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日本のロングセラー商品展
ライター渡部です。

現在、印刷博物館のP&Pギャラリーで『日本のロングセラー商品展』を開催中。
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/110820/index.html

正に我々のために作られた企画じゃないですか!と、
相方宮後さんと共に展覧会に行って来た。

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ずらり、食品やトイレタリー用品、文具など、身近な製品の現物が290点。
いずれも30年以上続くロングセラー商品ばかり。

印刷博物館学芸員の寺本美奈子さんに聞くと、
「多くの商品が出て来る中で、30年生き残るのは0.02%」。
熾烈な市場競争を生き残った猛者揃いなわけだ。なるほど圧巻。

展示は時系列に、
始まりが1597年の宇津救命丸と、ものすごい昔のロングセラーから。
キャプションには発売時の写真がついているものもあるので
比較してみると面白い。

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         1910年以前

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         1910-1920年代

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         1930-1940年代

ロングセラーとはいえ、発売時からパッケージが変わらない商品は珍しい。
ほとんどの商品はその時代に合わせ変わっていく。
今回の展示品に関しては、パッケージがかなり変わっているものでも
ロゴ・シンボルマークや形状、キーカラーなど、
ブランドや商品の核となる部分が変わってないもの
を基準として選んだとのこと。

写真上のセロテープなども、キャプション部分(下のところの、見えるだろうか?)
にある昔の写真を見ると、実はかなり変わっていることが分かるが、
赤、白、青の色帯と真ん中にロゴマーク、という基本スタイルは変わっていない。

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         1950年代

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         1960年代

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         1970年代

「これ、誰がデザインしたの?」リサーチ歴10年(!)の宮後・渡部チームの見解
「酒、薬、和菓子(贈答品)は変わりにくく、清涼飲料やお菓子はかなり変わる。
伝統感や信頼が必要なものはあまり変わらない。対象が子どもや家庭の必需品である場合、
その時代を反映して変わりやすい」
を実際に確認。ものすごい腑に落ちて帰ってきたのだが、
腑に落ちないのは、10年もリサーチ、本誌連載の取材、執筆、ブログ執筆を重ねながら
「全然盲点だった!」という商品もあったことで、
いやはや、「これ,誰」のネタは尽きない。ああ長い道。

最近海外に飛び出てることが多いので、日本と海外、で比べてみてみると、
概して、欧米に比べると日本のパッケージのほうが
「会社色」「商品色」がきちんと残っているような気がする。
欧米、といっても、本当にざっくりと俯瞰した際の話になるけれど、の
食品、トイレタリー系のメーカーは合併統合が続き、
大元はネスレとかP&Gとかクラフトとか多国籍巨大ホールディング、ということが多く
そうなると、個々のブランド色というより、
グローバルでマスマーケットに向けたデザイン、どこでも同じような手法のデザイン、
に出くわすことが多い。
これはこれで理由のあることであるし、日本の会社もそういった状況になるのかもしれないが、
できるならば、その商品の「核」をきちんと残して継続してもらいたいと思う。
(というのはノスタルジーかもしれないけど)

デザイン学生、デザイナーだけでなく、一般の方々も楽しめる展示となっているので
書籍『これ、誰がデザインしたの?』を持って是非どうぞ。
(六耀社から『パッケージデザインの勘ドコロ』も販売中 http://www.jpda.or.jp/activities/book/books.html 
こちらは表紙が中村至男さんです)

生まれて400年~30年 今も生き続ける  日本のロングセラー商品展
併設:パッケージデザインの勘ドコロ
会 期:2011年8月20日(土)~2011年11月6日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし、9月19日、10月10日は開館)、9月20日、10月11日
開館時間:10:00~18:00
入場料:無 料
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by dezagen | 2011-09-19 21:41 | 展覧会