編集宮後です。
先ほどの続きは中国から。
中国は、毎年必ず手で綴じた系の本が出品されます。
今年は3冊くらいありました。単なる四つ目綴じではない
力技的な書籍たち。
毎年、変な本がたくさんあって楽しいオランダは
やはり今年も期待を裏切りません。
イランで検閲された新聞記事の写真だけを集めた冊子、
すべて二つ折りのページを綴じ込んでいる本(何のため?)、
美容整形クリニックの診察イスばかり集めた写真集、
四つ折りポスターを重ねただけの綴じてない冊子、
水が大好きなおばさんの写真集(しかも防水加工済み!)などなど。
少部数とはいえ、ずばぬけて変。
『シッケンズプライズ・モンドリアンレクチャー』(オランダ)
連続レクチャーシリーズの冊子。四つ折りポスターを重ねただけ。
ポスターとして掲示したあと、重ねて綴じられるというコンセプト
なのだろうか、はっきり書いてなかったけど。オランダは
蛍光色のグラデーション使いが他の国より多い気がします。
『シグリード・カロン』(オランダ)
リソグラフで印刷された作品集。日本では「レトロ印刷」として
有名になった印刷方法。インキの色も日本と同じなので、
同じ機械で刷っているのでしょうか。
『空想動物の動物園』(オーストリア)
ウィーン応用美術大学の学生が描いた空想の動物をまとめた折り本。
折り本は蛇腹のように広げることもできるし、
本のように頁をめくることもできる形態なので、
イラストの表現には向いていそう。
スイスは造本や組版が美しい、
玄人受けしそうな本が安定して選ばれています。
ぱっと見、地味だけど、いい本が多い印象。
写真だと良さが伝わりづらいので割愛します。
全体の展示の傾向としては、
昨年よりも書店で買える本が減って
部数が少ない特殊本が増えている感じがしました。
そのような状況を考えると、書店売りしている
書籍も多数入賞していた日本は健闘しているのかもしれません。
展示されている書籍は約200点あるので、
時間がとれるときの見学をお勧めします。
展示は来年3月2日まで。
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/131130/index.html