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石田和幸(君)の事
ライター渡部のほうです。
というか、東京造形大学教員の渡部です。
今回はかなりひいき目な投稿。

大学に勤め始めて7年目になろうとしていて、学生(18歳〜22歳くらい)の感覚もなんとなく分かってきた。
また同時に、すでに6回、卒業生を送り出している。彼らは今年齢が22歳〜30歳くらい。
ライターとしてデザインの取材をする対象は、ほとんどが30代より上。学生も私が見て来た卒業生もまだまだこれからという世代だ。

一方で教員として学生を見て、一方でライターとしてプロの仕事を見ていると、その間にかなりの差がある事にも気付く。つまりは卒業してから30代に入るまでに色々な経験を積んでいくということの表れでもある。

今回紹介する石田和幸は昨年卒業したばかりで、本当にまだまだ「卵」か「ひよこ」の状態。
今はデザイン事務所のデザイナーとして働く一方で、自分の表現追求も継続している。

ガーディアン・ガーデンが開催しているコンペティション「1_WALL」、第16回グラフィック部門でファイナリストに残ったものの
残念ながらグランプリにはならなかった。
教え子だけに残念、というのと、個人的に非常に好きな作品だったので他に見せる機会がないのも残念、ということで、ブログで紹介。
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「1_WALL」での展示風景
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絵の部分を拡大。

タイトルは「かたちは見えている、」。
黒い画面に細い白い線なので「かたちは(ギリギリ)見えている」のだが、このギリギリ感に意図がある。
あまりにも身近にあって、気付きにくい物の形の美しさ、これをじっくり見る、意識する事が目的だ。

まずは街中で見つけた気になる形の物を写真に撮り、プリントアウト、鉛筆でトレース/製図用の細いシャープペンシルで清書。その原画をスキャン、白黒反転させてインクジェットで出力することで、この極細の白い線を表現した。

「1_WALL」ではファイナリストの展示もそうだが、最終的にギャラリーでの個展を目的とするため、展示方法もかなり問われる。
大小異なるサイズの黒地の紙の上に、白地の紙を部分的に置き、少しめくって見せている。
私感で言えば、私はこの黒地の絵自体がいいと思ったので、展示には凝らず、作品を真っ正面から見せる方法のほうが良かったのではないかと思う。
ギャラリーでストレートすぎる展示方法はなかなか度胸のいることではあるし、この少しめくった展示が良かったという人もいる。
異なる評価を本人がどう吸収していくか、これが成長の鍵だと思う。

大学では(授業やクラス教員によるけれど)概ね「こうしたほうがいい」「これでいい」という1つの方向の評価を受けるわけだが、社会では他者の様々に異なる評価を受けながら、トライアル&エラーを重ね、自主的に選択、研磨していく。

石田の表現も技術も変わっていくだろうけれど、この作品に表れている、日常をしっかりと見る力はずっと持ち続けて欲しいと思う。



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by dezagen | 2017-04-08 00:03 | デザイナー紹介