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プライベートブランドについての雑感。
 ライター渡部のほうです。

 このところ、ずっとプライベートブランド(もしくはプライベートレーベル、ハウスブランドなどの言い方もあり)について考えている。
 昨年8月に久々にパリに行き、フランスの大手スーパーマーケットmonoprox(モノプリ)のデザインが秀逸だなあ、と感じたことから始まるのだけれど、この前ロンドンに行った時、スーパーマーケットの商品を眺めていて、プライベートブランドはスーパーマーケットのブランディングの顔なのだな、と感じた。

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(フランス、モノプリの棚から。キャセロールなど煮込みの缶詰コーナー。上の段は個々のメーカーが出しているもの、下の段はモノプリのプライベートブランド商品。文字だけで構成されている)

 若干古い情報だれど、日経新聞12月16日の記事によれば
「小売り大手のセブン&アイ・ホールディングスはグループ内の百貨店、スーパー、コンビニエンスストアで共通販売する高級路線のPB(渡部注:プライベートブランド)を、今後3年で2倍に増やす。グループ全体のPB比率も4割強まで引き上げる構想だ。
 小売業売上高に占めるPB比率は欧州が3割から5割、米国が2割、日本が1割前後とされる。英国では小売業が低価格、高級、健康志向など複数のPBを持ち、分野を越えて商品を集める。客は自分の価値観に合うものを見つけやすく、消費が活気づく。」
だそうだ。

 確かにイギリス(とはいえ私が知っているのはロンドンだけだけど)のスーパーマーケットに行くと、ほとんどの商品はプライベートブランドが揃っている。個々のメーカーやブランドが出している、いわゆるナショナルブランドと呼ばれる商品よりも安いので、よほどニッチな商品(たとえば日本の味噌が欲しいとか)か、ご愛用のブランドがある場合でなければ、プライベートブランドでいいや、ということになる。

 日本のプライベートブランドは現状「安さが売り」になっているが、日経新聞の記事が書くように、イギリスのプライベートブランドは、低価格、高級、健康志向など非常に細分化が進んでいる。シェア1位のテスコ、3位のセンズベリーズ(2位のアスダは郊外大型店を中心としているので若干傾向が異なる)共に約1600のプライベートブランドアイテムを持っている。

 例えばこの写真。ロンドン市内のセインズベリーズセントラル(市街地にある比較的小さいサイズ、とはいえ日本のスーパーマーケットと大体同じようなサイズ、さらに小さいセインズベリーズローカル、というのもあり、こちらはコンビニ感覚)のチェダーチーズの棚、の一部(イギリスのチーズの棚は目まいがしそうに種類が多い)。
 
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 一番下が最も安いラインでBasic。ほとんどの商品は白字にオレンジのパッケージ。
 下から2番目、3番目をほどんと占めているのが、プライベートブランドの基本のラインでby Sainsbury's。色面を大きく使っているのが特徴。
 下から2番目の棚の左から3種類目の黒地ラベル+写真を使っているのが、高級ラインでTaste the Difference。
 その上、深緑にSOの文字が見えるものがオーガニックのSainsbury's Organic。
 他の商品がナショナルブランドで、プライベートブランドが棚のメインを占めているのが分かるかと思う。しかも複数のプライベートブランドが棚に並ぶ、という状況だ。
 セインズベリーズのプライベートブランドはこれだけでなく、他に脂肪分を減らしたり全粒粉を使ったりして健康志向なシリーズ、小麦、グルテン、乳製品を使ってないシリーズ、フェアトレード商品などなど、ロンドンには年に1度行っていると思うのだが、行くたび商品のシリーズが増えているような気がする。

 ここまで来ると何を選んだらいいのか分からなくなってくるし、それぞれのシリーズがお互いに邪魔し合っているようにも見えてくる。日本の小売店でプライベートブランド商品が4割強、になるのはかなり先のことになると思うのだが、その時はやはりこんな風に混乱させられることになるのだろうか。

 ひどく残念なのは、高級ラインがどうも今ひとつぱっとしないパッケージなことだ。セインズベリーズのTaste the Difference、テスコのFinest*、他スーパーマーケットの高級ラインとなると、ほぼ一樣に黒と銀と写真、という凡庸さ。
「なんで黒と銀と写真になったんだろう」と現地の友人と話していて、「ハービー・ニコルスのせいじゃない?」という答え。
 参照:www.harveynichols.com/

 ハービー・ニコルスは白地にモノクロ写真の組み合わせだが、無塗装の缶パッケージと組み合わされたものも多く、確かに、黒と銀と写真、で共通する。
 しかし、これ、出て評判になったのが20年以上前だと思うのだが、本家がそれを続けているのはともかくとしても、もういい加減、新しい高級感で勝負してもらいたいもの。

 結果、現地の友人と行き着いたのは、どのプライベートブランドでも、スタンダードなシリーズが一番デザインがいい。
 
 これぐらいでいいよ、という好例。テスコのパスタパッケージ。かわいい。

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by dezagen | 2013-05-25 22:41 | プロダクト・パッケージ