エキサイトイズム エキサイト(シンプル版) | エキサイトイズム | サイトマップ
ベルリンその2 サービスアパートメント Plus One Berlin
ライター渡部のほうです。

ベルリンその2,と言いつつ、もう明日にはフライトの私。
今泊まっているホテルについて。

ホテルというか、サービスアパートメント、のPlus One Berlin www.plusoneberlin.com

今年6月にオープンしたばかり、デザインにもがんばってる様子なので泊まってみることにした。
お値段、1泊130ユーロ、と少々お高め。
30平米、1ベッドルームだが、最大3人まで寝ることはできる。

部屋の様子(私が使ってる状態で取ったので、多少の使用感は許して)
b0141474_6342668.jpg


パインのプライウッドをメインの素材に使い、古い家屋の廃材リサイクルをうまく使っている。

部屋の写真を見てジャケ買いというかルックス買いというか、見た目でさくっと決めてしまったのだが、
「このホテルにはフロントデスクなどはありません、地元民 (the locals) がゲストを案内します」
え…、ああ、まあ、いいけど。

地元民はどんな人がいるのだろ、とfacebookを見てみる。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.446823325352052.104073.249254735108913&type=3

なかなかバリエーションに富んでいる様子。
さて、地元民を選ぼうと思ったら
「ログインページのパスワードは宿泊の2日前にお知らせします」
えっ…

宿泊の2日前、ログインしてみると、facebookの地元民よりも多い約20人ほど(だったと思う、最終日の今日はすでにログインできないので覚えていない)。隠し玉があるのだった。
よし!
と思ったものの、私の滞在時、できれば昼間、に空いている人はほとんどいない。
ほとんどの地元民は仕事や学業があるため、夜会ってくれる、ということらしい。
プロフィールにはパーティー好きとか街で最高のバーを教えますとか書いてあるし。
えー…。
どうしよう新手のデーティングサービスということなのだったら困るわ私そんな心の用意はないわどうしよう今最大太ってるし肌も荒れ荒れだし服もそろそろ汚れてきたし、というような雑念が走ったと言っても納得してくれる読者の方もいると思う。

ますます不安になりながら、入居当日、1人じゃ怖いので友達に着いてきてもらった(情けない43歳)。
住所を信用すると、ここ…え…ここ?
b0141474_743998.jpg


ゲートの向こうにいたトルコ人のおじさんは「plus one?しらねーな」と言ってる(らしい)(身振り手振り)。
一緒にいる友達と共に不安最高潮になってるところに、内装を手がけた建築事務所 spamroom  www.spamroom.net のパオラ・バーニャさん、自転車に乗って軽やかに登場。
若い、かわいい。
不安半減。
鍵を渡してくれるダニエルさんも出てきてくれる。
若い、かわいい。
不安4分の1。

とはいえ、ゲートを開け、エントランス。
b0141474_711247.jpg


またもや不安があたまをもたげる。
マンションというより団地という言い方がふさわしい、古い集合住宅の中の一室、それがサービスアパートメントになっているのだった。
エレベーターのラクガキ具合や階段は、あまりに暗く写真に収められないほどである。

ドキドキしつつ、パオラさん、ダニエルさんと部屋に入ると、一番上の写真のようにかわいらしい部屋が!
このギャップ!
b0141474_7173383.jpg

↑ エクストラベッド部分に座っているパオラさん。
3つの引き出し状になっていて、蓋を外し、組木のようなロックを掛け3つを繋げると、ベッド台に。
エクストラ用のベッドリネンは引き出しの中に入っている。
蓋が上がっている部分も収納。
やけにでっかいベッドだな、と思ったら、収納家具とベッドが一体になったもの。
狭小住宅のアイデアソースになる。

パオラさんの右手、窓に面して長さ2メートル以上のカウンターがあり、そこで私は今パソコンを打っている。3つの引き出しの1つが椅子になる仕組み。

「廃材を使ってインテリアを作るのが好き。建築廃材/中古材を集めた倉庫のような場所があって、そこでキッチンのドア、ドアノブやテーブルの脚などを手に入れています。ゴミの山から宝物を掘り出すような作業でものすごく大変だけど、楽しい。
素材を見つけてくっつけるだけでなく、その素材からサイズに合わせてカットしたり、何層にも塗られたペンキのレイヤーやいい感じのキズを残しつつやすりを掛け具合を考えたり、素材を生き返らせるのにかなり時間を掛けています」

ペンキのレイヤーを残した小物入れのドア。
b0141474_733685.jpg


サイズが合わなかったため、あえて細かいパーツにし、対角線状に組み合わせた板材。中はクローゼット。
b0141474_730526.jpg


クローゼットの中のハンガーも手作り。
プラスチックのハンガーに、60年代のものと思われるビニール製テーブルクロスを貼っている。
b0141474_7343166.jpg


古いガス管を使ったランプ。
b0141474_741170.jpg


「私自身工業用素材が好きだし、このエリアはもともと労働者階級のエリアで、工場労働者のイメージも少し残したほうがいいかなと考えて、古いガス管を使ってみました。ポリッシュやランプにする加工は私の父に頼みました。建築設計を作るだけじゃなくて、実際に現場の人と一緒に加工や作業をして作って行くのはすごく楽しかったですよ。確かに時間も手間も掛かるけれど、新しい素材を選んで組み合わせたものでは味わえない、その部屋だけが持つ個性を作ってくれるから。現場の様子を見ながら作らなければいけないことも多かったので、実験的なインテリアデザインではあるけれど、うまくいったと思います」

オープンしてから3ヶ月、予想外だったことや、今だったらここを直したい、というところは?と聞いてみると
「ベルリンでは多くの人が家の中で靴を脱ぐので、ベッドまで靴で上がる人がいて靴跡がつくとは思わなかったし、コップの跡が残っている部分など、プライウッドをオイル仕上げじゃなくて樹脂仕上げにすればよかったと思う場所はあります」
とのこと。なんだかその素直さにも感動したりして、不安はすっかり解消。

バスルームはグレーの床タイルと白壁をベースにしたすっきりデザインで、シンクや水栓も上質のものを使っている。お湯もしっかり出るし、壁をくりぬいた小さい窓から外光も少し入り、閉塞感もない。

3日間隔でルームクリーニング、アメニティやリネン類の入れ替えを行う。
シャンプー類はila www.ila-spa.com イギリスのオーガニックスパ用品のブランド、初めて使ったけど、結構よかった。
3日間隔といえば「地元民」も3日に1回ガイドツアーをお願いできる。

そうだ、地元民!
アポが入れられたのが今日、フライト前日の夜。
朝から雨っぽい曇りだし、寒いし、なんでこんな時に知らない人と時間を過ごさねばならないのか、と後悔すらしていたのだが、仕方ない。取材だ、と思い、地元民登場を待つ。

ワタクシが選んだのは、オランダ人で世界を旅しつつ、7カ国語をあやつり、現在ベルリン在住、旅行ライターの、Jeroen van Marle さん(オランダ発音じゃなくてドイツ語発音でもなくて英語発音で自己紹介されたんで発音が最後まで分からなかった、英語発音でジェローンさん)。
あ、よかった、普通の人…。
しかも聞き取りやすい英語。というか、話っぷりがプロのガイドのようだ。

b0141474_816815.jpg


ジェローンさんは「街オタク」だそうで(そんな言葉初めて聞いた)、グラフィティやどんな道に何があるかを見るのが好きなのだそうだ。
オーナーのイギリス人、クレア・フリーマンさんと以前から知り合いで、新しいコンセプトのサービスアパートメントの話を聞き、「地元民」になった。

b0141474_835245.jpg

こういうグラフィティは誰が書いたとか、街灯はガスですとか、いつ建てられた建物だとか、そのようなことを教えてもらいつつ町歩き。

ジェローンさんに連れて行かれるがまま、テンペルホフ空港跡広場へ。
いやー、その場所、前に行ったことがあるからいいです、と言ったものの、連れて行ってもらったら、あら、素敵。

b0141474_8362829.jpg


町中をちょっと歩いたら地平線。
一気に頭の中のゴミゴミしたものがふっとんだ。

アスファルト面のマークはランニングの折り返し地点だとか、農園スペースは地面を掘らない限り自由に栽培していいとか、色んなものが壊されるベルリンの街にあってこの農園スペースは誰も壊そうとしないとか、やはり地元民、詳しかった。

現地民のアルバイト料はゲスト1人につき40ユーロ。
現地民はゲストを選べないから、どんな人が来ても対応しなければいけない。
「英語が全然できない人とか、とんでもなく体臭がする人とか来たらどうするんですか?」と聞いてみたら
「なんとかなるよ」
とイージーゴーイングな方だった。

Plus Oneに泊まっても別に無理に地元民ガイドツアーを頼む必要はなく、メールアドレスをもらえるので、メールで情報のやりとりだけ、というのも可能。
メールでは20年代に作られた公営プールを教えてもらって、泳いできた。

ジェローンさんから読者の方へのメッセージ。
「plus oneに泊まってなくても、プライベートでガイドツアーやります。歩きでも自転車でも。ディープ情報なツアー」
ジェローンさんにベルリンツアーをお願いしたい方は、、、個人のメールアドレスをここで出すのもなんなので、私のツイッターのほうに連絡下さい(私がそこまでやる必要はないが、現状どうすればいいのか分からないので、当座)。 https://twitter.com/chiharuwatabe

このサービスアパートメントのシステムは使い方次第だな、というのが私の感想。
Plus One のある南クロイツベルグ+北ノイケルン地区はちょっと前まで、貧乏で荒れた地区という印象があったらしいのだが、その家賃の安さからアーティストや外国人が多く移り住み、現在は新しいショップやバー、クラブが次々とできている、かなり変化の激しいエリア。夜しか開いていない店もあり、昼と夜の印象もかなり違う。
いわゆるベルリンの観光地、中心地とは若干離れているけれど、新しいエリアならではの雑多感、動きが好きな方にはオススメできる。

長々と書いたが、こうした次々と生まれる新しさ、世界から集まってきた人々によるプロジェクト、はベルリンカルチャーの象徴的なものだと思う。

と、いうわけで、私は明日(すでに今日)のフライトに向けて、寝ます。おやすみなさい。
[PR]
by dezagen | 2012-09-06 09:20 | インテリア