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カテゴリ:これ誰取材記事( 26 )
オリックス・バファローズ デザインリニューアル
 今年春、オリックス・バファローズのロゴ、ユニフォームなどデザインが一新した。
http://orix.buffaloes.co.jp/special/

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(写真:新生バファローズ告知ポスター ©ORIX Buffaloes)

 これまでの球団変遷を見てみると、創立は戦前の1936年。阪急軍が阪急ベアーズになり、阪急ブレーブスになり、オリックス・ブレーブスになり、オリックスブルーウェーブと大阪近鉄バファローズ(1949年創立)が合併して、2005年からオリックス・バファローズなのである。

 チーム名の変更や親会社の変更、吸収合併などが重なると、どうしてもチームとしてのキャラクター性を掴みにくくなる。ここで一つガツン!と強いアイデンティティを、と行われたのが今回の大幅リニューアルなのである。

 デザインを担当したのは、東京と大阪にベースを置くデザイン事務所GWGの池越顕尋さん。www.gwg.ne.jp
(池越さん。ユニフォームやキャップ、ポスターまで美術出版社まで持ってきてくれた素晴らしい人!)

 どんなCIリニューアルでもそうだが、一番肝となるのは「ロゴ」である。これまできちんと決まっていたのはイニシャルマークの「Bs」のみだったものを、今回、プライマリーマーク、スクリプトマーク、イニシャルマークと3種のロゴを新規作成した。
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©ORIX Buffaloes

 プライマリーマーク(上)はシンボルマークとしてステーショナリーからユニフォームの腕章まで幅広く使われる。
 スクリプトマーク(中)はユニフォームの前面に出すもの。
 これまでのBsを継承しつつリニューアルされたイニシャル(下)はスクリプトの短縮版としてヘルメットなどに使われる。

 全般にクラシカルなロゴを起用したのは、スタンダード感の演出も理由としてある。スポーツチームの場合、ロゴはチームの顔であると同時に、物販用ユニフォームやグッズなどに展開される「柄」でもある。ユニフォームとキャップ、ヘルメットのロゴにもこだわり、ここまで縫えるのか?と思うほど盛り盛りの刺繍はかなり贅沢感がある。


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(新しくなったキャップ、ヘルメット、ユニフォーム。厚みのある刺繍 ©ORIX Buffaloes)

「ユニフォームを買ったお客さんが、球場の応援時だけでなく街でも着れるようなものだといいと思ったんです。ファッションとしてもカッコイイと思ってもらえれば、普通に着てもらえる。ですからロゴも3,4年後にもいいと思ってもらえるようなロゴを意識しました」と池越さんは説明する。

 CIリニューアルに際しクライアントからの要望は「他の球団に似ていないこと」が、当たり前だが、まず1つ。加えて「カッコイイのを作って欲しい」。
 「カッコイイ」は主観的、感覚的な表現だ。野球の分野での、そしてバファローズとしてのカッコ良さというのはどういったものなのだろうか。
 このヒントは、今回起用された使用色にあると思う。前年までのものを見てみるとやや明るめの赤、紺、黄が混在していたたものが、今回、白、渋めの金色、深いネイビーを基調にしたものと変わった。ポスターを見てもシャドウの強い選手のポートレート、とシャープでかっちりしたイメージとなっている。全体的に言えば「渋い」。

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(プライマリーマークの入った袋。社内用に使われる。上に乗っているのは選手カード ©ORIX Buffaloes)

 いくつか野球関連の資料を読んでみると、サッカーやテニス、バレーボールなど他の人気チーム競技に比べて、野球は運動量が少なく選手個人は静止している時間が多いそうだ。選手の美しい動きもさることながら、ただユニフォームを着て立ってるだけでもカッコイイこと、が求められるのではないだろうか。
 むろん球団によりアプローチは異なるが、バファローズが選んだカッコ良さは、静止していても奥にあるストーリーを感じさせるような深さ、凄みを感じさせる真剣さなのだと思う。
 ちなみに今回の執筆担当渡部は野球素人。ブログ相方で野球ファンの宮後さん曰く「池越さんのデザインはカッコ良さのさじ加減が絶妙。野球ファンの気持ちが分かってる」とのこと。発表後の反応も非常にいい。あとはデザインに負けないプレーを願う。
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by dezagen | 2011-02-15 10:43 | これ誰取材記事
CIRCULATION SHUTOKO HATARAKU TOTE
 ライター渡部のほうです。

 昨年のデザイナーズウイークで発表され、話題を呼んだ「CIRCULATION SHUTOKO」の「HATARAKU TOTE(はたらくトート)」。http://c-shutoko.jp  首都高で使用された廃棄物を循環させていくプロジェクトの第一弾として作られた横断幕のバッグだ。
 廃棄物をバッグに、というとスイスのフライターグが思い浮かぶが、フライターグの使うトラック用カバー同様屋外の雨風にも耐える強い素材であり、かつ薄手で、加えて「公的な場所で使われるかっちりした日本語」が柄に入ってくるのは(特に文字好きの皆さんにとっては)魅力である。
 発表から3ヶ月を経て、どのような反応があったのか、今後の展開などについて話を聞いた。

 このプロジェクトを立ち上げた首都高速道路株式会社 事業開発部 事業企画グループの長谷川栄一さんは「予想以上の反響で、トートの製作においては1点1点手作業に近い工程となるため、生産が追いつかず社員もなかなか買えないほどの状況でしたが、やっと生産体制も整備されてきたところです」

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 12月末現在で販売された総数を聞いてみると、400個と意外に少ない。
「デザイナーズウイークでは最初のお試しという感じで100個出したんです。その場でほぼ完売し驚きました。その後は出来たら出す、という状態で品切れ状況が続いていたんです」
 現在民営化されたとはいえ、旧お役所、1つ1つのプロジェクトもさぞかし大きくやっているのかと思いきや、そうでもなかったらしい。
「一番最初は私個人で、横断幕をバッグにできないかと試作していたんです。2009年に社内で社員提案型のプロジェクトアイデア募集があり、まっさきに応募しアイデアが通りました。その後半年ほど社内での検討期間があり、2010年の春くらいからやっと本格始動しました。
会社がものづくりをして販売する、というのはそれまで前例がなかったので、自分達だけでやるのは難しかったためパートナーを探し、トートバッグ専門ブランドのルートートを運営しているスーパープランニングさんと一緒に制作、販売を行うことにしました」

 バッグのデザインはルートートの定番スタイルから3種類とし、一般の人に使ってもらう「はたらくトート」として手に取ってもらいやすい価格帯にすることも念頭にあり、持ち手などのパーツもルートートのものを使用した。

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「GRANDE」(グランデ)
サイズ:横63×縦41×マチ24cm
ポケット:外側ファスナー付ポケット1箇所、内側3箇所 
¥6,090(税込み)


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「MESSENGER」(メッセンジャー)
サイズ:横45×縦38×マチ10cm
ポケット:外側ファスナー付ポケット1箇所、内側3箇所
¥5,565(税込み)

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「FARMER'S」(ファーマーズ)
サイズ:横44×縦45×マチ12cm
ポケット:外側ファスナー付ポケット1箇所
¥5,880(税込み)

 柄に注目してみると、文字や柄をばっちり真ん中に置いたりはしないランダムな配置になっている。リサイクルプロジェクトなため、製品化に際し重要項目とされたのが「無駄を出さないこと」だった。一般的な横断幕横6m×縦1mの布から、柄を重視せず、なるべく多くの型を取れる方法で裁断していった結果だ。
 この偶発的な柄が「デザインされすぎてない感」として好感を得ているという。デザイン飽和の日本らしい現象でもある。 

 とはいえブランドとしてのアイデンティティはしっかり固め、キャンプフォー http://camp4.jp  が担当したロゴ、イベントデザイン、ウェブサイトなどの周辺デザインは、ファッションブランドにも近いカッコよさを前面に出したものとなっている。 

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「ウェブは首都高の看板のような、飾らないかっこよさを目指したテイストで展開しました。
トップページは「首都高×ファッション」として、第一弾商品のリサイクルバッグをファッションアイテムとして打ち出しつつ、その背景にある「首都高発のリサイクルプロジェクト」が感じられるものとして、「道路上に置かれた様々な資材を背景に、その資材から新しく生まれ変わったバッグを持った、ファッションモデル」のイメージを作りました」と、キャンプフォーの飯田優子さんは説明する。

 本家本元の首都高速道路株式会社のサイト www.shutoko.jp とはかなりイメージが異なるが「首都高というイメージと一旦切り離してプロジェクトに接してもらいたかったので、会社のサイトのデザインとはむしろ違う方向性を目指しました。名前にSHUTOKOと入っていれば、なんらか関係性は分かると思います」(長谷川さん)

 製品の発売後、意外な反響もあった。
「横断幕を必要とする夜間工事などがとにかくたくさんあるものですから、首都高を普段使っている人でもそんなに気を使って見ていただくことが難しいところもあったんです。こうして商品になってみると、自分に馴染みのある地名があったり親しみを感じてくれるようで、横断幕自体も注意して見るようになった、という声を聞きます。気持ちの循環システムとしても機能していますね」(長谷川さん)

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(写真:首都高での利用例)

 気になる今後の展開だが、バッグは2月15日から1ヶ月間、東急ハンズ渋谷店にて特設コーナーを設け、以後東急ハンズでも扱うようになる。
 商品の改良も検討中で、ユーザーの声を反映しつつ、持ち手の長さの調整や、既存のパーツからオリジナルのものにするなどの案を考えているところだという。

 加えて、デザイナーの読者に注目してもらいたいのはここ。
http://c-shutoko.jp/process
 プロセス2の「働き終わったら」と書いてある写真の資材置き場、この写真を見ているだけでもアイデアが湧いてくる人も多いだろう。看板、重りとなるタンク、ポール、三角コーンなど、まだまだ再利用ができずに廃棄される資材はたくさんある。

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 こうした素材は、インテリア雑貨、家具など大型の製品にも応用できそうだ。
「ネットワークを広げて、デザイナーさんとも協力しながら新しい商品に挑戦していきたいと思っています」と長谷川さんは言う。
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by dezagen | 2011-02-12 18:44 | これ誰取材記事
メイトー ロゴ
メイトー ホームランバー記事のオマケ。

メイトーのブランドマークの変遷を見せてもらったら、有名デザイナーの名前に遭遇。
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1964年~1974年まで使われていた牛マークは故・田中一光氏の作。

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以後の、1974年~1992年まではグラフィック・パッケージデザイナーの岡田宏三氏デザイン。

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1992年から現在のものは、ザ・デザイン・アソシエイツ。
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by dezagen | 2010-08-06 15:11 | これ誰取材記事
メイトー ホームランバー前編
ライター渡部です。久々「これ誰取材」に宮後さんと行って参りました。

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 とあるアーカイブ系のサイトを見ていたら、ホームランバーの初代イラストは和田誠氏、と出ていた。
 ならば話を聞かないわけにはいかない、と、メイトーブランドの協同乳業に行ってきた。
 ホームランバーがこの世に出たのは1960年。1955年から出ていたアイスクリームバーのリニューアルとして出たものだ。

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 格子模様と文字だけで構成されたこちらもきれいなパッケージだ。が、時代は50年代後半=昭和30年代。「もはや戦後ではない」高度経済成長期が始まり、オリンピックを招致、決定と日本も徐々に豊かになっていった中で、もっとインパクトのあるものが求められたことは想像できる。
 このリニューアルのインスピレーションの素となったのは長嶋茂雄氏。1958年に読売ジャイアンツに入団し、ルーキーとして活躍していた時代のヒーローだった。
 「長嶋茂雄」「野球」「ホームラン」の3つをキーワードに、当たりくじつき、野球の柄、ホームランという名前が決まった。当たりくじつきという目新しさや、長嶋茂雄氏を起用したキャンペーン広告もあり、ホームランバーは人気、定番商品となった。
 このときリニューアル全体のデザインを手がけたのがライトパブリシテイ。在籍していた和田誠氏がイラストを担当した、という次第。

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 初代のパッケージは10年以上続いた。現在40代〜60代の人々にはホームランバーと言えば、和田氏の絵柄が記憶に残っているようだ。
 他の資料を眺めていたら、ホームランバーと同時期の名糖ヨーグルトの瓶にも子供のキャラクターが使われているものがあった。絵柄からして和田氏が手がけたものだろう。ブランド全体で和田氏のキャラクターがあったことで、さらにホームラン坊やのイメージが定着したのではないだろうか。
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by dezagen | 2010-08-04 12:35 | これ誰取材記事
オキナ バンキッシュノートシリーズ
ライター 渡部のほうです。前回の続きでオキナです。

ノートというのは定番が多く、固定層があるだけに
新しい商品が出しにくい。
その中で画期的なアイデアでじわじわと新しいノートに人気が出てきたり、
かなり面白い分野でもある。

前回Project Paperを取材した、オキナからも
新しい発想でじわじわとファン層を増やしているノートがある。

オキナ 商品開発部 深川渉氏が開発、デザイン、
2009年9月から販売されている
「バンキッシュノート」というのがそれ。

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名前の「バンキッシュ Vanquish」とは「克服する、打ち勝つ」の意味。
「自分の弱い意志を」とか「戦いを」とか、かなり強い意味を持つ言葉なのだけれど
というのも、このノート、大人の学習を意識していることも
命名理由の1つなのだ。

バンキッシュノートの画期的なところは、むろん中身。
表紙の「400」「600」「800」というのは、
1ページに書く文字数のこと。
一見、横罫のノートなのだけれど、よく見ると、縦にドットの罫線が入っていて、
原稿用紙のように使うことができる。

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大学の授業や、社会人の資格試験などで「小論文」「論述」という課題がある。
普段PCで作業していても、試験時は紙で提出ということもあり
紙に自筆で書く練習は必須。
そのため文字数を計算しやすいノートが活躍するのである。

04年頃にも、オキナから縦ドット入り横罫ノートというのが出ていた。
その時は意匠的に受け止められ商品自体も消えてしまった。
そこに「文字数」というメリットを加え、
新しい商品として生まれ変わったというわけだ。
深川氏自身、資格試験の勉強を通して生まれたアイデアだという。

表紙「Vanquish」の文字はTrade Gothicという書体をベースにしている。
最初から大人向けを念頭に入れていたこともあり
奇をてらわず、普遍的なイメージで作った。

社会人になってからの勉強は、とかく途中で頓挫しがちなもの。
ノートを使いまくり、一冊を終えることで、
自分に打ち勝つ、そんな思いがノートの名前に込められている。

オキナHP
www.okina.co.jp/
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by dezagen | 2010-05-19 02:28 | これ誰取材記事
オキナ Project Paper
ライター渡部のほうです。

突然写真から、だけれども、こちら
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文具メーカー、オキナの「Project Paper」
ラフを書いたり、アイデアスケッチをしたり、普段のメモに、
と使っている読者の方も多いのでは?
実際に使ったことがない人でも、文具店ではほとんど必ずと言っていいほど見かける
定番商品だ。

「これ、誰がデザインしたの?」を聞くべく
編集宮後さんと共に、墨田区にあるオキナ本社に伺った。

まず、Project Paperが発売されたのは1982年。
当時、方眼紙ノートは出ていたが
縁のない方眼紙で、1枚1枚が剥がれるパッドタイプは業界初だったという。

薄い青の罫線で、コピーした時に罫が目立たなくなる、
上下左右に真ん中の印があり、ラインが引きやすい、など細かな工夫で
好評を博し、以後定番化したのは上記の通り。
現在はA4、5mm方眼タイプを中心としたバリエーションを揃えている。

表記などマイナーチェンジを除き
デザインは82年以来、変わっていないように思っていたが、
実は1度、Project Paperの書体を変えているのだという。
92年、それまではローマン体だった書体をUniversをベースとした
サンセリフ体に変更した。

(下の写真は82年発売当時の商品)
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「書体は時代性が出やすい。
以前のロゴは少し時代に合わなくなってきたので、
見直しを図ったようです」
と、オキナ 商品開発部の深川渉氏は説明する。

確かに時代を感じさせない、普遍的なデザインである。
強いて時代性と言えば、右下の黒い三角だろうか。
80年代初頭、斜めラインや、黒地に赤など原色の組み合わせが流行った。
その影響にも見えるこの三角も、現在「定番」フォーマットに収まっている。

お題の「これ、誰がデザインしたの?」は、
「社内です」とのお答え。

過去、何度かノートや手帳の取材に行ってきた我々だけれども
文具系はやはり社内デザインが多い。
同じ紙を束ねたもの、とはいえ、書籍とは異なり
大量生産される文具は、より一般消費者にアピールする方法や
量産しやすい紙の選び方など、独自の方法がある。
なかなか外部デザイナーに任せづらい、専門職と言えるだろう。

オキナHP
www.okina.co.jp/
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by dezagen | 2010-05-18 10:55 | これ誰取材記事