ライター渡部です。
スソさんとソネさん、という微妙に名前の語感が似た方々の展覧会に2日続けて行った。
1つ目は『Primal Form』展 ースソアキコの帽子と久家靖秀の写真ー
http://www.tandsgallery.com/jp/shop/index.html
ふらりと行ったので、写真は撮らず、写真なしで失敬。
彫刻のようなスソアキコ
http://www.suso.biz/ さんの帽子と、久家靖秀
http://www.kugeyasuhide.com/ さんによる帽子を被った人物ポートレートが、TIME & STYLE MIDTOWNの店内のテーブルや棚に飾られている。
TIME & STYLE MIDTOWN自体が、家具屋さんというより、まるで人の家に来たようなショウルーム的なアレンジなので、家の中で帽子や写真を見つけたような、なんとも不思議な感覚。
花を咲かせた角のような、ウールでできたフジツボのような、そんな帽子の中では比較的地味な、黒いメッシュを樹脂で固めた帽子のシリーズに目が行った。
ぐねぐねした形はまるで漫画のぽやんぽやんぽやんと考える時の吹き出し(喋りの吹き出しじゃなくて)みたいに見える。
黒いメッシュの帽子と言えば、ラッパーの兄さん達である。
頭にストッキングをかぶせたような、ぴったりしたメッシュの帽子(キャップ?)を
なぜ彼らが被っているいるのか分からない。
今でもラッパーの人達がそういうキャップを被っているのかも分からないが。
ひょっとして、ラッパーの兄さん達も、ラップをやっている分にはそれをはき出して行けるのだが、ラップでもやってなきゃ、スソさんの作る帽子のように本当は「ぽやんぽやん」と考えていることがたくさんあってぼこぼことふくらんでいくのかも、という妄想をして帰った。
展覧会の2つ目は、東京オペラシティアートギャラリーで開催中の『曽根裕展:Perfect Moment』
http://www.operacity.jp/ag/exh126/
入っていきなり人工ジャングル。南洋の鳥の声が聞こえてきそうな、見知らぬ猿の類でも出てきそうな空間に、大理石の彫刻作品が5点(その他、籐で編まれた2メートル超えの《バナナ・ツリー》、映像作品も展示)。
http://www.operacity.jp/ag/exh126/j/exhibition02.html によれば、
「今回の新作のなかで最も注目されるのは、長さ2m65cm、幅85cm、高さ55cm重さ1.4tの《リトル・マンハッタン》(2010年)です。」とのこと。
マンハッタンを忠実に再現したものだそうで、この圧倒的に重そうな大理石の上にスカイスクレーパーが細かく掘られている。NYに住んでいる/いた方はなおのこと楽しめるはず。
私が気になったのは《6階建てジャングル》。
写真の右、奥の作品。
ジャングルというより鍾乳洞に見えるのだが、この気になった作品もまたスソさんの帽子のような「ぽやんぽやん型」でもあるので、今、自分の中で「まるっぽくってぐねぐねしたもの」が気になる何らかの理由があるのかもしれない。