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美術展図録制作
編集宮後です。
美術展図録(カタログ)のことについて書かないとなーと
思ったまま時間がたってしまいました。

美術展に行くと必ず眼にする図録ですが、
実際、誰がどのようにつくっているのか
あまり知られていません。

これ誰取材班としては、ここでひとつ、
図録制作とデザインについて考察してみたいと思います。

まず、美術展といっても
新聞社がからんでいる大規模展(印象派のなんちゃら展とか、
たくさん集客が見込めそうな展覧会)から、
美術館主催の比較的小規模なものまで、いろいろあります。

新聞社系のものは、新聞社内の展覧会事業部が主体となって
図録制作を請け負う会社に発注します。規模が大きいので、
制作会社同士の入札になることが多いと聞いています。

そこで仕事をゲットした制作会社が図録制作をまるごと請け負い、
編集、デザイン、印刷管理まですべて行って、
本の形で美術館に納品するわけです。
美術館側の指定により、社外デザイナーに頼むということもありますが、
制作会社の社内デザイナーがデザインすることが多いそうです。
(そのほうが制作会社の取り分が増えるため)

新聞社や美術館が図録制作の予算をとっていなくて、
図録を書籍としても販売したいという場合は、
図録制作を出版社に頼むという方法もあります。

編集は出版社の編集者やフリー編集者が、
デザインは社外のデザイン事務所が、
出版は出版社が行い、
美術館は出版社から本を買い取って会場で販売します。

出版社は美術館に本を買い取ってもらうことで、
本の制作費をまかなうわけです。

美術館側は図録買い取り分だけの費用負担で済みますし、
自分が希望するデザイナーや編集者に直接仕事を依頼でき、
さらに書店に本を流通させられるということで
最近はこの方法でつくられる図録も増えています。

出版社側のメリットは、というと、
美術館が買い取ってくれるので損はしないとか、
図録を出せばその月の売り上げがたてられるとか、
やはり、メリットがあるわけで
こうした仕事を受けているものと思われます。

最近は学芸員の方々もよい図録をつくろうと奮闘されていて
制作会社やデザイナーをあらかじめ指定しているケースが
増えたように思います。

熱意ある学芸員、優秀なデザイナーや編集者がつくった図録は
なんとなく熱というか、見過ごせない魅力があるんですね。
あと印刷所とプリンティングディレクターも大事。

そういう眼で図録を見てみるといろんな発見があるはず。
楽しいですよ。

(2013年11月追記:新記事を追加します)
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by dezagen | 2011-11-10 07:15 | その他 | Comments(4)
Commented by KT at 2011-11-11 13:14 x
美術展の図録は展覧会場で売る場合は特別に著作権使用料のようなものが安いとかで、図録自体も安く制作・販売できる、と聞いたことがありますが、書店売りもされる通常の書籍として制作される場合でもこのような特例が適用されるのでしょうか?
Commented by dezagen at 2011-11-22 11:28
KTさん、お返事遅くなり、すみません。書店売りする場合は、あらかじめ著作権者や作品の所有者から許可得た場合にのみ可能らしいです。書店売りの場合も著作権料が安くなるのかどうかは、調べてみます。少々お待ちください。
Commented by dezagen at 2011-11-24 00:47
KTさんへ。展覧会用ということで著作権使用料は安くなりますが、図録を書籍として販売する場合は、図録のみで販売する場合と比べて著作権料が高くなるそうです。
Commented by KT at 2011-12-27 16:12 x
やはり書店売りする図録は著作権料の扱いが違うのですね。
わざわざ調べていただきありがとうございました。