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今年のデザインイベント、渡部の敗北宣言
ライター、渡部千春です。

先のブログにも書いたように、今年のデザインイベントは99%見ることができず(今週末まで続いているものも多いので、ちょっとほっとしてるけど)。
1998年のHAPPENINGから見てきた自分としては、ホント、情けないというか、残念というか、すいませんというか。
仕事があって、風邪引いて、と理由はほとんど言い訳に過ぎず、一番大きかったのは自分のモチベーションが足りなかったことだと思う。

ということを書くと、フリーランス=自営業(法的にはそういうことでもないらしいが)としてうちはダメですよ、と言ってるようなものなので、ブログにアップするのも気が引けるといえば引けるのだが、なんでモチベーションが下がっちゃったかということを考えたところをちょっと書きます。

今年は自分でも驚くほど頻繁に海外に行っていて、台湾、上海、ドイツ、アブダビ、ベイルート、香港、ロンドン、ワルシャワ、ジローナ(スペイン郊外)とちょっとづつ行ってました。10月の旅行の興奮冷めやらぬ間に、今度はデザイン史で100年を振り返る仕事をし、物理的にも時間軸でも、かなり広範囲でデザインを見ざるを得ない環境にあったのでした。

そういう状況にいるとどうしても「今の日本のデザインの立ち位置は?」「世界の中で日本はどう見えてる?」ということを考えてしまいます。

と、ここまで書いていたことをまるで見計らったかのように、ロンドンのデザイナーさんからメールが。
「東京デザイナーズウイークに出展して、売るものも持ってきたんだけど、日本の小売店は日本のエージェントがないと買ってくれない感じ。どうしたらいいと思う?」
って、どうしたらいいか、今、私が聞きたい。

本気で海外のデザイナーの商品を扱いたいと思っているバイヤーさんは、海外でも地方でもバリバリ行くので彼らのデザインはもう見知ってるからかもしれないし、東京のイベントだけに来るバイヤーさんは海外との取引のあーだこーだは面倒臭いのかもしれないし、ひょっとしたら彼らのデザインがバイヤーのおめがねにかなわなかったのかもしれない。
実際今年は東京デザイナーズウイークのほうには行かなかったので(本当にすいません)言うのもおこがましいのだけれど。

日本の消費状況が冷え冷えとしていることは、経済白書を見なくても明らかで、バンコク、上海、台湾、香港、中東のショッピングセンターでもインテリアショップでもどんな類の場所でもいいのだけれどショップで感じる、お客さんの「新しいモノが欲しい」という強烈な熱気に比べたら、日本は本当に静か。
海外からわざわざ来るには、市場としての日本は魅力的ではないだろうし、その意味ではトレードショウとして成り立たせるのはかなり難しいと思う。売れなかったとぼやく彼らには、次はバンコクか上海か台湾に行きなさい、と言うことにしよう。

日本より消費が冷え切ってるヨーロッパ(あと,多分アメリカとか)に比べたら、日本はまだ買う力があるのだけれど、それが年々、デザイン好きと呼ばれる、限られた層になってきているような気がしてならない。有名デザイナーの新作を期待された通りに確認しにいくとか、時には目に見えないほどのすごい技術を確認しに行くとか。
私のモチベーションの低さは、この確認作業のルーチン化が1つの理由ではある。

ちょっと振り返って2000年頃の東京のイベントを思い出してみると、当時まだいわゆるデザインケータイも出ておらず、無印良品も原研哉氏、深澤直人氏が入る前でなんとなくもっさりしており、デザインの底上げをした、というフランフラン(BALS)もきちんと家具の分野までは進出してなかった。
もっといいデザインで作れるんだから、メーカー頑張ってよ、みたいなデザインイベントの来場者及び消費者の期待、つまり熱気溢れる需要に対して、デザインイベントという供給があったわけです。
10年前のイベントに比べたら、今のほうが展示の内容は質が上がっているけれど、もうなんとなくいいものというのは出そろっていて、見る人の期待はそれほどでもないんじゃないでしょうか。

今の日本はイギリス始めヨーロッパ各国とまるで同じで、デザインの質は高いし、デザイン学科を卒業する学生は何万人といるのに、能力を発揮する場所が地元にほとんどない。
イギリスを例に出した理由の1つは、それでもロンドンでは毎年デザインフェスティバルが開催され、誰も見切れないほどに規模が大きくなっていること。というのも、海外からやってくるお客さんがたくさんいるので、今年も、見る人の期待、はそれほど低くなってないなと感じました。

もうひとつの理由は、建築含めデザインをソフトウエアとして外に出していること。ちょっとずるいなとは思うけど、アブダビでは1つの都市計画をまるまるノーマン・フォスター事務所が手がけていて、それに付随して建築、内装、家具、生活用品、とあらゆることのデザインを担当する外国人が集まっていたのに驚きました。

単純にイギリスの真似はできないし、イギリスはイギリス国内で色々問題はあるんだけど、海外とうまくつながってかなきゃな、というのは学ぶところなのだと思います。だって海外行くと、うわ、これだっさ、粗悪、どーして?みたいなものがわんさかあり、日本のモノを見せてやりたい、と思うのですもの。
で、一番の問題は何かというと、媒体というか、この私というか、自分もっと海外にニュース出してけ、ということなので、コツコツやってくことにします。
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by dezagen | 2010-11-04 00:45 | その他