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編集者による装丁本
編集宮後です。
年末、私のTwitter上で『世界軍歌全集』という本を見つけました。
YouTubeにアップされた世界中の軍歌・愛国歌300曲を集め、
すべて翻訳した歌詞と解説をつけているという、すごい本です。
軍歌にはまったく興味がないのですが、ひきこまれてしまいました。

写真はこちら。
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カバーはクロコGAに金の箔押し、帯には金紙を使うという凝りよう。
クロコはまず使えないあこがれの紙。それを堂々と使ってしまう潔さ。
そしてこのただならぬ本のたたずまい。

いつものクセで「これ、誰がデザインしたの?」と奥付を見てみると、
担当編集者の方が装丁までなさっているではありませんか。

昔は編集者が装丁も手がけたこともあるという話を聞いてましてが、
今もそういう方がいるのであれば早速話を聞かねばと思ったのでした。

装丁を担当したのは、社会評論社の濱崎誉史朗さん。
自らを「珍書プロデューサー、サブカル変集者」という濱崎さんは
企画、造本から書店での販売フェアまでを一人で手がける編集者。
つまり著作以外の部分はすべて担当するというすごい方です。

濱崎さんがつくる本はどれもおもしろいのですが、
今回は装丁ということにスポットをあてて
ご自身で装丁を手がけられた本を見せていただきました。

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『ニセドイツ1』『ニセドイツ2』
旧東ドイツの共産主義あふれるプロダクトをあつめた本。
チープでキッチュな雰囲気がよく出ています。
タイトルロゴはフリーフォントを使用。

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『アルバニアインターナショナル』
ヨーロッパの北朝鮮と言われるアルバニアの文化を紹介した本。
表紙にはアルバニアのヒップホップスターの写真を使い、
映画のDVDパッケージのようなデザインに。

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『ファーストフードマニア』
世界各地のファーストフードの写真を集めた本。
マクドナルドの世界観で表紙をつくろうと思い、
赤と黄のキーカラーで構成。

ご自身で装丁を始められたきっかけは、
デザインを頼む十分な予算がなかったから、
自分でデザインしたほうがやりたかった方向になるから、
なんだとか。確かに、デザインを御願いして
意図がうまく伝わらないこともありますし、
デザインの頼み方ってけっこう難しいんですよね。

濱崎さんは、グラフィックソフトも使いこなし、
装丁だけでなく、本文の組版や
書店の販促フェアで使うポスターやPOPなども自分でつくるそうです。
(デザインが複雑な装丁や本文組版などは
プロのデザイナーに御願いしているとのこと)

洗練されたプロの技やデザインの完成度とは違う、独自の世界ですが、
そんなことはこの際もうどうでもよくなってくるから不思議です。

編集者の強い熱意が生み出すデザインはやはり、
どこか無視できない強烈な力を放つものですね。
思わずひきこまれてしまいます。

濱崎さんの装丁をもっと見たいという方はこちらをどうぞ。
http://www.shahyo.com/ext02/coolJapon.html

取材協力・画像提供=濱崎誉史朗さん
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by dezagen | 2012-01-16 07:35 | | Comments(0)