エキサイトイズム エキサイト(シンプル版) | エキサイトイズム | サイトマップ
カテゴリ:展覧会( 252 )
Can Graphic Design Save Your Life? 展覧会
ライター渡部のほうです。

現在、ロンドン滞在中。
まずは気になっていた展覧会『Can Graphic Design Save Your Life?』へ。https://wellcomecollection.org/graphicdesign

b0141474_14404798.jpg

文字通り、グラフィックデザインは命を救う事が出来るのだろうか?をテーマにしたもの。


b0141474_14105720.jpg
  1. Provocation (挑発)のコーナーよりマラリヤを媒介する蚊が髑髏の顔になっているポスター。1941年 © Estate of Abram Games

展示は6つのコーナーに分かれている。
1)Persuasion(説得) 
 煙草を例に、いかに喫煙が健康を損ねるか、アニメーションやパッケージ、切手、ポスターなど(JTのマナー広告含む)。
2)Education (教育)
 人体の仕組みの説明、病気の説明など、書籍やアプリなどを紹介。いわゆる「保健体育」的な教育ではなく、知識の伝達方法。
3)Hospitalisation(入院治療)
 病院でのサイン計画(原研哉氏が手掛けた梅田病院含む)、タイポグラフィー、北米で使われている患者とのコミュニケーションを促すピクトグラムを使ったコミュカード、ディック・ブルーナの絵本など。
4)Medication (薬)
 薬のパッケージデザインや、製薬メーカーの機関誌など。
5)Contagion (伝染病)
 マラリア、AIDS/HIV、エボラ熱、ジカ熱まで、正しい知識を促すポスター、パンフレット類。
6)Provocation (挑発)
 がんや心臓病、摂食障害、アルツハイマーについての正しい知識を促すキャンペーン、自殺防止のホットラインなどのポスター、パンフレット、Tシャツグラフィックなど。

b0141474_14064943.jpg
Hospitalisation(入院治療)のセクションより。Illustration Dick Bruna © copyright Mercis bv, 1986

b0141474_14110593.jpg
Persuasion(説得)のコーナーより禁煙を促す切手類。various countries around the world

b0141474_14055683.jpg
Persuasion(説得)のコーナーより。Biman Mullick, Cleanair


 面白いのは、この展示会場のWellcome Collectionという施設は、デザイン専門の会場ではなく、医療や健康をテーマにした文化総合施設であること。展示も入場無料なので誰でもが入れる。
 企画は GraphicDesign& http://www.graphicdesignand.com という出版社も兼ねるデザインのプロによるものだが、医療、健康の場にいる人々など、より一般の目線に近いところから見たグラフィックデザインの可能性を探っている。
 会場を訪れる人々もカフェを利用したついでに見てみた、という感じの人も多く、それを意識してか、内容も分かりやすく、デザイン業界だけに閉じた展示ではなかったところはとても良かった。
 日本でもこうした、デザインや美術の専門でない場所で見れる企画がもっとあっても良いのではないだろうか。例が思いつかないけれど、例えば医大や大型病院の一角、あるいは小さいスケールでドラッグストアの中で個展、というのも有効かもしれない。

 展示に合わせて出版された同名の書籍では、参加デザイナーらに「グラフィックデザインは命を救う事が出来るのだろうか?」を聞いた回答が掲載されている。「YES」の答えが多い中で、オランダのアルツハイマー基金のロゴなどを手掛けたスタジオダンバーの答えは「NO」。「命を救うのは医者である。(中略)グラフィックデザインは相互理解を促す手段だ」と言う。
 
 グラフィックデザインの役割は大きいが、命を救う、というところまでは行かないのかもしれない。ただ、ポスターによって、メディアによって、健康管理アプリによって、知識を得て、未然に防いだり、周囲の理解を促すことは可能だ。

 欲を言えば模範的なグラフィックばかりではなく、効果のない(効果の出なかった)グラフィックとの比較もあればさらに理解しやすかったのではないかと思う。 
 常々、日本の麻薬防止ポスター「ダメ、絶対」のシリーズは影響力がないと考えている。最近はアイドルでもなくイラストレーションの女の子を使っているのを見て、もう全く訴求力はない、と感じた。
 麻薬が「ダメ」なものであることは誰でもが知っている。むしろ、なぜそれを必要とするようになるのか、一度依存するとどうなるのか、なぜやめられないのか、Contagion (伝染病)とProvocation (挑発)のコーナーではその点秀逸な作品が揃っており、「なぜ」を人々に理解してもらうことが必要なのだと感じた。


[PR]
by dezagen | 2017-09-21 14:36 | 展覧会
TAKAIYAMA inc. EXHIBITION「3F/B.C.G」
編集宮後です。
デザイナー、山野英之さんの事務所 TAKAIYAMA inc. の展覧会「3F/B.C.G」に行ってきました。タイトルになっている「3F」はTAKAIYAMA inc.のアプローチの法則であるFocus/Frame/Function(焦点、枠組、機能)、「B.C.G」(僕のCG)は山野さんのプライベートワーク名だそう。

展示ではこれまでの仕事を、フォーカス、フレームとグリッド、機能と構造、印刷、本、ロゴ、サイン、写真、動画、プロジェクトの10カテゴリーに分けて紹介。山野さんのプライベートワーク「B.C.G」の新作も展示されていました。会場はデザイン小石川、会場構成はDaisuke Motogi Architecture。山野さんの考え方やアプローチがまるっとわかる展示です。

こちらが会場写真。かなり広い空間ですが、14本の柱を中心にカテゴリー分けされており、1つずつ見ていくとかなり見応えがあります。小さな名刺から巨大なサイン計画、映像作品まで、様々なサイズや時間軸の仕事が一緒に並んでいて、山野さんのお仕事の幅広さを感じました。

b0141474_10322931.jpg
b0141474_10332606.jpg
b0141474_10333869.jpg

山野さんとは、2004年に『これ、誰がデザインしたの?』のブックデザインをお願いしてからのお付き合い。今は、文字デザイン誌『Typography』のデザインでお世話になっています。柱に貼ってある下2枚のレイアウトは『Typography』の誌面。かなり細かくグリッドが切られているのがわかると思います。印刷物で見ると、画像をポンと配置したように見えますが、レイアウトデータを開くと、このように緻密に計算されているのがわかるのです。

表面的には「センスがいい人が作った感じのいいグラフィック」に見えるのですが、その裏でかなりいろいろ考えられているのがTAKAIYAMAのデザインかなと思います。きれいなグラフィックで終わらず、ちゃんと機能しているんですね。建築家とのサイン計画の仕事が多いのも、感覚的ではなく、空間の中でグラフィックがどのように機能するかを考える構造的なアプローチをしているからなのではないでしょうか。

b0141474_10331344.jpg

b0141474_10335247.jpg

こちらは、山野さん個人の作品「B.C.G」の展示。一番右がIllustratorで描いた元の絵で、その部分を切り取った作品が左側に並んでいます。Illustratorのデータを拡大しても画素が粗くならず、どこまでも均質に拡大されていく様子を作品にしたもの。一見、きれいな色の抽象画に見えますが、「スケールとは何か?」を再考させられる作品だと思いました。

こうして見ていくと、感覚的な部分と構造的な部分との振れ幅がかなり広いことに気づくかと思います。どちらかに秀でたデザイナーは多いのですが、両方をハイレベルにこなせる人は案外少ないのです。その振れ幅を楽しんでいただくためにも、じっくりと時間をかけて展覧会をご覧になることをお勧めします。

展覧会は、10月1日(日)までデザイン小石川で開催。
文京区小石川2-5-7 佐佐木ビルB棟2F
http://designkoishikawa.com/exhibition/383/
http://takaiyama.jp/news-post/exhibition-bcg/


[PR]
by dezagen | 2017-09-20 08:11 | 展覧会 | Comments(0)
髙田唯 日刊トリミング速報
ライター渡部のほうです。

現在、青山見本帖で高田唯氏の展覧会「AOYAMA CREATORS STOCK 09 髙田唯 日刊トリミング速報」が行われている。

b0141474_05073082.jpg
と、この写真ではなんだか分からないと思うのだが、このショーケースの中、
b0141474_05083340.jpg
このように、スポーツ新聞からの切り抜き(20×28mm。おおよそポスターやチラシの規格サイズと同じ比率(1:√2))が約1200枚(!)並べられている、というもの。
また、スポーツ新聞の切り抜きからインスピレーションを得たポスター作品10枚を展示。こちらの使用紙は新聞紙をイメージした紙「タブロ」。

b0141474_05112348.jpg
元の素材となっているスポーツ新聞は、エディトリアルデザインの観点からすると「きれい」や「上手」とは評されないものである。
むしろ、デザイン=設計などされていないような雑多な世界だ。
スポーツから芸能、エロまで、もろもろな情報を、1日という考える時間もないようなスピードで、一定の紙面サイズに詰め込むのだから、そこにデザインのお作法としての美的完成度までを求めるほうが無理と言うものだろう。

とはいえ、デザインのお作法に沿った美的完成度だけが視覚の楽しみではない。
変な話、ある程度「きれいなデザインとはこういうものである」という指南ができている現在、きれいなデザインを作るのは難しいことではないし、世の中に溢れている。
その作法から外れたものを見つけるほうが難しいくらいだ。

この展示は、高田唯氏が東京造形大学の高田ゼミで行われている「いつもと違う視点・角度・解釈などをテーマに」という作業がベースになっている。きれいに作る、分かりやすく作る、などのルールから外れたところにある面白さを、スポーツ新聞、さらにそのトリミング、から発見していこうという試みだ。
ショーケースの中に入ったグラフィックの断片は、理解できない形となって現れ、理解できないがゆえに面白味を発揮している。

東京造形大学ということは、すなわち、高田唯氏は私の同僚であるわけなのだが、高田唯氏の下で勉強できる学生は幸せだな、と常々思う(渡部ゼミも幸せですよ、言っとくけど!)。

展覧会は9月29日(金)まで。
11:00-19:00 土日祝/休
青山見本帖
東京都渋谷区渋谷4-2-5 プレイス青山1F 
TEL:03-3409-8931
です。是非!

[PR]
by dezagen | 2017-09-13 08:38 | 展覧会
mt lab. で「紙展」が始まりました
編集宮後です。
全然ブログを書いてなくって、すみません。

以前、渡部さんがレポートしてくれたマスキングテープmtの路面店「mt lab.」で、
6月14日から新しい展示「紙展」が始まりました。

前回の展示は粘着がテーマでしたが、今度のテーマは紙。
mt製品に使われている、さまざまな原紙が展示されています。

b0141474_2243389.jpg


原紙といっても、通常のマスキングテープに使われている紙から
インテリアで使われるmt CASAの紙、壁紙の紙など、さまざま。
実際の製品に使われている原紙がロール状に展示されており、
素材感を触って確かめることができるようになっています。

b0141474_22432342.jpg


ロール紙のとなりには、インキやセラックを1度塗り、2度塗りした
比較サンプルも展示されており、製品になる前の様子を知ることができます。
それぞれに詳しい解説があって、さながらミニ博物館のよう。

b0141474_22434527.jpg


通常のマスキングテープの製品には粘着剤がついていますが、
今回は糊がついていない状態の原紙も特別に販売されているとのこと。
紙展期間中のみの限定販売だそうです。

店舗は完全予約制のため、「行ってみたい!」という方は
下記サイトで次回申し込み受付が開始されるのをチェックしてみてください。

http://www.masking-tape.jp/event/2017/07/mt-lab-61727.html

[PR]
by dezagen | 2017-07-24 08:30 | 展覧会 | Comments(0)
渡邉良重さんの展覧会
現在、アートディレクター/グラフィックデザイナーの渡邉良重さん(以下敬称略)の作品展示が2か所で行われている。

b0141474_03001082.jpg

クリエイションギャラリーG8
第19回亀倉雄策賞受賞記念 渡邉良重展 「絵をつくること」

OFS gallery (OUR FAVOURITE SHOP内)
渡邉良重原画展

まずはG8へ。
大きく3つに別れている会場の構成は、各展示者の意図の出るところでもある。
今回は、まず受賞作の洋菓子ブランド「AUDREY(オードリー)」のパッケージデザイン、次の部屋では「D-BROS」、洋服のブランドCACUMA のプロダクトや、イラストを提供している絵本作品、最後の奥の小部屋では刺繍作品と KIKOF の陶器が並んでいる。

b0141474_03010662.jpg
1番目の部屋。苺とチョコレートをメインにする洋菓子ブランド「AUDREY」のパッケージがまるでショウルームのような真面目さでずらりと並べられている。写真には映っていないが、壁とガラス面にはメインビジュアルとなるイラストレーションが大きく描かれている。


b0141474_03012226.jpg
b0141474_03022566.jpg
2番目の部屋では、作家性の出やすいプロダクト。作品のほとんどはアクリルケース越しに見る仕組み。

b0141474_03025469.jpg
最後の小部屋。ここはもともとがドアが小さくスペースも狭いので、なんとなく秘密の小部屋っぽい。刺繍、焼き物という作家性も職人の手業も感じる濃密な世界となっている。
3部屋共通で、蛍光ピンクの梁が使われているのだけれど、最後の部屋ではこの梁が作品と見る者を区切る柵の役割をし、危ういくらいのバランスで KIKOF の陶製品が置かれ緊張を感じさせる。

一番最初のスペースから奥へ向かうほど、作家性、表現性が高くなるという仕組みだ。展示を見終えて、逆走すると、奥の部屋にあった作家性の根幹から徐々に、デザイン=複製、量産品としての一般性を増していく。

ふと見ると、最初の「AUDREY(オードリー)」のスペースの床に苺が置かれていた。
b0141474_03031797.jpg
入った時はストレートに製品が並んでいる堂々とした展示という印象だったのが、このほんの少しのアクセントによって、これは製品のショウルームではなく、やはり渡邉良重の世界を表現する展示だったのだ、と気付く。

展示、2つ目。
OUR FAVOURITE SHOP の OFS gallery で行われている「渡邉良重原画展」では絵本や D-BROS の製品で使われたイラストの原画を展示している
b0141474_03040309.jpg

今考えるときちんと原画と製品になったものを個々に写真を撮りメモしておけばよかったと思うのだが展示会場となっている OUR FAVOURITE SHOP の雰囲気もあってかその絵一つ一つに集中するというよりはただ絵を見ているのが楽しいとふわーっと見続けてしまった
ライターの仕事として見るよりは、渡邉良重の絵の世界に入っていきたい気持ちが勝ってしまったのかもしれない。それだけ強く、深い力のある作品が揃う。

驚いたのは、同時に展示されていた製品化された絵本やガラス製品と原画のテクスチャーがほとんど変わらないことだった。薄い紙にエンボス加工されたり、紙媒体からガラスへと素材を変えたりしても、手描き独自のタッチが残っている。
D-BROS などの製品は作る度印刷所や加工所を回って何度も試作を重ねてやっとできたという制作背景がある過去取材で何度か話を聞いてきた事だったが緻密で繊細な絵をよくここまで再現できたものだと改めて感じてしまった

G8でも OFS gallery でも 来場者の多くが若い女性で「かわいい」と表現していた。D-BROS の製品や絵本などで使われるイラストレーションの作品は、かわいらしさと同時に、その製品加工技術であったり、物語性を増す緻密さであったり、背景込みで評価されていたように思う。
取材で話を聞いたことやイラストレーション独自の世界感もあって、渡邉良重の世界をただ単純に「かわいい」で済ませたくないという思いは今でもある。

だが「AUDREY(オードリー)」のパッケージでは少し違う印象を受ける。渡邉良重のイラストが持つ、物語を深読みしたくなる緻密な線や水彩の色むらから来る手の感覚は、太い線や色ベタ面に変わり、個性(いわば、渡邉良重性)を抑え、より多くの量産に向くグラフィカルな表現となっている。

「AUDREY(オードリー)」は現在タカシマヤ2店舗で展開されている、一般向けの洋菓子ブランドだ。人に見せたくなるパッケージに包まれた甘いお菓子を買う場所であり、デパート販売なりの量産性、一般性が求められている。ここでは渡邉良重や KIGI というデザイナーの作品を買うのではない。

手描きの繊細な作品も一般的なパッケージも、その場その場に応じて消費者に向くグラフィックを作れるのは、ドラフト在籍時代も含め約30年もの間、マス向けの広告から、消費者を絞った商品のパッケージまで、多様な媒体、商品を手がけてきた経験がなせることだろう。

デザイナーが絵画やイラストレーションの表現をし、発表することはよくあるが、概ねデザインとは切り離された世界感を求めて制作することが多いように思う。その中で渡邉良重はデザインとも切り離さず、どちらの領域も自由自在に行き来できる、希有な存在である。
銀座で見たせいなのか、かつて資生堂で活躍した山名文夫を思い出した。

[PR]
by dezagen | 2017-05-02 03:04 | 展覧会
展覧会 マルセル・ブロイヤーの家具: Improvement for good
ブログ久々、ライター渡部のほうです。

まず余談から。
この1ヶ月半ほど視神経が痛い!くらい海外ドラマにのめり込むだけのめり込んでいる。
主に見ているのはクライム/ミステリ系と歴史(19世紀以降)ドラマ。
DVDで見ている分にはまだ自己制御できていたような気がするのだが、配信のドラマや映画まで見出すと、もうかなり切りがなく自分でもヤバいなーと思っているところ。

配信のドラマを見始めたきっかけになったはAmazon ビデオの
歴史改変ドラマで、第二次世界大戦でアメリカが敗戦し、西側が日本(日本太平洋合衆国)の、東側がドイツ(大ナチス帝国)の占領地となっている状況の、1962年というのが設定。

私的な見所ポイントは、主に美術方面。映像の中の日本の表現で、セットの中に日本語看板など多く出て来るのだけれど1960年代にこの書体ないよなー、とか、そんな重箱の隅を突くような見方をしている。
書体の話は宮後さんに任せるとして(無責任)、話の流れで気になっていたのが裕福な日本人の家にイームズの椅子(だったはず、ちょっと前に見たので若干うろ覚え)があったり、家全体の作りがミッドセンチュリーモダンの建築だったりしたところ。
歴史改変のフィクションなので、どんな解釈もできるものの、例えば、ナチスの迫害を受けてアメリカに亡命/移住したドイツ系の建築家やデザイナーがいなかったら、アメリカの建築や家具の世界はかなり違ったものになっていたのではないか、とも考えられるし、また、ドイツに負けたアメリカの中で亡命建築家やデザイナーはどうなっていたのだろうという疑問も湧く。

歴史改変ドラマであっても、歴史を扱う以上、美術作りで気にしなければならないのは、実際の歴史上でどのような物が作られて、どれだけ普及していたか、どんな素材が入手でき、どんな加工方法が可能だったのか、という史実で、それを下敷きに「もしこうだったら」という美術のセットを作らなければ、違和感に引きずられて、ドラマという虚構の世界の嘘を突き通すことが難しくなってくる。
(未知の世界を描くSFや、あり得ない世界を描くファンタジーの場合はまたちょっと話が違うかもしれないが、それでも、ある程度の現実味にズレがあることで、フィクションの面白味が生まれると思う)

歴史ドラマの美術は実際の本物を見ないとダメだなあ、というのと、多くアメリカに亡命/移住したバウハウスのデザイナー達はどう暮らしていたのだろう、というのが気になっていたところに、バウハウスを代表するデザイナー、建築家の1人、マルセル・ブロイヤーの展覧会があると聞き、絶好の機会!と見に行ってきた。

東京国立近代美術館で3月3日から開かれている
マルセル・ブロイヤーの家具: Improvement for good」
は、タイトル通り、ブロイヤーの家具に焦点を当てたもの。

b0141474_15481483.jpg
事前に「ここが見所」と、ワシリーチェア(展覧会中では「クラブチェアB3」)の初期モデルとその後の量産型では、パイプのジョイント部分が違う、ということを伝えられていた。
初期モデルではパイプのジョイントがほとんど熔接になっている、というので、実際に見てみると、X字に組み合わされた部分など難しそうなところも、しっかりと熔接されている!溶接工の手間も技術も要るので、これでは量を作るのが大変。
で、その後のモデルでは徐々にビス留めに変更され、工程も簡略化、熔接では固定されていた部分に若干のゆるみが出来ることで、クッション性も増している。
なーるーほーどー。
バウハウス関係の資料は多くあるので、写真で確認することもむろん出来るのだが、現物を見ると仕上がり具合や質感も分かる。熔接もきれいな仕上がりなのでドイツの溶接工の仕事の巧さも感じることができる。


b0141474_15482274.jpg
《アイソコン・サイドチェア BC3》 1936年 東京国立近代美術館蔵

ワシリーチェアやカンティレバーチェア(「サイドチェアB32」)に比べると、地味な存在だが、ブロイアーがイギリス滞在時(1935年〜36年)に作った、アイソコン社のプライウッド椅子「アイソコン・サイドチェア BC3」。
プライウッドのモールディング技術が向上してきた時代。家具へ応用はまだ挑戦部分の多い時期。新しい素材にチャレンジするだけでなく、スタッキングできる利便なデザインを作ったところもブロイアーらしい。

アメリカに渡った後(1937年〜)の活動(主に建築物)、日本の建築家芦原義信との交流なども紹介されている。
ものすごい細かすぎるところだけれど、1981年、芦原義信に送られたブロイヤー訃報の手紙がタイプライターでもなし、不思議な紙質と文字だな、と思ったら「電報」だった。

などなど、1つ1つ見て行くと、その時代の感触が分かってきてとても楽しい。
東京国立近代美術館の展示のいいところは、内容物は濃く、とはいえスペースはそれほど大きくないので、一つ一つの展示物を丹念に見て行ってもあまり疲れないジャストサイズだな、といつも思う。

もちろん、これは企画や会場構成スタッフの成果。
フライヤーも非常にいいので、是非手に取ってもらいたい。

b0141474_15482593.jpg
制作スタッフが気になったので、図録の奥付から。以下、敬称略。

会場構成 Landscape Products、
会場グラフィック・図録デザイン(及びフライヤーデザイン) PLUG-IN GRAPHIC(平林奈緒美、星野久美子)
図録制作 Butter Inc
企画・図録編集 東京国立近代美術館

展覧会は2017年5月7日(日)まで。

[PR]
by dezagen | 2017-03-03 17:58 | 展覧会
中村至男展と仲條正義展
ライター渡部のほうです。

1月13日から銀座で始まった2つの展覧会。
1つはクリエイションギャラリーG8の『中村至男展』(2月16日(木)まで)、
もう1つはギンザ・グラフィック・ギャラリーの『仲條正義 IN & OUT, あるいは飲&嘔吐』(3月18日(土)まで)。

仲條正義 IN & OUT, あるいは飲&嘔吐 http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000683


中村至男と仲條正義。
(以下、時々敬称略)
言っていいのかどうかよく分からないけど、普通にグラフィックの仕事を頼みづらそうなグラフィックデザイナーランキング多分5位以内の2人。だって、普通に文庫本の装丁(文字組込み)とか、コンビニで売る飲料のパッケージデザインとか、この2人に頼んだらどんなものが出て来るか全く予想が付かない。

逆に言えば、予測の付かないものが出て来るのがたまらない面白味であるところの2人だ。
まずは中村至男展(グラフィックデザイナー歴25年にして初の個展!)のほうに足を運ぶ。

b0141474_16124631.jpg

入っていきなり、多分、龍。多分、新年っぽい。
b0141474_16133446.jpg
でも今年酉年だし、何なのだろう…。とりあえず自分の理解できないものは後で中村さんに話を聞こう…。

壁を隔てて、二部屋+小部屋からなるG8の手前は新作。奥の部屋はこれまでの作品からの抜粋。一番奥の小部屋はデビュー時、ソニーエンターテイメント在籍時(1990〜1997年)から大体2000年くらいまで。奥に行くほど中村至男の原点に近づいていく、という仕組み。

b0141474_16163565.jpg

とりあえず奥までずんずん見て行く。
ああ、懐かしいな「携帯電話サイト「うごく-ID」(2000年)」

b0141474_16143985.jpg
の、小さい画面!
自分の名前等を入力すると、4コマもしくは5コマのアニメの中に名前の文字が登場する、というもの。とても小さいギミックがむしろ新鮮に思えた。
小さい画面だとやれることに限度があると思っていた時に、むしろこの限度内に収まっているからこその面白味を見いだしたものだった。

要素が少ない、というのは中村至男の特徴の一つだ(明和電機などの例外はあれ)。グラフィックの要素をギリギリまで削ることで、純粋に「見る」ことの面白さ、「発見」の驚きの強さを増す。

b0141474_16182460.jpg
例えばこの新作シリーズ。
手前のケーキのグラフィックは本展のポスターにも使われている、メインビジュアルでもある。ぱっと見るとホールのケーキを切った、ハッピーなグラフィックだけれど、よく見ればロウソクも切れている、火も半分に切れている。
現実ではこんな風には切ることができない。ひょっとしたら、すごい切れ味の真剣で剣士の師範の人に切ってもらったら、こういう切り方が出来るのかもしれないけれど、それを人間の目で見ることはできない。ひょっとするとありうるのかもしれない、それが目に見えないだけなのかもしれない。こんな疑問を起こさせる。
これにもっと説明的な、例えば上述したような剣士を書き入れたりとか、こんなのないよね、というような説明文が入ったとしたら若干しらけてしまう。
何も説明ないからこそ、自分の目で見たことでやってくる突然の驚きのインパクトが強い。
隣のグラフィックは水滴が指の間で止まっている。これはひょっとすると高性能写真で捉えれば撮れるのかもしれない。だが、中村至男特有のシンプルなまっすぐな線で描かれ、とても停止している。永遠にこれが続くのではないかと思う。
中村至男のグラフィックは時々、こんな風に見ている人を驚かす。

過去25年分(!)のグラフィックを集めて見ると、過去のものはより説明的だったようにも見える。
毎日広告デザイン賞に応募した1990年代前半の「としまえん」の作品は
(反射が見え見えで作品自体見にくくてすいません)、
b0141474_16210704.jpg
普段見慣れた原稿用紙なのに、くるん、と回っている。そして「としまえん」の文字を見ることで「ジェットコースターなんだな」と思う。これも非常にシンプルな手法で人を驚かしたグラフィックだったけれど、最近の作品に比べると「原稿用紙だよね」「回っているよね」という、明らかさ、が際立っていた。
今はもっと要素を削いでそれを伝えている。修練のなせる業だと思う。中村至男の作品はさらっとしていて簡単に作られたように見えるが、余計な要素をコンマ1ミリでも減らし、ギリギリのラインはどこなんだろう、と徹底的に最後の瞬間まで悩み続けてやっとここだと選ぶ。
そんな苦労が見えないところも中村風ではある。

ちなみに、前述の「龍」。
中村さんに聞いてみたら「ベクターで龍を書いてみたかった」とのこと。
なるほど。
「イラレってごくたまにソフトのバグで線が割れたり、バリがでたりするんですね。ベクターデータの第一メデイアとしてのマチエル(筆ムラや滲みかすれような)で質感を表現できないかなあ、、と前から思っていました。」
とのこと。
予想の付かない面白さで、今のソフトだから出て来る面白さで何かを表現できるか、そんなところに進化しているようだ。
って、技術が未熟だからこそ面白かった「うごく-ID」とも近いのかも…。まだまだ研究が足りないなあ。

G8で満喫した後に、中村至男展とスタンプラリーも行われている『仲條正義 IN & OUT, あるいは飲&嘔吐』へ。

もうこのタイトルだけで、何が出て来るやら…ドキドキワクワクハラハラするのだけれど、何が出てきても、もう仲條世界に入っていくしかないなあ、とも思うなあ、と想像していたら、やはりそうだった。

本当に圧倒されて、ブログに書こうと思いつつ写真を撮るのをほとんど忘れていたので、公式の会場写真はこちらで堪能して下さい。

1階の新作ポスター群(22点)は「MOTHER & OTHERS」がテーマになっているのだが、
b0141474_16263015.jpg
どこら辺がMotherでどこがOthersなんだろうか、とか、こっちが考える隙も与えず、勢いのあるグラフィックが目に飛び込んでくる。
仲條正義のグラフィックは言葉にするのが難しい。説明もしにくい。
写真の右端のグラフィックを見て、ライター歴24年の私の頭に浮かんだ言葉は

「ポッポー!」。

これだけ。
本当にこれではライター失格なのだが、多分バカボンのパパなら「これでいいのだ」と言ってくれると思う。
そして地階は仲條正義がエディトリアルを手掛けた『花椿』のページが平台というか斜め台というかの台にがーっと並んでいる。
b0141474_16275665.jpg
なんでファッション誌に力士なの?とか、考えても分からない。

デザイン系のライターとしてはデザインを解読したり、説明したりすることが仕事であり、また自然とそう向き合うものなのだが、仲條正義の作品に対してはもうこっちとしてはそんな努力はしない。
出てきたものを受け入れるしかない。
見て、その迫力に圧倒されてしまうので、受け入れます!という姿勢になってしまう。

ブログ読者には悪いが、仲條正義の世界感は言葉に出来ないので、とにかく期間中にgggに足を運んで、圧倒されて来て、と言いたい。

中村至男と仲條正義の展覧会に共通するのは、意外性とそれを受け入れる喜び、だろうか。
今、私は美術系の大学の先生という仕事もしているので、きれいな文字組だとか、人に理解されるための構成とか、グラフィックのお作法を一生懸命教えている立場ではある。
だが、たまにこうした「お作法」からぐっと突き抜けて「先生」の予想の付かないものを見たくなる。ルール度外視(じゃない場合もあるけど)で、ただひたすら見ていて生理的に気持ち良いもの、考えなくても頭の中で楽しくなってしまうもの、そんなものがもっと見たい。

[PR]
by dezagen | 2017-01-19 16:28 | 展覧会
print galleryの展示
編集宮後です。
2017年もよろしくお願いいたします。

年末に白金高輪のprint galleryで開催されている、イ・ギョンスによるタイポグラフィ展「迷い鳥たち:文字の練習」を見てきました。会場には、韓国ソウルを拠点に活動するデザイナー、イ・ギョンスさんの作品14点が展示されています。

イ・ギョンスさんは、弘益大学大学院でヘルムート・シュミットに タイポグラフィを学び、ハングルとアルファベットの融合、字間や余白について考える作品を制作されてきた方。今回の個展では、過去10年の仕事で、タイポグラフィ上の問題が生じた 細部を極端に拡大したポスターを展示しています。普段気にとめないような細部をあえて拡大して見せることによって、作品として成立させると同時に、見る人に問題提起をするという実験的な作品です。

こちらが展示風景。print galleryからお借りしました。
展示の詳細はこちらをご覧ください。

b0141474_14311141.jpg

b0141474_14311716.jpg

b0141474_14312115.jpg

b0141474_14312714.jpg


print galleryは、海外のデザイナー、タイポグラファーのタイポグラフィ作品を積極的に紹介しているギャラリーです。最新のタイポグラフィ作品を直接見られる大変貴重な場所でもあります。日本で初めて紹介される作家も多く、いつも新鮮な作品が展示されているので、「どのように運営しているのだろう?」と思っていました。

ギャラリーを主催しているのは、デザイナーの阿部宏史さん。スイスのバーゼルでデザインとタイポグラフィを学び、2012年から白金1丁目(最寄り駅は白金高輪駅)のこちらの場所にギャラリーとご自身の事務所を構え、運営していらっしゃいます。ギャラリーを始めたきっかけは、ヘルムート・シュミットの「politypographien ポリティポグラフィーエン」を展示したいと考えたことから。東京でもギンザ・グラフィック・ギャラリーなどを除けばデザインやタイポグラフィ、アート作品ではない印刷物を専門に展示する場所もほとんどないことも、始めた理由の一つだそうです。

基本的には阿部さんがほぼお一人で企画から運営を担当。作家から返事がなかったり、諸般の事情で断念せざるを得なかったりすることも。海外とのやりとりは大変そうですが、メールやFAX、時には国際電話やスカイプなども使ってやりとりしているとか。

展示する作家と期間が決まったあとも、展示内容、説明文、作品の搬入搬出方法、保険、宣伝物の制作、告知など、決めなくてはならないことがたくさんあります。これらをほぼ阿部さんお一人で担当されているというから驚きです。

ギャラリーを運営していてよかったことをうかがうと、展示期間中、その作品に囲まれて過ごしていると段々とコンセプトや制作背景、作家が考えていることなどが身にしみてわかってくるような感覚があるのだそうです。あと、普段会わないような人に会えるのでこの点も良い点だとか。

現在の展示が終わったあとは、2017年3月中旬から、ヘルムート・シュミットの先生で現在92歳のクルト・ハウエルトの展示をするそうです。ほかにもいくつかの企画を進行中とのことなので、楽しみです。今後はテーマにそった企画展や日本人の作品も紹介していきたいとのこと。

年明けのオープンは、1月6日(金)から。展覧会詳細は以下になります。

「迷い鳥たち:文字の練習  イ・ギョンス」
会期:2016年12月17日(土) から 2017年1月29日(日)
         [12月30日から1月5日は冬期閉廊]
         土日祝 13:30 から 20:00
月金 15:00 から 20:00
         火水木 休み
場所:東京都港区白金1-8-6, 1F(最寄り駅は白金高輪駅)
展覧会詳細:
http://www.printgallerytokyo.com/ex-lee-kyeongsoo.html
[PR]
by dezagen | 2017-01-04 23:20 | 展覧会 | Comments(0)
世界のブックデザイン2015-16
b0141474_18402788.jpg


編集宮後です。今年も世界のブックデザインの季節になりました。

今年は「世界のブックデザイン2015-16 feat.造本装幀コンクール50回記念展」というタイトルで、日本の造本装幀コンクールで過去50年に受賞した50作品が展示されていました。会場の中央に置かれた日本の作品を取り囲むように海外の受賞作が並びます。2016年3月に開催された「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書13点に、6カ国(日本、ドイツ、オランダ、オーストリア、カナダ、中国)のコンクール入選図書を加えたおよそ180点が展示されていました。

b0141474_18404621.jpg

b0141474_18405737.jpg

オランダとフランダース 金の活字賞
『Other Evidence Blindfold』(別の証拠:目隠し)
著者、発行:Titus Knegtel 

1995年にボスニア・ヘルツェゴビナで8000人以上が殺害された「スレプレニツァの虐殺」の記録集。国際司法裁判所に提出された客観的データとビジュアル(被害者の遺品など)が淡々とつづられています。青と緑の2色印刷でスタイリッシュにまとめられていますが、扱われている内容は非常に重く、事件の残虐性が控えめなデザインの中から浮かびあがってくるようです。

b0141474_18415858.jpg

b0141474_1842351.jpg

オランダとフランダース 銀賞
『Brick, An Exacting Material』(レンガの魅力)
編著:Jan Peter Wingender  発行:Architecture & Natura, Amsterdam

オランダの建築でレンガがどのように使われているのかをまとめたハンドブック。建築関係者のための専門書なので、機能的に整理されたレイアウトが特徴的。左と右のページが左右非対称だったり、インデントが大きめに取られていたり、所々で細かい工夫が感じされる好著。

b0141474_18421627.jpg

b0141474_18423960.jpg

中国
『上海字記 百年漢字設計檔案』
著者:姜慶共、劉瑞桜  発行:上海人民美術出版社

20世紀の100年間に上海で記録された古い看板やポスターをあつめた本。著者自ら装幀も担当。古い文字を見られる貴重な資料であると同時に、造本もこってました。著者が楽しみながら作っているのが伝わってくるような本。

b0141474_18424868.jpg

b0141474_18425367.jpg

カナダ
『The Missing Novella』(失われた本)
著者:Jon Davies, Derek Sullivan 発行:Oakville Galleries

外側のカバーを開くと、中には何もありません。「失われた本」というタイトルが示す通り、外側だけあって、中身が丸ごとなくなっているというコンセプト。アイデア一発勝負の珍書です。

b0141474_1843285.jpg

オランダ
『Life is Strange』
著者:Rob Moorees   発行:nai010 publishers, Rotterdam

オランダ国立公文書館の写真コレクションを研究していたキュレーターが、そこで発見した劇的な事故や不思議な出来事の写真を集めた写真集。いわば「へんてこ写真」の寄せ集めでありますが、サブカル趣味にならず、奇妙で素晴らしいアートブックのよう。この手のテーマの本はやはりオランダが群を抜いていると感じました。

他にも気になった本はなぜか建築書が多め。レンガの本とか、去年あった堤防の本とか、テーマがマニアックな上、書体の使い方や組み方がうまく、印刷や加工などにも凝っているのがツボに刺さるのかもしれません。「日本では絶対に売れないだろうな」と思える珍書が海外で普通に出版されていることに驚きます。こうした本を見ていると、「世の中にはおかしな本があるもんだ」と安心してしまい、海の向こうから背中を押されているような、励まされているような不思議な気持ちになります。

展覧会は、来年3月5日まで。1回で見切れないので、何回か通うのがオススメです。

「世界のブックデザイン2015-16 feat.造本装幀コンクール50回記念展」
会 期:2016年12月3日(土)~2017年3月5日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし2017年1月9日(月)は開館)、12月29日(木)~2017年1月3日(火)、1月10日(火)
開館時間:10:00~18:00
入場料:無料
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/161203/index.html
[PR]
by dezagen | 2016-12-12 18:58 | 展覧会 | Comments(0)
太田泰友ブックアート展
編集宮後です。伊勢丹 新宿店 本館5階 アートギャラリーで開催されている「太田泰友ブックアート展」を見てきました。

太田さんは日本とドイツを行き来して制作するブックアーティスト(「ブックアーティスト」については、以前このブログでもご紹介したので、そちらをご覧ください)。

b0141474_13392323.jpg

b0141474_13394758.jpg

b0141474_13395294.jpg


以前制作した作品にくわえ、今回の個展のために新作(上の3つ写真の真ん中の写真参照)を発表。本の背を並べて額装したこの新作は、折ごとではなく、1ページずつ糸でかがっているそう。非常に手がこんでいて、ドイツでも珍しい製本方法なのだとか。

太田さんは近々、再びドイツに渡り、製本の勉強をしてくるそうです。ドイツでもアートとして本をつくる作家は少ないらしく、日本でこの分野が浸透するにはまだまだ時間がかかりそうですが、一歩ずつ着実に進んでいらっしゃる様子が印象的でした。

展示は11月22日(火)まで伊勢丹新宿店本館5Fで開催とのことです。
https://www.facebook.com/events/1699049790415469/
[PR]
by dezagen | 2016-11-19 13:46 | 展覧会 | Comments(0)