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夏のお坊さん
ライター渡部のほうです。

法事のため、実家の新潟市にいる。
昨日、その法事があったのだが、35度以上の炎天下、墓石はおろか、歩くところまでもが石ばかりで構成され、かつ、日陰の全くない霊園では立っているだけでも煮えそうであった。

ちなみに「新潟出身です」というと、雪深い里からやってきた、スキーが得意で暑いところは苦手なの、みたいな印象にされるので、「新潟市出身です」と言い続けてきたのだが、他県の方にしてみれば、新潟市だろうが、他の市町村だろうが印象は一緒らしい、ということが、最近やっと分かってきたので、もう「新潟出身です」と言うことにしているのだけれど、とりあえず、なぜ新潟市、と書いたかというと、これが、海岸沿いのため雪はそれほど積もらないものの冬は冬でそれなりに寒く、おそらく皆さんのイメージを壊さないのだろうが、夏は夏で皆さんのイメージをかなり壊すだろうが、ものすごく暑いのである。
天気予報を見たら、昨日は東京より暑かった、のだ。

とはいえ、帰省の目的は法事なのであるから、お墓、すなわち外、に行かなければならないのである。
というのは、もちろんお坊さんも同じで、というか、このお盆というハイシーズン、お坊さんは何件も掛け持ちして、灼熱の外でお経を上げなくてはならないのである。
しかも頭はツルツルで保護するものもなく、袈裟は夏用とはいえ、何枚かを重ね着。
お坊さんは熱中症にならないのだろうか。

と気にしていたら、やはり、そこはお盆のプロ。
準備があった。

まず、室内でお経を上げる際、法衣の腕の下になにやら籠のようなものを装着。
「腕貫」なるギア、母は「ドジョウすくいのワナのようだ」と言っていたが、それではあまりにも分かりにくいと思うので、現役住職さん(今回私たちがお会いしたお坊さんにはあらず)のお書きになったこちらのブログをご参照下さいませ。
http://blog.takuzousuinari.com/?eid=1034821

籐を筒状に編んだもので、これを腕の下に装着することで、衣が直に肌に付くのを防ぐ。
風通しをよくし、かつ、衣が汗でくっついたりしない、というもの。
ネットでざくっと調べた限りでは、奈良時代に遡るという「昔の人の知恵は素晴らしい」夏のひんやりグッズである。

昨今女性が着けている日焼け防止のアームカバーを見ると、逆に暑そうに見える。
装着するのが面倒そうだが、この腕抜きコンパクト版など作ったら、意外に受けるんじゃないのか。

鎖帷子の籐バージョンみたいな大きなリング状で籐で編んだ胴着もあるらしい。
http://item.rakuten.co.jp/kokadou/u210/#u210

さすがに胴着を一般で使うには無理がありそうだが。

さて、お坊さんの暑さ対策はもう一つあった。
墓地に移動したお坊さん、車から出ると同時に、ばさっ。
日傘。

このメーカーのものか分からないが、極めてこれに似た仕様。
http://www.kasa-higasa.com/SHOP/0102.html
外側がシルバーで外光をがっちり反射し、内側はがっちり日陰を作る黒。
折りたたみでもなく、きちんとした長傘。
お経を上げる時も、霊園の人(だったかお墓メーカーの人だったか)に持ってもらい、常に日陰下。

数年前、初めてシルバーな日傘を教えてくれたのは某デザイナーさんなのだが、かなり目立つし、男性が日傘持つって難しそうだな、と思っていたのだが、そこはお坊さん、炎天下のお務めを全うするため、お坊さんが熱中症で倒れたら困るし、必需品としてやはりやわな日傘は選んでない。
男性と日傘、はまだイメージしにくいが、このお坊さんが堂々と持っていたことで、むしろ日傘すら仏具の一種にさえ見え、ありがたい気持ちすら湧くのだった。
それを数年前に目を付けたデザイナーさんもさすがだ。

と、いうわけで、法事は無事終わりました。
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by dezagen | 2013-08-18 01:22 | プロダクト・パッケージ