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マルマンのスケッチブック
 黄色と深緑のコンビネーションも小粋な表紙を見れば誰もが「ああ、あれあれ」と思い出すマルマンのスケッチブック。今年は量産化が始まってから50周年を記念し、メモ帳やノート、ファッションブランドとのコラボレーション企画など、表紙のパターン使った様々なキャンペーン商品が出ている。

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スケッチブックとキャンペーン商品


 登場以来50年、バーコードの追加や品番の変更があったくらいで、デザインはほとんど変わっていないというのにまず驚く。
「これまでデザインを変更しようという提案もありませんでした。売り上げが落ちませんので、変える必要がないんです」と、マルマン企画グループの渥美要氏は言う。
 さらに驚いたのは、認知度の高いこのデザインが学生の持ち込みだった、ということ。手がけた奈良部恵三氏は美術学校ではなく青山学院大学に在籍していた、いわば素人。その後、奈良部氏はグラフィックデザイナーの道を歩むことになるが、素人でもセンスを見抜いて採用した社長の目の鋭さに感服する。
 当時の社長(現名誉相談役)井口秀夫氏はかなり先進的な人物だった。海外渡航が難しかった時代にドイツの機械を入れ、日本でいち早くスパイラル綴じの量産化を可能にし(それまでは職人の方が一個一個手でねじり入れていた、というのもすごい)、60年代にはロゴ、シンボルマーク、クロッキー帳のデザインに原弘氏(※)を起用している。

※ 原弘(はら・ひろむ)1903年長野生。21年東京府立工芸学校(現東京都立工芸高等学校)卒業し、そのまま同校の教諭に就任。日本工房を経て、41年東方社入社、対外宣伝紙『FRONT』アートディレクションを手がける。51年日本宣伝美術界(日宣美)立ち上げ、60年日本デザインセンター設立など戦後日本のデザイン界を牽引した。86年没。

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原弘デザインのクロッキー帳(左)とシンボルマーク、ロゴタイプ

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新しいシンボルマークとロゴタイプ。デザインは成澤豪(なかよし図工室)


 マルマンは今年、スケッチブック50周年と同時に、ロゴとシンボルマークもリニューアルした。そのキャッチフレーズは「私たちマルマンは“変わらず”へと、変わります」。シンボルマークはスケッチブックの柄をモチーフとしたもので、ロゴは微調整に抑えている。これまで築いてきた歴史や財産を無駄にしない企業姿勢がうかがえる。
 スケッチブックのキャンペーンで出された特別商品の中には売れ行きがよく、定番化を望む声もあるが「売れたからといって定番商品にするかどうかは、慎重に見極めないといけません。そうでなければブランドとしての価値が薄まるおそれがありますから」と渥美氏。
 うーむ。これこそブランディングの真髄。
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by dezagen | 2008-08-16 01:25