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渋いたばこ
ライター渡部のほうです。
ジャカルタより。

インドネシアは日本をしのぐたばこ大国だ
喫煙率は人口(約2億4千万人)の30%強(成人男性の60〜70%)。
喫煙天国と言われる日本(人口約1億2千万人)でも現在は20%強だから、インドネシアではかなりの人が吸っていることが分かる。

ホテルの隣のショッピングセンター内(巨大。4階建てでシネコンやそごう百貨店、フードホールなど、紹介文によれば約550のテナントが入っている、らしい)のたばこ売り場で見たところ、喫煙率の割には日本と比較するとたばこの種類は少なかった。
きちんと数えてなかったが20種類くらいだったと思う。

日本も喫煙率がピークだった1960年代はそれほど種類は多くない。
自分自身の記憶を辿っても、子供の頃だから70年代、お使いに出された(昔は子供がお父さんのたばこを買いに行ったものです。今では考えられない)時、銘柄は大体メイン10種類くらいだったと思う。
喫煙率よりも経済の発展と、競合状態(日本の場合は海外のブランドが入ってきた状況)がたばこの銘柄を多くするということだろう。

現状、海外のブランドが多く、マルボロ、ダンヒル、マイルドセブン(日本ではメビウスになったけど)の人気もさることながら、The One、ESSEといった韓国ブランドも参入している。

ガラスケースの中(というところからして、なんだか昔を思い出させる)から、気になるたばこのパッケージを取りだしてもらい、見たところ、ホログラム箔とエンボスを多用したパッケージが多かった。
中でもかなり気になったのがこれ。
ESSE GOLDEN LEAF

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松のホログラム箔押し。
漆に螺鈿を象嵌したみたいな高級感。
渋い。かなり渋い。
たばこのパッケージでこういうアプローチは初めて見た。
(ホテルの小さい照明の下で撮ったので、なんだか黄色味が強く出てしまったけれど許して〜)

現在、たばこのパッケージを見ると、マルボロなどの定番はより定番感を強く、新商品は若い人にも訴えるような爽やかさやシャープなイメージ、あるいは黒を基調としてロックっぽい(革ジャンとか)強いイメージ、というのが目立つ。
応接間に合うような伝統工芸風のアプローチというのは珍しい。

応接間といえば、かなり昔だが某大手企業の応接室で取材をした際、ふかふかの絨毯、沈み込むようなソファ、重そうなテーブルの上、レースの敷物の上に堂々と大理石のたばこ入れ&ライターセットが置いてあって「ああ、いかにも金持ちの応接間」と感じたことがある。
そんなところに似合うESSE GOLDEN LEAF。
今、日本でも(むろん嫌煙先進国欧米でも)そんなTHE 応接間というセッティングは見ないが、大理石もしくはクリスタルのたばこセットと言われれば、確実に40代より上の世代には理解される感覚だろう。
ESSE GOLDEN LEAFのパッケージは過去、たばこがもてなしの象徴であった時代を懐かしむ世代にはアピールできる感覚かもしれないし、まだまだたばこ文化が根強そうで、これから経済発展が進むインドネシアではこのお金持ちな感覚を欲しがる層もありそうだ。

話は飛ぶが、大型ショッピングモール内、しかも見るからに中産階級向け、のたばこ売り場を見ただけではインドネシアの喫煙事情を理解したとは思えない。
喫煙者の多くは低所得者層だと聞くし、小さな雑貨店で買うたばこは箱売りもあるけれど、1本ばら売りで買う人も多い。
そうした場所では銘柄は気にしても、パッケージは二の次だろう。

たばこに限らず、あらゆるメーカー、あらゆるビジネスが次の巨大市場として目を付けているインドネシア。
現状は中産階級をターゲットにしているところが多いが、今後、低所得から中産に向かう層にもアピールする手段を模索している途中だと思われる。
たばこのパッケージはどんなものが受けるのか、あるいは、たばこ大国インドネシアでも嫌煙ブームが訪れるのか、かなり気になるところだ。

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後日補足

このブログをアップした後で、もう少し庶民向けの店を見てみたら、たばこの種類はもっとあった。
おそらくインドネシア産のやや安めのたばこを見てみると、箱の特殊加工などはないが、色使いが赤と黒のコンビネーションなど、強いイメージのものが多かった。

ちなみに、中産階級向けのショッピングモールと、庶民的なショッピングモールのスーパーマーケットは、品揃えもかなり違う。びっくりしたのは、日用品の代表選手のような歯ブラシが、中産階級向け=1本300円くらい、庶民派=1本50円〜100円、と、全然違うものが売っていること。他も推して知るべし。
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by dezagen | 2013-01-14 01:36 | プロダクト・パッケージ