エキサイトイズム エキサイト(シンプル版) | エキサイトイズム | サイトマップ
カトマンズ、アブダビ、シンシナティ、デンバー、東京 何もない土地


カトマンズ、アブダビ、シンシナティ、デンバー、東京紀行の続き。
アブダビとデンバーについて。

アブダビもデンバーも、経由地としての滞在。
今回のアブダビは、カトマンズでの空港閉鎖解除直後のためフライトの時間がずれ(滑走路での渋滞、という結果)、成田行きの便への乗り継ぎがうまくできず、次の日の便となったため、急遽航空会社の用意したホテルに1泊することになったわけです。
ピカピカの道路を抜けて、ピカピカしたリゾートホテルへ。前者のピカピカは新しさ、後者のピカピカは金色が随所に施され、ツヤツヤしたインテリアだからなのですが、電力供給の制限があり暗く、道路が舗装されていないところも多いためにほこりっぽく、家具や建物は古びても修理できない、そんなカトマンズから行くと、すべてが光って見えるアブダビなのでした。
アブダビの都市部はこの十年ほどの間に急激に都市開発を行っています。今回泊まったホテルも10年経ってないはず。

アブダビは数年前に土地開発について取材に行きました。http://blog.excite.co.jp/dezagen/13718948/ 
主に2020年頃完成予定(完成予定年は随時変わっています)のサディヤット島についてでしたが、ルーブルやグッゲンハイムの別館、大学や居住地域、リゾート地域など、砂漠だった27平方kmをまるごと0から都市開発する規模の大きさに驚いた覚えがあります。27平方kmは2700ヘクタールなので、大体多摩ニュータウンと同じくらいの大きさのようです。

海に面した砂漠の地、アブダビから8197マイル(自動計算を信じれば)、北アメリカの内陸部、デンバー。
デンバーの都市部ではなく空港近くのホテルに泊まったのですが、ここがホテル10軒とガソリンスタンドとセブンイレブンしかない一画。ホテルはハイアットやマリオット系列、ホリデーイン、ベストウエスタンなどよく知られた名前ばかり。多分出来て1年くらいなんじゃないかと思いますが、ホテルの区画から出るともう360度地平線。
振り返ると何もないんじゃないか、などとSFのような事も起こりそうな雰囲気です。

少し前までそこには全く何もなかった「未開の地」にできたホテル群と店なのですが、どのお客さんも戸惑っている風はありません。
車を降り、荷物をホテルに運び、部屋に行って寝るのです。当然のようにベッドがあって、シャワーがある。シャンプーも石鹸も何の戸惑いもなく使う。
コンビニエンスストアはまるでいつも使っている店かのように、キットカットを買い、ペプシを買って行きます。
ここでは知らない土地に来たドキドキ感もなく、その土地柄や風情を楽しむ旅行気分もありません。土着感、あるいは外国だと感じるエスニック感はありません。なぜならば、ここは(ホテル従業員やコンビニの店員は別として)誰にとっても単なる経由地であり、そこでは誰もが迷いなく行動できるような環境でなければいけないからです。ここで土着的なもの、知らないブランドばかりが並んでいたら戸惑いがあり、時間がどんどん消化されてしまいます(観光地はそんな風に土着的なものを見せて、人を留まらせます)。しかし、経由地では人をスムースに動かさなければいけないのです。ホテルにしろコンビニにしろコンビニの棚に並ぶ商品にしろ「誰もが」知っているブランドで人々の認知を速くすることが求められるのです。

「誰もが」と書いていますが、この「誰もが」というのは、世界全体で見ると限定された「誰も」ではあります。
この「誰も」「誰でも」に関しては、それだけで1年間くらいの講義になりそうなので、ここでは割愛。
なんとなく、多くの人が、と思って下さい。

アブダビで泊まったホテルの隣のショッピングモール。スーパーマーケットには、コカ・コーラやマギー、ジレットやラックスといった世界各国どこでも見るインターナショナルブランドに溢れていました。アブダビで泊まったホテルは、今回私は経由のためでしたが、本来リゾート+ビジネスを目的としたホテルですから、デンバーのセブンイレブンとは違って、スーパーマーケットの利用客もゆっくりと買い物はできます。ですが、石油以外の資源はほとんどなく、自国メーカー、ブランドが育ちにくいことに加え、人口の7割は世界各国からやってきた外国人であることを考えると、アブダビの自国ブランドが育つのを待つよりは、インターナショナルなブランドが入ってくるほうが早く、訴求力も高いのです。

アブダビのスーパーマーケットとデンバーのセブンイレブンでは規模も違い、細かい品揃えは異なるのですが、共通項として
新しい土地にある新しい店だからと言って、新しいものが受け入れられるわけではない事が言えます。
むしろ、新しい場所にある品揃えだからこそ、既存の品揃えが求められる。
ホテルも同様で、新しい場所だからこそ、チェーン店のほうが分かりやすく受け入れられる。
チェーン店とインターナショナルブランドの組み合わせでできた場所は、世界のどこにでも存在していてクローンみたいです。
[PR]
by dezagen | 2015-04-12 14:31 | その他