エキサイトイズム エキサイト(シンプル版) | エキサイトイズム | サイトマップ
原価計算
編集宮後のほうです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年のブログを読み返してみると
相変わらず本のことばかり書いてますけど、
新年早々、やっぱり本についてです。

前のエントリーで造本と流通のことを書きましたが、
今日は原価計算について。

原価計算というのは、本をつくるのにどのくらい費用がかかるのか、
印刷紙代から著者への印税、デザイン料、撮影料などをすべて含めた
製造コストの計算のことです。

仕事で本をつくる場合、予算が無尽蔵にあるなんてことはまずなくて
決められたコスト内で本がつくれるよう、
編集者はみな本をつくる前に原価計算と呼ばれる試算をするんですね。

おおまかに分類すると、
・印刷製本代(印刷所にお願いする本をつくる工程すべて)
・著者印税
・(編集費や原稿料:外部編集者にお願いする場合など著者以外への支払い)
・(取材経費:取材がある場合は交通費・宿泊代など)
・デザイン料(DTPを一括でお願いすることもあります)
・撮影料(文字中心の書籍だとほとんどかかりません)
・(スタジオ代:撮影が多い場合などに発生)
・(撮影物・材料購入費:実用系の本をつくる場合に発生)
がかかることになります。

紙代を含めた印刷費に関しては、社内に制作部(資材部ともいう)がある出版社では
制作担当者が印刷見積もりをすることが多く、制作担当者がいない出版社では
書籍編集者が直接印刷所にお願いして見積もりを出してもらいます。
(長年やっていると編集者レベルでもだいたいの金額はわかるようになります)

それ以外は編集者側でだいたい設定しておけるので、
それぞれの項目と金額がわかれば、原価計算ができるわけです。

仮に、1冊2000円の本を5000部つくる場合、
5000部全部売れると、1000万円の売り上げになります。

この売り上げ1000万のうち、33%の330万円が
原価として使える金額の目安となります。
原価率40%以上になるとあまり利益が出ないので、
重版確実とか、よっぽど売れそうな本以外はむずかしいでしょう。

※1000万円×掛け率(出版社から取次へ卸すパーセンテージ)÷2
 という計算式もありますが、だいたい上と同じくらいの金額になります。
 掛け率は出版社ごとに違います。

この金額を上記の項目ごとに割り振り、原価枠内で収まるよう
やりくりするわけです。

取材や撮影が多い本、写真が多いカラーの本は
どうしても原価があがってしまうため、
編集費をきりつめるために編集者が原稿を書いたり、
紙代を節約するためにメーカーから紙を安く提供していただいたり、
いろいろと涙ぐましい努力を積み重ねることになります。

編集者は会社から予算を預かって本をつくり、
それを増やす、つまり利益を上げないといけないわけです。
毎年、個人ごとにいくら利益を出したか数字で表示される
シビアな世界なんですよー。
[PR]
by dezagen | 2012-01-05 07:15 | | Comments(0)