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スパルタ美術学校     があったなら その2
ライター渡部のほうです。

「スパルタ美術学校     があったなら」と書いて、アップして、寝た。ところで、なんとなくまだ創造力が乏しいような気がし、寝床でスパルタ学校に足りないものとはなんぞ、というのをぼやーっと考えていたのだが、やはりこれだろうか、と思いついたのは
「鬼軍曹」
とはいえ、軍隊ではないので、我々の世代なら記憶にある中学の頃までは確実にいた
「木刀か竹刀を持ってる先生兼生活指導の先生」。

後者ではあだ名として長すぎるので、影のあだ名「鬼軍曹」としておこう。
そんなキャラを想像すると、スパルタ美術学校も色が付く。

スパルタ美術学校は寄宿制なので(勝手に想像中)、プライバシーもへったくれもない大部屋に二段ベッドが並んでいるところで学生は生活をしている。
朝は二段ベッドの柱が鬼軍曹の木刀でなでるように音を響かせる、カコーンカコーンというエコーおよびその振動で目が覚める。当然そんなことを毎日毎朝御軍曹がやるので、二段ベッドの柱も特定の場所に木刀の跡が付いている。しかも1ミリも狂わず木刀のサイズだ。ああ怖。

鬼軍曹の指導方針には、学生の個性などは邪魔なので「お前らの個性なんて地中の蟻ほどの価値もない。せいぜい地中に出られても、女王蟻のためにご飯を探してくるくらいが関の山だ」などと言うのだが、果たしてその蟻の話は何かの比喩なのか、さっぱり分からない。ぽかーんとしていると、睨まれる。うっかりご飯などこぼそうものなら「お米一粒に七人の神様だ。残さず喰え」と床に落ちたご飯まで食べさせられる。

って、私は一体何の想像をしているのだろうか。
こんな鬼軍曹がいてもいいが、何の教員なのだろう。やはり生活指導担当だろうか。
教室の後ろに立っていて、気の緩んだ学生を見張っている役だろうか。

ちなみにさきほどのポストで「pantone」を「panton」と書いていたのに気がついて、さっき直したのだが、鬼軍曹ならばそんなことは絶対に許さないであろう。
こういう失敗があろうものなら、pantoneの歴史を明日までに暗唱、という課題を出されるに違いない。
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by dezagen | 2014-01-14 04:55 | その他
スパルタ美術学校     があったなら
ライター渡部のほうです。

ブログ相方宮後さんとは主にメールと電話でやりとりしていて、なかなか生宮後さんと喋る機会がないのだが、先日一緒に取材に行き、つかの間の逢瀬に久々無駄話を楽しんだのであった。

その中で出た話題。
「スパルタな美大があったらいいかも」

デザイン事務所なり、広告代理店なり、デザイン系の学校を卒業して働く職場は、タイトなスケジュールと膨大な仕事量があって、できれば即戦力が欲しい。
で、この学校を卒業したら、もう絶対保証付きで即戦力になる、確実にいい仕事ができる、精鋭を育てる学校が仮にあったらすごいかも〜、という無邪気な発想だったのだが、そこから色々想像してみた。

体育会系並に無駄に厳しく、脱落者が多いために、ものすごく卒業資格を所得するのが難しい。
英国のSAS(特殊空挺部隊)並に。
例えば、今の即戦力には繋がらないけどカラス口0.1mmで1mmの罫の中に5本均等に線を引く練習を延々やるとか。
ラフスケッチの段階で相手に見せても分かるものを作れるよう、デッサン力も重視。コンピュータを使わずにパース画も書ける。
版下指定紙が作れる。
デジタルスキルで必要とされるソフトウエアの使い方は、すべて1週間以内で覚えること。
発想力のため、一週間で(これでも長すぎるような気もするけど)1000案の企画を考える。
1つの課題に対して、案は5案。一週間でプレゼンできる状態に持ってくる。

なんか普通だなあ。もっとスパルタっぽいのってどんなのだろ。

体力勝負なので、まず健康チェック。
弱いところがあればすぐ落第。
特に弱くなりがちな肩(凝り)と腰の筋肉を鍛えるため、2日に1回筋トレ。

視力検査のように、出てきたフォントの名前がすぐ言える。
また、そのフォントの特徴を即座に述べること。

色チップを見て番号を言える。pantoneとDIC。

目隠しをして紙を触って紙の種類、斤量、T目Y目が言える。
紙の種類、製造方法を覚えるため、2ヶ月製紙会社でインターン。

印刷物を見て、印刷技術がすぐ言える。
また、同じ印刷物を作るための、印刷所、加工所などの知識がある。
印刷技術を覚えるため、2ヶ月印刷会社でインターン。

海外でのコミュニケーション力を鍛えるため、最低限、英語と中国語がネイティブとやりとりできるレベルに。TOEIC800点以上(他英語検定同等)。中国語はHSK5級もしくは繁体字を主流とする場合はSC-TOP流利級以上。

というような授業内容を作るため、講師もガチで出来る人でなくては。
プロ並の仕事量を課題として出し、その期待に応えるものが出てこない場合は落第。
編集デザインであれば実際の月刊誌を作っている編集者とデザイナーが講師。
サインデザインも現場のデザイナーと建設会社の人が講師。
パッケージデザインはデザイナーと素材のエンジニアが講師。
ブランディングも文具メーカ−、その他メーカーも広告代理店も、全部現場の方が講師。
こういう人は本気で忙しいので、無駄な時間はないし、無駄なものは見ない。
ってことは、学校に講師が来てくれるのではなく、その人達の事務所や会社に行き、せいぜい時間が取れる1時間くらいが授業時間。
授業時間外で質問しようと思っても、もう仕事に戻っているので無理。

とか、色々考えてみたけど、今イチ「スパルタ感」が伝わってこないな。
一番重要だと私が考えているのは「締め切り」。

学校だと課題提出日の後に出しても、かろうじて許されたり、などということがあったりするけど、プロの現場で「締め切りに間に合いませんでした」は、編集の場合だと、そのページは白紙になるし、パッケージだったら工場の稼働まで止めることになる大事(おおごと)。
なので、課題提出の締め切り1分でも遅れたらアウト=落第。
これが一番のスパルタだと思うだけど、どうでしょう。
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by dezagen | 2014-01-14 00:07 | その他
ショッピングサイト「MONOCO」
編集宮後です。
以前からずっと気になっていた通販サイトMONOCOに取材をしてきました。

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http://monoco.jp

MONOCOはExcite ismの別ページでも毎回素敵な製品を紹介しているオンライン通販サイト。
http://ism.excite.co.jp/fashion/rid_E1387160176074/

もともとは日本にいる外国人が海外でうけそうな日本製グッズを販売するサイトとしてスタート。2012年から海外のグッズを日本に紹介するサイトへとリニューアルして今日に至っているそう。

MONOCOがあまたあるほかのデザイングッズ販売サイトとひと味違うのは、他ではなかなか手に入らないものを見つけてくるバイヤー(MD)の目利き力にあると思います。

うかがったところ、国籍も経歴もさまざまな7人のMDが気になる製品を見つけてきて毎日ウェブサイトにアップしているのだとか。なんと販売している製品の9割が日本未上陸。

これだけ多彩な製品が集まるのもMDのセンスがあってこそ。それぞれの個性もはっきりしているから、エッジのたった製品を探してこられるのかもしれません。

個性の強い製品がばらばらに集められているのに、サイト全体に統一感があり、MONOCOらしさが共有されているのも興味深いです。

MONOCOで買い物をするにはまず会員登録が必要。
登録すると毎日新しい製品がメールで送られてくるので気に入った製品をオンラインで購入することができます。
こちらが会員登録すると送られてくるメール。
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ジャンル別、バイヤー別、売れている順など、さまざまな角度から製品を探せるので便利です。
こんなふうにポスターだけ表示したり(上)、MDごとに表示したり(下)。

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手づくり&少量生産の限定製品も多いため、見つけたときに買わないと買えなかったり、製品到着までに時間がかかったりするのもほかのサイトとひと味違うところ。
そうした不便さも逆に買い物の楽しみになります。
現在、会員は約10万人で、20〜40代の女性が中心。リピーターも多いそうです。

ネットショッピングというと必要な物を検索して効率よく買うイメージですが、MONOCOは買い物の楽しさをオンラインでも体験できる貴重なサイトだと思います。

言い忘れましたが、 毎回お約束の「これ、誰がデザインしたの?」。
MONOCOのロゴデザインはartlessの川上俊さん。{M} の形が目を引きます。

サイト全体の雰囲気、ユーザビリティなど、非常にうまくつくられている好例だと思いました。
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by dezagen | 2013-12-27 07:21 | その他 | Comments(0)
美術展図録制作(続編)
編集宮後です。
2年前に書いた記事「美術展図録制作」
http://dezagen.exblog.jp/16795847/
のアクセスが急に増えていました。

アクセスが多くなった理由として、
「美術展のポスターはすてきなのに
図録ががっかりなことがあるのはなぜなのか?」という疑問を
もたれている方が多かったからではないかと思っています。

その後、図録をとりまく状況も変化してきているので
簡単に追記します。

美術館が入札で制作会社に図録制作を発注をする場合、
基本的には入札金額が安いところに発注されます。
そのため、ここ最近では非常に安い金額で
入札をしてくる会社もあると聞きました。

それにあわせて他社も価格を下げてしまうと
業界全体が低価格競争になってしまい、
品質面で妥協せざるをえない結果になりがちです。

そうならないために、がんばっている会社もあるので、
きちんとつくられている図録がちゃんと売れて、
評価されるようなサイクルになるといいなと思っています。

限られた予算の中で、いいものをつくろうとする姿勢は
図録からも自然と伝わってくるものです。
造本設計、印刷製版、本文組版など
細かい部分にそれが出てくるからです。

私の場合は、制作会社名、デザイナー名などを参考にして
いいなと思った図録を買うようにしています。

基本的に品切れでも重版されないので、
欲しいと思った図録は即買いが基本。
バーネット・ニューマンの図録を買いそびれてしまったのが
いまだに心残りです(泣)。
http://blog.excite.co.jp/dezagen/17928429/
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by dezagen | 2013-11-25 00:10 | その他 | Comments(0)
韓国ブランド
ライター渡部のほうです。

最近読んだ本。

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『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー』
ゲイリー・シュタインガート著/近藤隆文訳 NHK出版刊
https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=00056382013
(画像がやけにデカいですが、ホント面白かったよ、の現れです)

経済破綻と軍事化が進み、人間の社会性やら性的魅力やらもろもろも全部データ化されて、手元のデバイスですぐ分かっちゃうような、なんだかやりきれないねえ、という近未来(あるいはパラレルワールドの)米国が舞台。
ロシア系アメリカ人、39才、ヲタっぽくってキモいレニーと、韓国系アメリカ人、24才、家族関係とキリスト教的罪と罰の意識と買い物欲に挟まれまくりの美人ユーニス、のやりとりで話が進んでいく。
とてつもなく、今(とちょっと先)のアメリカ社会を映し出すお話。

あらすじはamazonのほうが詳しいので、そちらをご参照下さい。
http://www.amazon.co.jp/dp/414005638X/ref=cm_sw_r_tw_dp_djBGsb1FNG5MN

人によって見方はそれぞれ違うようだけれど、私はレニーにはもったいない、全然バランス取れてない、美人のユーニスが韓国人、というところが気になった。

冴えない白人男性がアジア系女性に惹かれる、というのよくある話。
特に韓国系アメリカ人の多い米国では、スレンダーでヘルシーでキレイで(人に依るが)、男性に従順(幻想)な韓国人女性の人気は高い。
と、思っていたところで、こんな映像を見る。


Girls' Generation 소녀시대_'I GOT A BOY'_Awarding YTMA 2013 'Video of the Year'

ファンの投票により受賞者を決める、Youtube Music AwardのVideo of the Yearに少女時代の『I GOT A BOY』が選ばれた受賞の様子。

プレゼンターを務めた2人のコメディアン(小さいほうがジェイソン・シュワーツマン、もじゃもじゃな方がレジー・ワッツ)と、トロフィーを受け取りに来た少女時代のティファニーが並ぶ様子は、『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー』のレニー(もしくは作者のシュタインガート)の夢を膨らませるにふさわしい図である。

いわゆる二枚目タイプハンサムではない2人とドレス姿の美少女。
コメントもウイットや皮肉の効いたものではなく、直球な素直さ。
流暢な英語(ティファニーはサンフランシスコ生まれの韓国系アメリカ人)と韓国語で
「本当に素敵。Youtubeは私のベストフレンド!最初のYoutube Music Awardに参加できるだけでもすごいのに、受賞できるなんて、全然想像してなかったの。もうすっごいエキサイティング。でもなんか私達にはもったいないような気もしちゃう。みんなありがとう。みんなのこと、愛してる。」

Youtube Music Awardは特に立派なコンサートホールでもなければ、正装でもなく、えらいカジュアルなセレモニー。
そんな中で、ぽんっと現れた、美しく、謙虚な、清楚ないでたちの韓国人女性。
これはハートを射貫かれても仕方ない。

韓国美人の話はこの辺でストップすることとして。
「少女時代がYoutube Music Awardを受賞した」ということについて、韓国のメディアは
「米国CNNは「少女時代、マイリー・サイラス、レディー・ガガを抜く」という記事を掲載。 米国最大日刊紙USAトゥデイは「少女時代が授賞式でレディー・ガガや別の候補者を抜いて受賞したというのは、明らかに若い歌手たちにとって衝撃だった」と評価した」
「世界的なオンラインプラットフォームで韓国アーティストが世界の人気スターたちと競争し成し遂げた最初の記録であり、韓国の音楽と歌手が世界中の音楽をリードすることを証明した」
などとかなり強気で伝えている。日本のメディアも概ね似たような内容だ。

とはいえ、Youtubeで投票を募り最高賞を受賞することと、世界の音楽界をリードすること、は意味が違う。
投票数を水増し工作したという話もあるようだが、その真偽はさておいても、Youtubeでの韓国アイドルの人気は世界レベルで見ても高い。熱狂的なファンが多く投票したことには間違いないだろう。
だが、それはこれまで「世界的スター」と言われてきた、マイケル・ジャクソンやマドンナや、もう少し遡ってビートルズやプレスリー、といったスターとは違う。
Youtubeという個人とモニターの間だけで展開される世界だけで、お金を払わずとも楽しめる世界のみで、少女時代は評価されたのである。

韓国メディアももちろんこうした背景は分かっているはずだが、その上で、あえて強気な発言を繰り返す。「韓国が世界に評価された」と。

韓国の音楽業界は、世界に認められるために努力を続けてきた。
無料で見れるYoutubeにビデオを流し、ファンが撮影した映像、DVDの映像、テレビで放映されたもの、CDなどから取った音源をファンがアップしても、ほとんどの場合許容してきた。
当然コピーされ、CDや正式な配信での収益は減るが、PR効果は高い。
ファンは自分で字幕を付け(英語に加え中国語、ベトナム語などアジア圏の言語はもちろん、トルコ語、ロシア語、スペイン語、アラビア語とどこまでも広がっていく)、ファンがファンを呼ぶ。

海外公演の観客が韓国や近隣アジアからのファンや地元の韓国系の人々がほとんどだったとしても、「○○で公演を行い成功させた」と伝える。
国内外のライブでは観客の中の白人をカメラが捉え、プロダクションや音楽会社の公式ビデオとして流す。
白人=世界の中心、という意識もあるだろう(作っている側にあるかどうかは分からないが、視聴者である多くのアジア人の中でいまだ根強い感覚だと思う)。アジア人から最も遠い人種である白人まで行き渡ったという効果もあるだろう。

韓国の音楽業界がYoutubeを好んで使うのは、これまで収益の大きな源とされてきた音源(レコード、CD、配信)からの利益を上げることが目的ではなく、PRに力を入れることが目的であって、その最終的なゴールは「韓国が世界に評価された」となる。

この方法は音楽だけではなく、ドラマでも映画でも同じだ。
韓国ドラマや映画の人気はまだアジア圏にとどまっているようだが、それでも相当なキャパシティを抱えている。
ドラマや映画を「見る」、俳優、女優を「見る」、音楽を「見る」人々に芽生えるのは、「あのアイドルみたいになりたい」「あの女優さんみたいになりたい」「あのファッションが欲しい」「あのドラマで使われていたあれが欲しい」と、次の消費欲に繋がる。

やっとデザインの話になるのだが、先日から「日経デザイン」の連載『日本ブランドが世界を巡る』約5年を終えて感じたことをこのブログで綴っている。
気になったこととして「世界的に韓国のブランド感が高まっている」ことを挙げた。

東南アジアから中近東圏に旅行すると、空港で使われているモニターは概ねサムソンかLG。広告も大きい。
ヨーロッパのホテルでもサムソン、LGのテレビをよく見る。
サムソンのギャラクシーが世界的に普及している。
こうした韓国製品の台頭の背景には(政治的云々はさておき)、特にアジア圏では、例えば俳優やアイドルを起用したCMがあったり、ドラマで使われていたりというストーリーがあるのだ。
電化製品や車だけでない。ファッション、アクセサリーなどとどんどん幅が広がっている。

以前もこのブログに書いたような気がするのだけれど、マレーシアの知人に「日本(の製品)ってお高くとまってる感じがする」と言われ、ちょっとショックを受けたことがあるのだけれど、確かに「うちのは高品質でございます。ですのでお値段も高いのでございます」とのっけから言い放つ日本の製品にそう感じるのは無理もない。
ましてや、Youtubeから何からサービス満点な韓国、ヲタ中年を面倒見る若く美しいユーニス、美しく謙虚なティファニー、に比べたら。

韓国もここまで来るのに時間と労力を払っているはずだし、韓国の方法をそのまま真似しようと思ってもかなり無理があると思う。
が「韓国製品が売れてるのって、安いからでしょ」と思う人は、今から羽田か成田に行って東南アジアとヨーロッパ回ってくるか、そんな金も時間もないというのであれば、『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー』の一読をお奨めいたします。
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by dezagen | 2013-11-12 22:16 | その他
国くくりについて 先ほどの追記として
ライター渡部のほうです。

先ほど投稿した、日本ブランド〜に関する雑記で、「日本」「イギリス」「韓国」と国くくりにしたところに違和感を感じる人もいるかと思い、追記。

どんな人でも動物でも物でも、ひとたび海外に出てしまえば、どこから来たものか、を問われる。
例えば、私はライター/ジャーナリストであり、学校の教員であり、デザインが好きで、コーヒーが好きでたばこを吸う、人であるが、海外ではまずその前に「日本人」である。

クラシック音楽奏者であれ、コメディアンであれ、政治家であれ、工場労働者であれ、学生であれ、何も仕事をしていない状態であれ、○○人、という表現はどうしてもついて回る。
一番最初に分類しやすい国名のその国のイメージにより、スタートラインにある評価軸が上がったり下がったりはするだろう。
その際に付いた国名はその人自身そのものを評価するものではない。

「私の会社は日本という国を打ち出してはいきません」
と言った人がいた。
あなたの会社(主観)が、そう思うのは全くもって構わない。
でもあなたの会社を見る人(客観)は、どう評価するだろうか。

国籍をほぼ無にしてしまう、多国籍企業というあり方はある。
コカ・コーラはアメリカから来たと感じるが、日本で生産されたコカ・コーラは?
アップルはアメリカの企業だけれど、世界中で消費されるiPhoneはどこから来た、と言い切りにくい。
ネスレは?クノールは?ペプシコは?P&Gは?

あ、自分で書き出して自滅するような終わりになってしまった。
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by dezagen | 2013-11-11 03:11 | その他
『日本ブランドが世界を巡る』終了
ライター、渡部のほうです。
地味ながら、約5年(62回)続けてきた日経デザインの連載、『日本ブランドが世界を巡る』は来月の12月号で終了。
原稿も入稿して、一段落というところ。
今月の11月号と、次号とでこれまで5年間分のまとめを書いたのだが、書き切れなかったというか、余談的過ぎて入れなかったというか、そんな話を。

『日本ブランドが世界を巡る』がスタートしたのは2008年8月号から。
当初の目的は、海外に行くと車や家電以外の、日用品や食品の分野でも日本の製品が色々出ているのだけれど、割と国内でも知られていないので、そのパッケージの違いなどをコラム風に紹介したい、というものだった。
下川編集長にその話をしたのは、連載スタートよりかなり前だったのだが、なかなか通らず、でもしつこく粘って話していたら、やっとOKが出た。が、そこは目と鼻の利く下川編集長だけあって、企画の甘さをビシっと指摘されたのだった。
確か
「面白おかしい話にしないで、ちゃんと、パッケージがこう変わったから、この国や地域で受け入れられている、という確証を入れること。世界市場を狙った日本のメーカーの参考になるような記事にすること」
というような指示だったと思う。

確証を、と言われてもなー、と思いつつ始めたのだけれど、売上額やパッケージの変化による消費者心理の違いなど、データがあまり出てこないことから印象論でまとめてしまったことも多々。
その辺は、マーケティングを軸とするデザイン誌=日経デザイン、という媒体ではやっぱりツメが甘かったかもしれない。

とはいえ、今の日本の製造業の様子を見ていると、やはり国内市場だけではなく、世界(主にアジア市場)に出て行かざるを得ない状況になっており、前例を知るにはいい企画だったのではないかと自分でも思っている(やや自慢)。
確かにそこにデータなどが入って、びしっと言い切る、日経ビジネス並の説得力があればもっとよかったのは否めないんだけど(やや反省)。

さておき、5年間も連載をやって、国内にあるメーカーの取材だけでなく、ネタを探すために自分でも旅行に行ったりしていて(数えてびっくりしたが、連載企画を思いついた前段階も含め、2005年〜2013年の8年間、53回海外に行っていた)徐々に分かってきたことがいくつかある。
その中でめぼしい話は、日経デザインの11月号と12月号に書いているので、繰り返し感もあるけれど、かなり気になったのは

1) 日本だけ常識が違う、ということが多くあること。
2) 個々のメーカー、ブランドがそれぞれに評価を得たり、ということはあるけれど、総合して「日本」「made in Japan」のブランド感というのは。日本人が思っているほどはない、ということ。
3) 世界的に韓国のブランド感が高まっていること。

という点。
総括すると、客観視に欠けている。

いや、まとめすぎかも。
客観視できているメーカーやブランドは強いけれど、日本を基準に考えてしまうと(例えば、日本の高品質に海外が「着いてこない」と考えてしまう、とか)どうもおかしなことになってしまう。

話をがらっと変えます。

私はイギリスのテレビドラマ(主にミステリもの、歴史もの)が好きで、ヒマが出来るとがーっとDVDまとめ見をしたりするのだが、最近の出物が『Ripper Street』
www.bbc.co.uk/programmes/p00wk6pq

1889年のロンドン、イーストエンドの警察署が舞台。ちょうど切り裂きジャックの連続殺人事件が起こって半年後、という設定。
イギリス人の刑事2人とアメリカ人外科医の3人がメインキャラクター。
もっと詳細な解説はこちらで
http://mystery.co.jp/program/ripper_street/midokoro.html

このドラマがうまいなーと思わせるのは、イギリス人に向けたイギリスのお話、ではなく、海外に向けて作った客観的に見たイギリスのお話を「作り上げている」ということ。
実際、イギリスのBBCとBBCアメリカの共同制作で、当初から海外向けを念頭に置いている。

ロンドン設定だけれど、湾岸に近く、船でやってきた外国人も多い(裕福な人もいれば、着の身着のままで逃げてきた亡命者もいれば、様々)。メインキャラクターの中にアメリカ人が置いたことで、イギリスらしさが引き立つ、という方法。
スピードのある話の展開や、コスチュームや大道具、小道具の作りなどディテールも素晴らしいのだけれど、目線を「外国人」にしておくことで、当のイギリス人が普通すぎて取りあげなさそうなものもきちんと伝えている。

『Ripper Street』を見ていて、改めて感じたのは、国のブランド感を上げる手段として、映画、ドラマ、音楽、小説、この4つはかなり大きい、特に映画とドラマは複合的に、かつ分かりやすく浸透する、ということ。

悲しいかな、現在のイギリスの製造業はボロボロである。
(上等なツイード、陶磁器、自転車、紳士用品、など細かく見て行けば、まだ輸出できるものもあるけれど)
ブツとしてイギリスすごい、と思わせるものは少ないものの、それでもイギリスというブランド力は強い。
映画、ドラマ、音楽、小説などで文化をガンガン輸出して、イギリスのイメージをコンスタントに世界にお届けしているからなのだと思う。

それが必ずしも今の現実のイギリスと合致するとは限らない。
007みたいなイギリス人に会ったことないし、ホテルのアフタヌーンティーを楽しんでいるのは日本人や中国人やアラブ系の人々だし、すえたビールの香りのするパブはもうなかなか見当たらないし、Ripper Streetに描かれるような陰鬱なロンドンを探しに今のイーストエンドに行ったところで、お洒落なセレクトショップや小物雑貨のお店と、アルチザンコーヒーのいい香りにぶち当たって、肩すかしを食らうだけであろう。

それでもイギリスのブランド力が高いのは、繰り返しになっちゃうけど、映画、ドラマ、音楽、小説など文化を売り、イメージを売り続けているからである。

で、日本はどうか。
海外で普通に上映されている日本の映画は?
村上春樹のようなインテリ向けではなく、一般的に読まれる小説は?
ない。全然ない。
その代わり、アニメと漫画は売れている。

海外から見て、今の日本、あるいはmade in Japanは、アニメや漫画で作られたファンタジーワールドとして評価できるけれど(全然見てない人もいるにせよ)、その世界観と、日本の製造業が謳う高品質が合致していない、不思議な国である。
ただうちの繊維は質がいい、うちの金属製品は仕上げが美しい、と言ったところで、その背景にあるストーリー性を作り、見せなければ、なかなか消費者はイメージしずらい。

韓国はその点、うまいなーと思わされることしばしばなのだが、その話はまた別の機会に。
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by dezagen | 2013-11-11 02:03 | その他
2020年東京オリンピック決定について考えたこと
ライター渡部のほうです。

気がついたら、2020年のオリンピック開催地が東京に決まっていた。
私は個人的に東京開催は反対だった。
反対というと言葉が強い気がするので、積極的ではない、というべきだろうか。

もともと人が多いところや大イベントというのが苦手で、2002年のサッカーワールドカップの時も、(サッカーを見るのはは好きだけれど)イギリスに行ってしまったくらい、本当に、駄目なのだ。
という個人的なところはさておき、決まったのだから仕方がない。
その次、どうするか、を考えなくては。

決定の前に、デザイナーさん達と話していて、彼らは「是非来て欲しい」と言っていたので、えー、やだー、と私はワガママいっぱいな発言をしていたけれど、普通に考えたら、オリンピックが見れるし、デザイナーとしてはデザインの仕事も発生する、ということでメリットは多い。

とはいえ、この「デザイン仕事」相当大変だと思う。
1964年のオリンピックの時も恐らく日本にいたデザイナー総動員されたのではないかと思うほど、必死に作った記録が残っているけれど、今回はさらに規模が大きい。

分かりやすい公式資料が見つからなかったので、知らない人のブログから資料を拝借。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3982.html

1964年の参加国・地域は93、全参加選手数5千152名
2012年のロンドンオリンピック、参加国・地域は204、全参加選手数約10,500
ほぼ倍に膨らんでいる。
さらにスタッフ、関係者などを入れたら、4倍とか5倍とかの人数になるのではないだろうか。

(補足:開催地に来るのは選手や関係者だけではないけれど、規模のイメージとして1964年の東京オリンピックの5倍くらいのイベントなんだろうなあ、という指標で考えてみました)

デザイン関係の仕事で考えると、まずはインフラ整備があって、サイン計画があって、既存のサインだけでは不足しているところを押さえていかないといけない。
ぐっと小さいところでも、海外から来た人が普通に生活できるよう、例えば自販機の使い方1つにしても、コンビニに並ぶ商品にしても、日本ではこれが常識、を押しつけるわけにはいかない。
すべて初心者向けに作り直す必要がある。
すべてってこともないかもしれないけど。

ヨドバシカメラ新宿店に行くと、あまりの多国籍対応に驚くが、あれが普通になるのだろうか。
それとも、オトル・アイヒャーが提言したように、言語抜きで図だけで分かり合う社会に……これはまだ無理だろうなあ。

ほとんどの海外地域はストリート名で住所を表示するけれど、日本は地域、土地区分けごと、というやっかいな問題もある。その中で分かりやすい地図も作らないといけない。

規模が大きすぎて、やることが多い。としかまだ想像できない。
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by dezagen | 2013-09-08 17:14 | その他
文章のまとめ方
ライター渡部のほうです。

久々に長文原稿を書いていて、これがなかなか進まない。

通常、原稿を書くとき
取材→書き起こし(録音した場合)→おおまか話の流れを考える→流れに合わせて書き起こし、もしくは取材ノートから話を抜粋→まとめ。
という順番。

おおよそ取材時に、原稿のイメージを作っておき、対応した質問を考え、取材先に答えてもらう。
この場合、ベースの文章はほとんど事前に決まっている。
書き起こしが長くとも、ほぼ順番通りにキメの言葉を拾っていけばいいので、選択に時間は掛かるものの、執筆時構成に悩んだりはあまりしない。

今回の原稿は書き起こし文字数3万5000字を約5000字〜6000字にまとめる作業。
取材前には「デザイナーがどういう人物なのか、その紹介」を中心に、経歴時系列でまとめようと思っていたのだが、書き起こしを読んでいて、作品作りのプロセス、作り方を追ったほうが面白いんじゃないか、など、自分の中で文章の核をがくっと変えてしまった。

文章の主旨が変わったので、構成しなおし。
同時に、拾い上げる言葉も変わる。
あらかじめの質問ともずれているから、点在する言葉を拾っていく。

そもそも、取材先とすでに知っていることなどは「これ」「あれ」で話しているので、順番を変えて閉まった後、どこに何の話が来ているか分からなくなったり。

非常に面倒臭い時間の掛かるやり方だが、初心に帰って、昔やっていた方法を取る。

書き起こしを粗く抜粋した後、プリントアウト。無駄な言葉を削る。
再度プリントアウト。流れを考え、順番を変える。
再度プリントアウト。順番が狂ったところで分からなくなっている「これ」「あれ」を固有名詞に変えたり、内容のダブりを削除。
再度プリントアウト。さらに言葉を研磨。整合性がなくなったら、配置換え。
再度プリントアウト。さらに言葉を研磨。整合性がなくなったら、配置換え。
(現在ここの状況)
ということを繰り返し、徐々に文字数を減らし、凝縮していく。

プリントアウトするたび、書いている自分、ではなく、読む読者、の視点に立つ。
そうすると、全然まだ意味が通じないということが分かる。
なので、研磨しプリントアウト、の繰り返しになる。
すでに6回から7回くらいプリントアウトしているが、まだ原稿の出来としては50%くらい。

これくらいねちっこくやるのは久々なのだけれど、情報の核を見つけ、適格な言葉を選ぶのに、たまには吐き気がしそうなくらいやらないといかんなーと思う。
ここ最近、連載の仕事が多かっただけに、惰性に頼っていた部分もあったな、と反省中。
や、反省なんかしてるヒマないわ。
早く仕上げないとだ。
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by dezagen | 2013-08-26 17:08 | その他
誤字・脱字
ライター渡部のほうです。

「相変わらずケアレスミスが多くてすいません」
原稿の校正が戻ってきた時の返事は必ずこの謝罪を入れている。

私の原稿は誤字脱字が異常に多い。
(とはいえ、他のライターさんがどれくらい誤字があるのかは知らない。ライター同士で原稿のチェックをすることはほとんどない)
昔からそうで、直したいと思っているのだが、なかなか直らない上に、年を経るにつれさらに増えているような気すらする。
原稿を世に出す前には、必ず他の人(そのほとんどは編集の人)に目を通してもらっているが、最近は優秀な編集者の方とばかり仕事をしているせいか、甘えているのかもしれない。
44歳にもなって人に甘えるな、と自分に言いたいところだ。

なんでこんなに誤字脱字が多いのか。

現在久々の長文原稿を書いていて、これがなかなか進まず、PC上で書いては消し、書いては消しの連続、というよりも、PC上なので、打っては消し、打っては消し、なのだが、とりあえず、遅々として進まない。
ので、一度情報整理のために、手書きのメモで文章の流れをまとめようとしてみたところ、これが誤字の連続。

例えば「終」と書こうとすると、同じ糸偏でつい手癖として「絵」と書いてしまう。
「建築」と書こうとして、どうしても人偏を付けて「健築」と書いてしまうので、人偏のところはペンでゴシャゴシャ消している。
「現在」と書こうとしているはずなのに、どうしても「現存」と、「土」を書く前に「子」を書いていて、まるで哲学でも語っているかのようだ。
漢字を忘れている場合はカタカナになって、ハイ水、記サイだの、固有名詞もしょっちゅう忘れて、渡ナベとか、ヒ口(樋口と書きたい)とか、後で見ると明治の人が書いた文みたいになっている。
フルネームになると下の名前のバリエーションの多さに、もうはなから諦めているのか「渡部チハル」というようにほぼ常にカタカナになってしまい、一昔前の作詞家とか作曲家みたいな(偏見)名前が並ぶ。

思考のスピードと文字を書くスピードを比較すれば、当然思考のスピードのほうが速く、書く動作は遅い。
書く動作は必死に着いていこうとするので、脳内で最初に開いた引き出しの漢字をつい書いてしまう。いわゆる手癖。
これが重なると誤字になる。

書き文字の場合は、こういう理屈になるのだが、PC作業上では、やや理屈が異なる。
変換作業が入るので、やや冷静にはなる。適切な漢字を即座に選ぶには、見た目で「これだったはず」で選んで行くので、「これだったはず」の思い込みが誤字になることもしばしば。
手書きの手癖と、PC作業上での思い込み選択も、まとめてしまえば頭の中の癖、ということで、これが理由1個目。

単純に言葉の選び間違いもある。
「清掃」と打つはずなのに、変換時「正装」と出たのをそのまま気づかず、enterを押している。
これは、確認不足。
理由2個目。

単純な打ち間違いもある。
キーの配置間違いで、tとrを間違えると、間違いを丸買い、とか。
書き、と書こうとして、ローマ字変換で勢い余って、書きい、まで入れてしまったりとか。
十大発、ちなみにこれは「突発」と書きたかったのが、お、が多すぎて間違った変換。花火かよ。
理由3個目。

恐らく一番これが多いな、と思われるのは、文章を書きながら、消して、再度書いた時に、消しすぎていたり、消し損じていたり。
例えば
「相変わらずケアレスミスが多くてすいません」
と書いた後、「相変わらず」ってなんか諦めが早いような気がするな、と「いつも」(これもいいんだか悪いんだか)と入れようとして、相変わらずケ、まで消してしまって
「いつもアレスミスが多くてすいません」
もう理由の数を数えているのもイヤになってきた。

他にシチュエーション間違い。
丁寧な文調で書かなければならないのに、ざっくり書いちゃったりとか。
先日「(学外の)一般の方々」と書くべきところを「一般人」と書いていて、ものすごく横柄な人になっていた。

などなど。
理由はいくつかあり、誤字脱字になるのであるが、最終的にダメなのは、これをちゃんと確認しているかしていないか、である。

原稿はPC上で見ていると、なかなか間違いに気づきにくいので、プリントアウトしたものを再度見る。
見るのだが、見ているのだが、見ているはずなのだが、ここで自分では半ば原稿が終わったような気もしているので、集中力が途切れていることが多い。
そこで間違いの見逃し。
ほとんどプリントアウトしないで出してしまうブログに至っては、アップした後に気づく、他の人に指摘される、まで待つしかない。

「では解散。うちに帰るまでが遠足です。気をつけて帰りましょう」
これだった。
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by dezagen | 2013-08-25 06:14 | その他