彼らはポップでキッチュな50年代、60年代風のテーストを入れていること、照明に特化していることなどが特徴的だ。

写真、右のお二人はAZE Design www.azedesign.pl のアンナ・コレヴィッチさんとアルトゥル・プシュカレヴィッチさん。
ポーランドの東北、ベラルーシに隣接するポドラッシェという地方で活動をしている。というのも、この地域はポーランドで最も貧しい地域と言われているそうで、そうした田舎によくあることとして、若い人がいなくなり、伝統文化がどんどん失われていく状態にあるから。AZE Designはその伝統工芸の技術を今風にアレンジし、技術を絶やさず、かつ地域の人々に仕事を与えることを目標としている。
というと、なんだかボランティアっぽい話に聞こえるが、いやはや、その作品のかわいいこと。
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上は普段テーブルの上に使われる敷物を、サイズと素材の糸の種類を変え、ラグにしたもの。下は刺繍文化を活かして、伝統的なモチーフではなく食器などの模様を使ったテーブルクロス。
これはかなり女子受けしそうな感じがする。

本日は残念ながら会うことが出来なかったけれど、デザイナーズウイークとeuropean designでは、もう一組KAFTI Design www.kafti.com が参加する。

彼らと話していて、ポーランドでも日本でも永遠に解消しない課題だなあと思ったのは、デザインマイナー国は世界にどうやって売り出せばいいかということ。
以下、かなり私感なので、違うと思う人も多いと思うけれど、デザイン大国といえばイタリア、オランダ、北欧、イギリス。それ以外の国から海外へ売り出す時、特にその初期には、お国柄を売りにする方法と、そうしたコンテクストなしにコンテンポラリーデザインを出す方法と、大きく2つの方法がある。
日本の場合は和風モチーフを使ったりミニマルなデザインにしたりすることで、消費者に「私はmade in Japanを買った」という満足感を与えることができる。ポーランドのデザインという意味では伝統工芸を使ったAZE Designが有利だろう。
だが、デザイナーは国を売り出したいわけではなく、個々のデザインを出したいと思うのが常。消費者もいつも国を気にしてモノを買っているわけではない。PUFF-BUFF Design のシュドレツカさんは「ポーランドにもコンテンポラリーデザインがある、ということを知ってもらいたい」と言う。
どちらが正解という話でもないし、うまく融合するケースもあるし、またどんなデザインを作ってもお国柄は出る、という考え方もある。
現在急成長中のポーランドの若手デザイナーが日本でどう受け止められるのか、この意味でもかなり気になっている。
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by dezagen | 2010-09-27 07:47 | デザイナー紹介