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help のパッケージ
ライター渡部のほうです。

こちらはスーパーマーケットではなく、ホテルのショップで売っていたもの。

help のパッケージ_b0141474_191208.jpg

Help Remedies という会社 www.helpineedhelp.com/#products の製品で、少量の薬を携帯しやすいパッケージにし、中にブリスター入りの薬が入っている。
パッケージはリサイクルペーパーをモールド加工したものを、生物分解するプラスチックのフレームに入れている。

アメリカのドラッグストアで頭痛薬を買おうとすると、ボトル入りばかりで、40錠とか100錠とか、そんなに要らない量で売られている。ブリスターパック入りもほとんど見ないので、携帯しようとすると、デカイボトルを持ち歩くことになる。

そもそも、なぜそんなに一気に大量に買わねばならないのか。
そしてなぜそんなに大きいのか(錠剤を切るピルカッターや、潰すピルクラッシャーなども売っている)。
という私の疑問をそのまま回答するように、「(薬を)取るのは少なく」が、このブランドのキャッチコピーなのだ。

こちらの左側をクリックすると、PRビデオが見れる。
www.helpineedhelp.com/#takeless

若干残念なのは、せっかくきれいなケースなのに、紙部分がすぐ潰れるので、ピルケースのように何度も使うのはちょっと難しそうで、またリフィルだけというのも売ってないようだ。4ドルくらいなので、毎回買ってもそれほど財布は痛まないが、リユースできればもっといい、とは思う。

今回のアメリカ旅行は「日用品、食品」のパッケージについて、考え方、見方を考えさせられるものとなっている。
例えば、このHelpのシリーズは、私から見れば、あるいは、デザイン雑誌的な観点から見れば「いいデザイン」と評価されるだろう。
だが、実際のアメリカ市民の間ではほとんど普及しておらず、限られたショップでしか手に入らない。

先のブログでTrader Joe'sについて書いたが、Trader Joe'sにしろ、Helpにしろ、あるいは他のデザイン雑誌的に「いい」と評価されるパッケージが効果があるのは主に都市部の限られた人々である。
これはなにもアメリカに限ったことではないと思うが、アメリカで買う層の違いは日本ともヨーロッパとも比較にならないほど顕著に表れている。

ベントンヴィルのタクシー運転手さんが「多くのアメリカ人は何も考えないで物を買う。パッケージに書かれていることは見てない」と、言っていた。
では、何を見て、何を基準にして「多くの」アメリカ人、他の国の「多くの人」は物を買っているのだろう。
現状推測できるのは
・価格
・お買い得感
・インパクト
・昔から買っているもの
だと思う。

誰がターゲットで、どういう商品のメッセージがあり、それが伝わる場所にあり、最終的に伝わっているか。こういった背景を考えなければ、ただきれいなデザインというだけではパッケージは評価できない。
改めて実感した、というか、体験して、結構ショックを受けている。
by dezagen | 2014-03-19 19:58 | プロダクト・パッケージ