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カテゴリ:展覧会( 249 )
iichiko30周年
編集宮後です。
マリメッコに続き、日本の長寿ブランドのお話。

本格焼酎「iichiko」の広告が今年で30周年を迎えました。1984年から河北秀也さんがアートディレクターをつとめ、写真家の浅井慎平さんが撮影し、30年間ずっとポスターを作り続けてきました。地下鉄の駅構内などに掲出されているので、ご覧になった方も多いと思います。一民間企業が同じスタイルのコミュニケーションを30年以上続けているのはおそらく前例がないことでしょう。

デザイン専門誌『デザインの現場』の「長寿広告の秘密」という特集記事で、河北さんに取材させていただいたことがあります。移り変わりの激しい広告の世界で、長く続くキャンペーンを探すのは難しく、取材候補に挙ったのはドラフトのPRGR、資生堂の花椿、サントリーの烏龍茶、そしてiichikoでした(烏龍茶は以前記事にしたので、PRGR、花椿、iichikoを取材しました。毎回どのように撮影してポスターを制作しているか、ADの河北さん、コピーライター、写真家、印刷担当者などに取材しているので、詳しくはバックナンバーをぜひご覧ください)。

そんなiichikoクリエイティブの一旦がかいま見られる展覧会「河北秀也 東京藝術大学退任記念 地下鉄10年を走りぬけて iichikoデザイン30年展」が11月13日から東京藝術大学大学美術館で開催されます。
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iichikoのクリエイションのほか、河北さんが手がけた地下鉄のマナーポスターなど、代表作が展示される予定。河北さんはiichikoのお仕事が有名ですが、学生時代にサクマ製菓「いちごみるく」のパッケージや営団地下鉄の路線図などもデザインしていて、「これ、誰がデザインしたの?」的にもとても気になります。

展示は、11月13〜26日まで、東京上野の東京藝術大学大学美術館で開催。展示を見に行けない方は、iichiko designのウェブサイトをどうぞ。1984年から30年分のポスターがすべて閲覧できます。同じような写真やコピーが続いているように見えますが、その時代時代の世相や社会状況と連動するように微妙に変わり続けています。マリメッコの記事でも「時代にあわせて伝統をどのように変えていくか」という話題がありましたが、「時代にあわせて変わる」というのは長く続くデザインに欠かせない要素なのかもしれません。

http://www.iichiko.co.jp/design/graphic/index.html
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by dezagen | 2014-11-04 07:25 | 展覧会 | Comments(0)
MT × G8
ライター渡部のほうです。

ブログ相方宮後さんから「G8でマスキングテープmtの展示をやっています。横尾忠則さんの絵のmtがすごかったです」と聞き、今日は近辺に行ったのでG8へ。

まずは詳細から。
ウェブサイトから抜粋です。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201408/g8_exh_201408.html
『MT × G8』
〜9月11日(木)
11:00a.m.-7:00p.m.  会期中無休 入場無料

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アートディレクションは居山浩二さんです。

わーっと、ほとんど告知も見ずに行ったのですが、今回のコラボレーション企画のデザインは渋い面々!
mt × 安西水丸
mt × エド・エンバリー
mt × フィリップ・ワイズベッカー
mt × ポール・コックス
mt × ミントデザインズ
mt × 横尾忠則

横尾忠則!
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右3本が横尾忠則。左は安西水丸です。
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確かに、細かい上に蛍光色とかよく出せたなーと思います。
基本的には印刷にそれほど向いていないはずの和紙がベースのはずなのですが、これは何か秘密があるのかも。むむ。

安西水丸のセレクトも渋いけど、フィリップ・ワイズベッカーも渋いなあ。
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渋い渋いって、繰り返してますが、要は中高年にぐっっと来るということです。

奥はバッジに好きなmtを貼れる体験コーナー(8月22日〜24日のキッズ・ワークショップは終了しましたが、バッジ作りで遊べます。有料)。
奥の奥(G8のギャラリーの奥の奥の部屋って秘密の部屋みたいで、好きです)はミントデザインズのお洋服。
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やはりプロのファッションデザイナーなので、パターンが美しい。

外の窓にもmt。太いのでmt CASAでしょうか。
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気泡を作らず、平行に。これ、意外に大変なので、そのうち工務店のmt職人とか出てきそうな気がします。
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by dezagen | 2014-09-08 19:43 | 展覧会
Type from London
編集宮後です。
渡部さんにブログを任せっきりにしており、申し訳ございません。表参道のPaul Smith SPACE GALLERYで開催されている展覧会「Type from London」を紹介します。

「Type from London」は、ロンドンで活版印刷を営む6組の工房の作品展。金属活字や木活字で印刷されたポスターが展示販売されております。会場はこんな感じ。ショップの3階です。
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今回の展示にあわせて新しくつくられた作品の展示販売も(ショップ1階の階段下に展示)。ユニオンジャックの3色を使って、イギリスを表現。
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出展しているのは、I.M. Imprint、A Two Pipe Problem Letterpress、Mr.Smith Letterpress、New North Press、Hand & Eye Letterpress、Harrington & Squiresの6組。そのうち、I.M. ImprintのIan MortimerさんとA Two Pipe Problem LetterpressのStephen Kennyさんが先週末に来日し、木活字のワークショップがあるというので取材してきました。
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モーティマーさん(写真右)の工房を撮影したスライドを見ながら解説を聞き、そのあとケニーさん(写真右)が活版印刷の指導をしてくださいました。木活字とアダナ(卓上活版印刷機)を使って、各自好きな4文字をコースターに印刷します。
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ワタクシも挑戦。めいっぱい体重をかけて押しましたが、全然、力が足りず。。。見かねたケニーさんが手伝ってくれてなんとか終了。
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モーティマーさんといろいろお話してきました。右に見える縦長のポスターはタイポグラフィ雑誌『Matrix』に綴じ込まれたもの。とても美しいです。グラデーションや多色刷りのポスターも素敵でした。今回の新作ポスターで使われているティーカップの木活字はモーティーマーさんがご自身で彫ったものだとか。
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ゲストのお二人はすでに帰国されてしまいましたが、展覧会は10月13日までPaul Smith SPACE GALLERYで開催されています。ポスターのほか、A Two Pipe Problem Letterpressの
Tシャツ、マグカップ、缶バッジ、エコバックなども販売しているので、グッズ好きな文字っ子にもおすすめです。
http://typefromlondon.com/
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by dezagen | 2014-09-08 19:42 | 展覧会 | Comments(0)
東京造形デザイン学科3年有志 GRAPHIC DESIGN OF JAPAN
ライター渡部のほうです。

ブルガリアから戻って、生活一転、引きこもりです。
長くて調べ物が多くてかつ英文の原稿を手がけており、毎日本とネット漬け。

少しでも外に出ねば、と、大学の学生がやっている展覧会に行って来ました。

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『東京造形デザイン学科3年有志 GRAPHIC DESIGN OF JAPAN』
http://ledeco.main.jp/?p=11064
会場 ギャラリー・ルデコ 東京都渋谷区渋谷3-16-3 ルデコビル
会期 2014年9月2日(火)~9月7日(日) 11:00am~7:00pm

全員の作品を紹介したいところですが、一部だけ。
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こちらはロリータファッションを文字で表したもの。ロリの子達が使う言葉を選んで洋服の形に仕上げたそうです。
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印刷だけだと物足りないなあ、と思っていたら、手書きでびっしり銀色を塗っていました。こういうのは印刷で再現できたとしても、やはり「本物」見てよかった、と思わせるもの。
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畳を針金で再現。下に鏡。こういう、なんだか分からないんだけど、狂ったような集中力がないとできないもの、にはやはり力があります。でもやっぱりコンセプトは分からなかったけど。
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最後、一生懸命遊んでしまった作品。
カレンダー。
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1日1日が袋になっていて、自分の思う記念日などを書き込んで入れて行くというもの。
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こんな感じになります。空いていると寂しいので、頑張っていろんな記念日を探しました。
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こうやって見ると(一部の学生の作品ですが)、学生の作品はポスターという形状で作らせるとまだまだ力不足なのですが、書籍の形や、鑑賞者も一緒になって作る、作品の中に入る、というようなものでは、すごくアイデアが柔軟なのだな、と思わされました。
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by dezagen | 2014-09-06 22:24 | 展覧会
ジョージ・ネルソン展
ライター渡部のほうです。

現在、目黒区美術館で「ジョージ・ネルソン展」が行われている。
http://mmat.jp/exhibition/archives/ex140712

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ライターの上條桂子さんと、東京造形大学の大学院生、同期の卒業生、合計4人で見に行く。
去年も夏休みに大学院生らと目黒区美術館に行ったのだけれど、夏休みの目黒区美術館周辺というのは、木が多く、セミがミンミン鳴いていて、プールがあって、と、ものすごく「夏休み!」感を満喫できて好きなのだ。

さておき、本題。

ジョージ・ネルソンというと「マシュマロソファ」と「ボールクロック」などの時計のイメージが強い。
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展示では、上の写真のような家具から始まり、1959年モスクワで開催された「アメリカ博覧会」(当時そんなものがあったのか!?と、そのこと自体にびっくりし、さらに記録映像に出て来るソビエトの働く女性のカッコ良さに上條さん興奮してしまい、どうも音量が高くなってしまったようで美術館の人に怒られてしまった…)、各所で行われた講義の素材、ネルソン事務所で手がけたロゴやグラフィック、ネルソンの書籍など、幅広く見ることができる。

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活動の幅広さに関して言えば、ジョージ・ネルソン・ファンデーションのウェブサイトも参考になるだろう。
www.georgenelsonfoundation.org

今回出展されている作品には「デザイン:だれそれ」とネルソンではない別の人の名前がクレジットされているものが多い。
ネルソン事務所で手がけたものだけれども、デザインをしているのはかならずしもネルソン自身とは限らず、アートディレクター的な位置だったのだろうなあ、とは思うのだが、「では一体、ジョージ・ネルソンという人物は何者で何をしていたのだろうか?」と、言うのはカタログ内、柳本浩市さんの寄稿に書かれていた言葉の引用なのだけれど、正に「ネルソンって何をしてたの?」という疑問が湧き、それに応える展覧会内容となっている。

展覧会の副題は「建築家・ライター・デザイナー・教育者」。
「何をしていたの?」という私なりの解釈を加えるならば、この副題はこう見える。
「建築家・ライター・デザイナー → 教育者」
作り、評し、また作る、そしてそれを伝える。

機能的なシステム家具を作ったかと思えば、場所を食ってしかたなさそうな時計も作る。
一見シンプルに見えて、この空きスペースどうなの?ソファの脚の構造どうなの?と思わせるものもある。
ネルソン自身、作りつつ、じゃあ別の視点から見たらどうなのか?と常に疑問を抱え、視点を変えつつ進み続けたのだろう。
編集者、ライターとしてキャリアを踏み出したネルソンは、客観的な目を持たざるを得なかったのではないか。また、当時の、作り続け成長しつづける巨大なアメリカにいて、人々にモノをよく見て考えてくれ、と訴えかける。

展示の中の1つにネルソンの著作「How to See」(1977年)という本があった。
(この内容に関しては、カタログ内で藤崎圭一郎さんが詳しく解説している)
未読なのだが、ネルソンの変わりゆく視点、客観的な視点に関してはこの本に秘密が隠されているらしい。

現在、ジョージ・ネルソンの企画として「アーキテクト・イン・インダストリー ジョージ・ネルソンオフィスのペンシルドローイング展」と題し、代官山 蔦屋書店とハーマンミラーストアでドローイングの展示、販売を行っている(~8月31日(日))
また、8月25日(月)にはドリルデザインの林裕輔さんと柳本浩市さんのトークセッションも行われる。ネルソン1957年の著書『Problems of Design』
www.georgenelsonfoundation.org/george-nelson/index.html#writing/problems-of-design-41 (希少!)についての解説を聞くことができる。
詳細はこちら。
http://tsite.jp/daikanyama/event/004080.html
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by dezagen | 2014-08-19 02:37 | 展覧会
マテリアライジング展II 情報と物質とそのあいだ
編集宮後です。
8月8日(日)まで東京藝術大学 大学美術館 陳列館で「マテリアライジング展II 情報と物質とそのあいだ」が開催されています。
http://materializing.org/

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14組の大学、研究機関、アーティストによる作品が展示されています。
建築的、工学的アプローチの作品が多いので、ひとことで説明が難しいのですが。

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写真は、櫻井稔、加藤大直/Genkei、杉本雅明、東京藝術大学デザイン科企画理論研究室による作品。特定の日にちを入力すると、その日の温度や風力のデータを立体化し、高さ4mの3Dプリンターから出力するそう。4mの3Dプリンターが動いているところを初めてみました。

月曜日は休館。期間が短いのでお見逃しなきよう。
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by dezagen | 2014-07-23 07:28 | 展覧会
Royal Collage of Artの卒制展
ライター 渡部のほうです。

先週、ロンドンに行ってきました。
6月18日〜29日まで、RCA(Royal Collage of Art)の卒制展が行われています。
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/

現在RCAはケンジントンとバタシーの2つの校舎に分かれていますが、今回はデザイン系のケンジントン(こっちも校舎が道を隔てて2つに分かれていると言えば分かれてますが)だけ見に行ってきました。

まず、入口入って突然引き出しがなついてくる、この作品に度肝を抜かれました。
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(以下、名前、専攻、タイトル、参考URL)
Jaap de Maat
Information Experience Design
I Know What You Did Last Summer
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofcommunication/informationexperiencedesign/jaap-de-maat/
センサーで人の動きを感知し、それに合わせて引き出しが動く、という仕組みなのですが、動きが繊細で近づくと「!」という感じでだだーっとやってくる。離れすぎると「?」と迷った感でうろうろし、見つけるとまた「!」とだーっとやってくる。
無骨な引き出しがかわいく見えてくるのです。
昨今、ロボット技術も進んでいますが、外見云々より、その動きのけなげさのほうに共感するユーザーが多いようです(というのは、ルンバ所有者からの声を参考にしているだけですが)。

センサーで反応するという点ではこちらも似たコンセプトの作品。写真に撮っていなかったので、下のウェブサイトで見てもらうしかないのですが。
David Hedberg
Information Experience Design
Smile TV
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofcommunication/informationexperiencedesign/david-hedberg/
何もしないと砂漠状態の画面。見ている人の顔が笑い顔になると画面が普通に見えるというもの。
笑い顔が半端だと半端な形にしかならず、思いっきりイタリア人かアメリカ人のように(偏見)口角をぐわっと上げて笑わらないと反応しづらい、という難点があり、日本人で口角下がってる中年には結構辛いものがありました。

上の2つは機械と人間の関係性を考えたもので、専攻名である「Information Experience Design」とかユーザーエクスペリエンスデザインとか、最近のデザインでは欠かせない分野ではあるんですが、現実にはスマートホンの使い方といったような狭義のデザインで応用されることが多く、もっと幅広く視野を広げて見たほうがいいのだなあ、と思った次第。

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Esa Matinvesi+ Antonio Bertossi
Visual Communication
The Groupe AE(実際はAとEの文字が逆立ちしてます) a research project
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofcommunication/visualcommunication/esa-matinvesi/
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofcommunication/visualcommunication/antonio-bertossi/
こちらは2人での共同制作。学生から直接話を聞いたわけではないのできちんと理解しているかは分からないのですが、解説を読んで展示を見た限りの解釈。
企業とのコミュニケーションと言っても、実際にはユーザー、消費者などとのインタラクティブなコミュニケーションではなく、発信者の一方的な発言であることに着目。架空の企業AE(AとEの文字が逆立ち)を作り上げ、その虚構のアーカイブを見せることで、一方的な発言である限り、事実(と、思っているもの)はいくらでも歪められることを揶揄した作品。
揶揄というかパロディなので、いかに本物らしく(かつ、できればいかにバカバカしいことを)作れるかが勝負どころ。アーカイブは特に企業コミュニケーションがほとんど印刷物に頼っていた60年代〜70年代に年代を絞っていて、使っている紙や印刷の簡素さでその時代らしいものを再現しているところが巧いと思いました。
日本だと、イメージ広告が流行った80年代の企業広告をテーマにすると面白いかも。

こちらは、プロダクトデザインのジャンル。
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Tomomi Sayuda
Design Products
Desktop Fireworks / The Mask of Soul
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofdesign/designproducts/tomomi-sayuda/
不思議なヘルメット?というところですぐ目が行きます。目を隠すことで他者から見る個人のアイデンティティを隠し、大きなスピーカーで言いたいことを大きな音声で出す、という作品。普段、言いたいことが言えず、自分の中に溜めてしまう人のストレス解消になります。
写真に映っていませんが、右側にもう一つの作品があります。スイッチを押すと、職場の机にありそうな物(テープカッター、マグカップ、ファイル、ホワイトボードなど)からディスコっぽいライティングが付き、パーティークラッカーが鳴り、シャボン玉が出て、花火が火花を散らすと、退屈な職場をパーティ気分にさせてくれます。是非こちらのサイトから動画を見て下さい。
www.tomomisayuda.com/work/desktopfireworks.html
制作した学生の左右田智美さんが展示を丁寧に説明してくれたこともあったのですが、日本人の私だけでなく、現地のメディアでも相当取りあげられた様子。テーマの中に今の社会が抱える問題を含んで、その解決方法として出しているところ、かつ、そのプロダクトを見るだけで機能や楽しさが伝わってくる、すぐ分かるデザイン、というところが評価されたと思います。

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Taehun Ko
Design Products
Journey Through Local Industry: Seat/Aluminium/Processes
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofdesign/designproducts/taehun-ko/
同じくプロダクト専攻学生の作品。
地元ロンドンの製造業、工場を巡り、持っている技術で何ができるか、を探った作品。ロンドンで工場を持っている会社は、東京でも同じですが、小規模であるがゆえに小ロットでもフレキシブルに対応してもらえるメリットがあります。写真は、柔らかいポリエチレン系の椅子をモールディングし、アルミニウムで鋳造したもの。
上の左右田さんのようなコンセプチュアルな作品ではありませんが、こうした地道な作品は単純に好感が持てます。ロンドンではトム・ディクソンやマックス・ラムのところでアルバイトをしていたようで、彼らの影響も濃く見えますが、卒業後活かせると思えば、学生のうちはこれくらい素直に吸収力があってもいいと思います。

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Yu-Chang Chou
Innovation Design Engineering
RePack
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofdesign/innovationdesignengineering/yu-chang-chou/
もう一つ、分かりやすい作品の例。再利用できる小型包装郵便のパッケージ提案。ふかふか素材でできた風呂敷のようなものをリサイクルして使います。MA(修士)のプロジェクトとしては、もう少し作り込んでもよかったような気がしますが、こういうプロダクトがあるといいなと思わせます。

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Sungsin Eo
Interior Design
Exhibitions for Children
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofarchitecture/interiordesign/sungsin-eo/
こちらは一見分かりやすすぎるようでいて、結構インパクトのある作品。大きな積木のようなものが異なる堅さのクッションで出来ていて、見かけ固そうなのにくにゃっと曲がったり、絶対柔らかいだろうと思っても結構固かったり、見かけとのギャップが楽しい作品でした。

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Lais de Almeida
Service Design
The Ladder
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofdesign/servicedesign/laisdealmeida/
こちらはサービスデザイン専攻の作品、というかプロジェクト。サービスデザイン専攻は、社会とのつながり方の模索をテーマにしたものが多く、プロジェクトがそれぞれ複雑で説明が難しいのですが、この学生の場合、玩具のようなモデルを作ったことで具現例が分かりやすくなっています。
The Ladderというプラットフォームがあり(モデル上では右側下の黒い屋根のもの)、様々な状況の人が登録をします。このモデルでは、決まった仕事のない若い男性(丸の土台に乗った人形)、3人の子供を育てている主婦(三角)、自分で生活できるけれど、お手伝いしてくれる人がいると助かる高齢の女性(四角)を例にしています。それぞれフルタイムでの仕事はできなかったり、お給料を払えるほどでなかったり、でも、サッカーを教えることができたり、家族の分にプラス1人分の食事を作ることが出来たり、できることもある。The Ladderはそのスキルをうまく繋げる役割をします。モデルでは、例えばサッカーグラウンドの前にあるくぼみに丸の土台に乗った人形と三角の人形を置くと、モニター画面に、子供にサッカーを教えている若者と、その子供のお母さんのつながりがアニメーションとして出てきます。
詳細は http://the-ladder.co.uk のウェブサイトで。

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Lizzie Raby
Information Experience Design
Big Black Coat
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofcommunications/informationexperiencedesign/lizzie-raby/
こちらの作品はタイトルが「Big Black Coat」で、その作品はまた別の場所に展示されていますが、プロジェクトの一貫としてアイスクリームを使った体験型展示。自閉症や鬱病など発達障害、精神疾患とはどういうものなのかを体験してもらうツール。アイスクリームは自閉症を、アイスクリームはマッシュポテト、ミント+オレンジ、バニラ、マーマイトフレーバーの4種類で、体験者はフレーバーを伝えられず試食します。その時にHypo(鈍感)かHyper(敏感)かで、フレーバーが分からなかったり、過剰に反応してしまったりします。自閉症の症状として、通常の感覚よりもHypoであったりHyperであったりする。その疑似体験、というわけです。
疑似体験としては物足りなかったですが、私だけでなく次々人がやってきたので、人の関心を引くのに老いも若きも大好きなアイスクリームを選んだのはいい着眼点だと思います。

最後、グラフィック系の作品3例。

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Timor Davara
Visual Communication
Second star to the right, and straight on till morning
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofcommunication/visualcommunication/timor-davara/
グラフィック云々より、そのDMの大きさに驚きました。手前のポスター(多分B3)がそれ。他の学生はポストカードか名刺サイズだったので。

Thomas Radclyffe
Visual Communication
Blue Cities for Crystal Globes
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofcommunication/visualcommunication/thomas-radclyffe/
残念、写真に取り忘れたのでウェブサイトで見て下さい。
版画(風?)で都市のビル群を描いたイラストレーション。モノトーン、直線性と、正方形で見せる見せ方がビル群の寂しさをよく伝えています。こちらのサイトのほうがよく分かると思います。http://www.tradclyffe.co.uk

Sarah Lippett
Visual Communication
Stan
www.rca.ac.uk/showcase/show-rca-2014/schoolofcommunication/visualcommunication/sarahlippett/
こちらも写真を取らなかったのですが、グラフィックノベルを書籍化して展示。ミソはそれに合わせてちゃんとこの作品のウェブサイトがあるところ。
http://stanagraphicnovel.com

卒制展というのは展示スペースにも限度があり、また、他の学生の作品とも並び、注目を集める、作品をきちんと説明するのは難しいものです。
2年掛けて作り上げたプロジェクトと考えると、発表媒体が展示だけでは十分でないものも多いのです。グラフィックでもパンフレットやDMはもちろん、ウェブサイトやスマートフォンのアプリに応用する。あるいはサービスデザイン、ソーシャルデザインのような大きなプロジェクトであれば、文章や写真だけでなく、モデルを使う、など様々な方法で、見てもらいたいものをきちんと伝える方法を考えることが重要だと思わされる卒制展でした。
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by dezagen | 2014-06-25 07:10 | 展覧会
渡部ゼミ
ライター渡部のほうです。

5月29日は竹尾ペーパーショウ www.takeo.co.jp/exhibition/tps/2014.html
6月5日はインテリアライフスタイル www.interior-lifestyle.com
6月12日はアオイ・フーバーさんとドリルデザインのテーブルウェアシリーズ「Sabato(サバト)」の御披露目会  www.drill-design.com/news/sabato-tableware-exhibition
と、展覧会に行くのは木曜日。

なぜなら、その日は渡部ゼミだから。
大学でゼミというものを持っており、渡部ゼミでは取材をしたり、展覧会に行ったりしているのです。

ペーパーショウのレポートはブログ相方宮後さんがアップしているので、そちらをご覧いただくこととして http://blog.excite.co.jp/dezagen/22687471/ 他の展覧会の様子を。

インテリアライフスタイルの中でよかった(このよかった、は言わずもがなだけど、自分基準)のは、mucu http://mucu.jp のカレンダー封筒「KAKUNI」。
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月ごとのレシートを入れたり、書類を入れたり、色々使い方がありそう。
写真は、mucuブランドを作っているK-DESIGN WORKSの榎本一浩さん。
榎本さんには以前に取材したことがあるのだが、いつだったかどの媒体だったか全然覚えておらず、家で調べてみたら2008年。6年前。
質もテーストも存在感も一貫している、というのは本当に素晴らしい。

もひとつ。ペーパークラフト作家の和田恭侑さんと福永紙工が作った、動物の頭の形の小物入れ、になる紙。紙1枚が折り曲げるだけでこんな立体に!と驚くこと請け合い。
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www.gu-pa.jp
こちらのパッケージやカタログなどグラフィックは岡崎智弘さんによるもの。

さて、「Sabato(サバト)」。
ドリルデザインの安西さんが会場にいたので、少しお話を(フルスイング www.fullswing-furniture.com の佐藤さんにも偶然。久々にお会いしました。引っ越したという工房に遊びに行きたい)。
安西さん曰く「アオイ・フーバーさんの絵は見ているだけで人を幸せにする力があるので、絵を見せることを目的に器の形を作りました」。
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いやー、ホント、アオイ・フーバーさんの絵、どれも素敵。
鳥や蛇など、具象的な絵もいいし、四角や丸、線だけでも、ずーっと眺めていて飽きない。ほっとする。和む。
ドリルデザインは今回は裏方、と言っていたけれど、本当にちょうどいい角度でテーパーを掛けてあったり、ソーサー(写真には映ってないけど)は深めに作り、縁を上げることで、絵がよりよく見えるし、安定感がある。
発売は9月頃を予定しているとのこと。

自分で言うのもなんだけど、展覧会見に行く渡部ゼミ楽しい…。
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by dezagen | 2014-06-13 03:45 | 展覧会
野口光新作発表会
ライター渡部のほうです。

ニットデザイナー、野口光さんの新作発表会に行って来ました。
www.hikarunoguchi.com

野口さんは主にイギリスでニットを制作。
イギリス(スコットランド、ウェールズ含め)はニット産業がかつては盛んでしたが、現在は安い生産国に押されて、工場がどんどんなくなっているという状況。
その中で昔ながらニットを作り続けている工場や技術者を探し、丁寧にものづくりをしています。

制作はイギリス、自宅は南アフリカ、実家は東京、この3カ所を行ったり来たり、アフリカのモヘア工房や八王子の工場などでも作品を作っています。

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忙しくストールのディスプレーを直している野口さん。

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右端の黄色のが欲しい。

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メンズタイ類。こっちも欲しい。。

今回聞いていて面白かったのは、最近の作品は「オンラインで買う人も増えて、ぱっと見て分かる柄が売れている」という話。
野口さんの作品はテクスチャーが面白いものもたくさんあるのですが、パターンも豊富。
グラフィックとして見ても強いパターンを作れるのは、イギリスミドルセクス大学のテキスタイル科で勉強する前は、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン科でグラフィックを勉強していたことが素地になっているからかも。

それにしても物欲をそそる発表会でした。
今週土日はワークショップもあるのですが、満員御礼なのだそうです。
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by dezagen | 2014-04-25 08:48 | 展覧会
4-5月の文字イベントまとめ
編集宮後です。
4〜5月の文字イベントのまとめです。
展覧会名、会期、場所の順に記載してます。

◎TDC展2014
 開催中〜4/28
 ギンザグラフィックギャラリー
 www.dnp.co.jp/gallery/ggg

◎エミール・ルーダー展
 開催中〜4/29
 プリントギャラリー
 www.printgallerytokyo.com/

◎moji moji party no.6 写植展
 4/22-29
 ギャラリー華音留
 www.kaoru-japan.net/

◎日本タイポグラフィ年鑑2014作品展
 4/14〜5/15
 竹尾見本帖本店
 www.takeo.co.jp/

◎第60回ニューヨークタイプディレクターズクラブ展
 5/19〜6/6
 竹尾見本帖本店
 www.takeo.co.jp/

[セミナー]
◎Typetalks分科会『欧文組版のABC』「基礎から応用まで」
 4月26日(土)より6回開講
 青山ブックスクール(青山ブックセンター本店内)
 http://www.aoyamabc.jp/culture/typetalks-abcsession/

[コンペ]
◎モリサワタイプデザインコンペティション
 6/1〜8/31の間に提出
 competition.morisawa.co.jp/

◎「墨」評論賞(石川九楊先生審査)
 2014年9月1日締切
 www.gei-shin.co.jp/sumi/sumi_prize.html
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by dezagen | 2014-04-07 07:58 | 展覧会 | Comments(0)