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ハーマンミラーの本社、工場に行って来た話 2日目前半
ライター渡部のほうです。

2日目はまた別の社屋で、グリーンハウス、と呼ばれる部署に行く。
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ここでは、樹脂系の家具製造、及びショールームがある。

プレゼンテーションを受けるお部屋。ここもまたコレクションと呼ばれる家具でしつらえられている。
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左にいるのが近藤栄子さん。
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手前、Eames Lounge Chairでコーヒー飲みつつ余裕な私。こんな風に座ってみたかった、夢が叶った。
奥は何でも答えてくれた、ハーマンミラーの生き字引、ガーブ・キングマ氏。
何でも答えてくれるガーブさんなのだが、この時点で私の興味が、家具のディテールの話よりも、企業としてどういう指針を持っているか、に変わって来て、質問が曖昧になってきてしまい、ガーブさんもさぞかし困ったことでありましょう。

我々の見学では、撮影禁止だった工場の様子が、youtubeのHerman Millerページに上がっていたので、参考まで。
The Making of Herman Miller Chairs
Published on 3 May 2012

ビデオ中、0:40〜2:06まではテストラボの様子。
テストラボは、前日に行ったデザインヤードのほうにある。

テストラボでは、例えば椅子として出来たものの加重、衝撃、耐久性などをテストするだけではなく、今後製品化されるものの、パーツ(素材違い、微妙な角度違いなど)の耐性テスト、さらに既存のすでに市場に出ているものを定期的にテスト、と、あらゆるものをあらゆる方法でテストするところ。
日光や湿度、温度にどれだけ耐え、どの時点で劣化するのか、というテストのスペースは、家が一軒入るくらいの大きさ。
リクライニングに何回耐えられるのか、加重に何回耐えられるのか、というのは専用のマシンで、がちゃんがちゃんテストし続け、夜、人がいなくなっても延々とがちゃんがちゃんが続くらしい。夜、見に来てみたい。
パーツの強度テストでは次々とパーツが破壊されるまで力を加えられる。次々と壊れていく様は、見ていて気持ちが良い程であった。デザイナーや商品開発の人は気が気じゃないだろうけど。
壊れたパーツは一つ一つ保管され、どこの部分が弱いのか、どう壊れるのか、後で検証される。
このような過酷なテスト(アメリカの基準、国際基準以上に厳しいテストをハーマンミラーでは行うそうとのこと。なるほど、長持ちするわけだ)を経たものが製品化され、市場に出る。このテストラボを見ていると、そうそう簡単には市場に出なさそうで、一つの製品の道のり遠いなあ、と思った次第。

モデルルームへ。
Locale
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参照 http://www.hermanmiller.co.jp/products/workspaces/individual-workstations/locale.html

Public Office Landscape
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参照 http://www.hermanmiller.co.jp/products/workspaces/individual-workstations/public-office-landscape.html

日本にはまだ入ってきていないヘルスケア部門のショールーム一部。
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このシステムは美術系の大学に取り入れられる(取り入れて欲しい、というべきか)と思ったもの。
一つは、薬品などの整理ユニットは、学内で使う小さいものの仕分けにそのまま使える。危険物の管理も鍵の掛かるロッカーを付けることができる。
個人的なことを言えば、私は「日用品」がテーマゆえ、本もあれば、スーパーの袋もあれば、パッケージ各種もあれば、と形態がバラバラなものを保存していて、引き出し式の整理棚に入れておくと、どこに何が入ったか分からない。で、そのうち忘れてしまう。こういう斜めから見える収納ユニットがあると楽だ。
薬剤を多く扱う工房はより、こうした収納が必要になりそうだ。

また、もう一つは、対面式の医者と患者という関係は、教員と学生の関係にも通じるものがあるため。
モニターを見て情報を共有しながら、問題の解決方法を提供していく、方法は、家具をどのようにアレンジしても出来ることなのだろうが、そのようにしつらえた場所であればよりスムースにできるんじゃないだろうか。

1日半の見学の中で、家具の配置によって、いまある状況をもっと良くできるのではない、という具体的なイメージが湧いてくるようになった。
この時までにも何度か「ハーマンミラーが売っているのは家具ではなく、解決法である」と言われていたのだが、日本にいてハーマンミラーというとアーロンチェアやイームズのシリーズなど、単体でのイメージが強かったため、あまりピンと来なかったことや、最近はどこの会社でも(デザイン会社でも)「売っているのは商品ではなく、解決法」という言い方をするので、広告の売り文句的に聞いていたのだが、アメリカのハーマンミラーの場合、日本よりももっとオフィス提案の比重が大きい。
さらに、それを具体的に会社見学(会社の透明性)という形を取って見せてくれたので、見てるこちらも「ああ、こういう使い方ができるんだな」と納得しやすかった。

むろん、アメリカと日本のサイズ感の違いもある。働き方の違いもある。
既存の家具を全部とっぱらって、新しいシステムを全導入というのも無理があるだろう。
また、日本にもいい会社があるし、ハーマンミラーだけが解決策を提示しているわけではない。
だが、ハーマンミラーの提案する合理的なところ、変化に対応していこうとする姿勢から、得るものは多い。

2日目の後半に続く。
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by dezagen | 2016-05-05 18:08 | インテリア