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チョコレート考38
ライター、渡部のほうです。

楽天で見つけたベルギーのチョコレート、Dolfin http://www.dolfin.be/

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気になったのは、イギリスのロココと同じパッケージの仕様だったからで、紙の上にビニール袋。
札入れのようにチョコレートを入れる方式。
70g 473円。
この方式、古くさい感じはするけれど、ゴミ処理まで考えると、分別しやすいCO2を出しにくいパッケージになっているところが賢い。

小さいサイズ、30g 262円のほうは、2枚の紙で包んだシンプルな包装。

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外側の包みに描かれているパターン+中央のイラストの組み合わせがきれい。
(きれいなパッケージなのにぐしゃっとしたまま写真を撮ってしまった自分を反省)

dolfinのサイトによれば、9種類のフレーバーを旅するように楽しむことがコンセプトになっている。
20世紀初頭のグランド・ツアー的というか、オリエンタリズム的というか、そんなノスタルジックな雰囲気を醸している。

本社に問い合わせたのだが、返事がないので、ウエブから得た情報なのだけれど、ウェブのデザインを手がけたデザイン会社がパッケージとプロモーションツールを手がけている。

ベルギーのbiduleという会社
http://www.bidule.be/case.php?id=4&sid=11

上のサイトのページに、dolfinを手がけた経緯が書いてある。
既存にあったメーカーを買った、新社主が新しいブランディングを依頼、30gのパッケージ、店頭ツール、ウェブと徐々に世界を広げていった。

オーガニックチョコレートの姉妹ブランド、tohi http://www.tohi.be/ のデザインもbiduleが手がけたとのこと。
日本で手に入らないようだが、こちらもきれいなパッケージ。

1月中旬からチョコレートを見て、食べてしてきて感じるのは、日本の国産チョコレートはまだ「作りが甘い」「詰めが甘い」こと。
世界的、というか、主にフランス、ベルギー、イギリス、アメリカだけれど、に見て、「今までチョコレートの原料、カカオの産地を無視しすぎてきた。これからは意識しよう」というのが大きな潮流としてある。
アフリカの産地諸国、この前行ってきたインドネシアもそう。
カカオの産地でチョコレートが作られることはほとんどなく、輸出される。
輸入した側でカカオは、まるで樹脂系の素材が工場から出て来たかのように扱われている。
こうした現象は、小麦や砂糖などの基本的な食材ならどれも抱えている問題でもある。

dolfinがことさらアフリカを意識しているわけではないが、カカオやミルクといった基本の素材、フレーバーのスパイスや茶葉の産地への意識をあえて前面に出すことで、メーカーの意識とパッケージが一致し、また消費者への,押しつけがましくない程度での、啓蒙へと繋がっている。

概して日本の量産品のパッケージデザインは、その均質性が特徴となっている。
これはこれで「どこでもいつでも同じ品質」を担保する現れでもある。
一方で、食品の場合、いかにも工場から生まれてきた均質性は、素材がもともと気候風土を反映した農産物である経緯をおざなりにしているようにも見える。

チョコレートのような嗜好品ならば、もう少し産地への意識や、そこからでてくる地方色、クセのようなものがあったほうが、メーカーの姿勢が分かりやすい。
日本のメーカーは少しこの辺が欠けているように思える。
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by dezagen | 2012-03-26 01:22 | プロダクト・パッケージ
「365日 Charming Everyday Things」展
編集宮後です。
今日から銀座のポーラ ミュージアムアネックスで
「365日 Charming Everyday Things」が始まりました。

この展覧会は、日本に昔からある和ぼうきや和鋏などの伝統的な日用品から
最新のデザインプロダクトまで、セレクトされた日本のよいものを
国内外に知ってもらうためのプロジェクト。
1年365日、合計365点の魅力的なプロダクトを展示するという趣向です。

経済産業省クール・ジャパン戦略推進事業の一環として
今年1月にパリのバスティーユデザインセンターで展示され、
2月には青森と東京駅に巡回したのち、今回銀座で開催されています。

こちらが会場写真。
パリで展示されたものを同様、丸いテーブルに
それぞれ1品ずつプロダクトが展示されています。

セレクトショップなどで見たことがあるものも多いですが、
こうして一同に集められると迫力があります。

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会場構成は、田根剛さん、グラフィックデザインは服部一成さんです。
こちらは服部さんがデザインした展覧会図録。
1日1品ずつ紹介した日めくりカレンダーになっていて、和綴じで綴じられています。
とても繊細な仕上がり。もったいなくて、絶対にちぎれません。
(図録は会場で2500円+税で販売されています)
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展覧会は、3月25日(日)まで銀座のポーラ ミュージアムアネックスで開催中。
http://365things.jp/
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by dezagen | 2012-03-21 20:55 | 展覧会 | Comments(0)
チョコレート考37
ライター渡部のほうです。

チョコレート考30 で取りあげた、大阪をベースにするオリムピア製菓は、地元の人でも知らなかったという、隠れチョコレートメーカー。
1934年(昭和9年)に創業し、OEMを中心に製造を行っている。

ウェブ検索していてふと見つけたメーカーなのだが、ウェブサイトもパッケージもきれいだったので、注文してみたもの。

HP http://www.olympia-seika.jp/

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こちらのパッケージ、ウェブサイトなどのデザインを手がけているのは、アイドマ http://www.aidma.net/
大阪、東京をベースに広告、カタログ、ウェブサイトの企画運営を行っている会社。

上に書いたようにオリムピア製菓はOEMが中心だったが、自社ブランドで直接販売するプロジェクトを立ち上げ、アイドマの協力の下、商品パッケージの一部見直しと、Webサイトの全面リニューアルからスタートし、2010年3月にネットショップをオープンさせた。

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創業当時から使われている葉っぱ模様のシンボルマークを活かし、商品ラベルに消印のようにアレンジ。郵便物が届くような贈り物感を演出している。

板チョコレートは透明パッケージのいさぎよさが特に目を引く。

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「板チョコをネット で購入するのはどういったことなのかを考えた時、きっとチョコレート好きな方に違いないと考えました。となると、フィルム包装に絵柄は必要く、受け取った時にチョコレートの品質と価値を確認していただけることが重要だと考えました。見た目、大き さ、厚み、重みで即座にこのチョコレートの価値を感じていただければと考えました」とアイドマは説明する。

店頭売りでは難しい透明フィルムだが、メーカーから消費者までのルートと管理が分かるオンラインならではのパッケージと言えるだろう。
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by dezagen | 2012-03-19 15:39 | プロダクト・パッケージ
美術系学校のシンボルマーク7
ライター、渡部のほうです。

美術系学校のシンボルマーク、武蔵美に続いて、多摩美こと多摩美術大学。 http://www.tamabi.ac.jp

こちらもなかなか歴史があるので、「多摩美術大学」への道のりは結構長い。

多摩美のスタートは、帝国美術学校が1935年に分離し、多摩帝国美術学校が生まれたことに始まる。
(帝国美術学校の話は武蔵美のシンボルマークの項目をご参照あれ)
当時の校舎は上野毛。初代学長は日本グラフィックデザインの父、杉浦非水。

こちらは当時の校章。杉浦非水のデザイン。

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戦時中は、校舎を撤収された上に空襲でほとんど焼失。
1946年に元軍需工場の溝ノ口工場跡での仮校舎からの再スタートを切る。
50年から52年に掛け、上野毛校舎を復旧、新築。

47年に多摩造形芸術専門学校、50年に多摩美術短期大学設置を経て、53年に「多摩美術大学」となる。
60年代からは現在の八王子の場所に徐々に校舎を新築していき、以後、本拠地は八王子のほうに移行。上野毛の校舎のほうは89年に社会人教育のための美術学部二部を設置し、役割分担ができていく。

さて、現在使われている多摩美術大学のシンボルマークができたのは1995年と、比較的最近。
学校創立60年と同時に、UI(ユニバーシティ・アイデンティティ)を整備したもので、デザインは現学長(当時美術学部二部客員教授)五十嵐威暢氏の作品が選ばれた。

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ストライプが並んだ抽象的なマークに見えるが、モチーフは漢字の「美」。
こちらのデザインプロセスを見ていただければ早わかり。

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これまで取りあげてきた、私立の美術系大学は、
東京造形がスパイラルをモチーフとした幾何学図形、
武蔵美は文字でMusashino Art Universityの頭文字を取ってストレートに表現した「MAU」、
多摩美は漢字を幾何学的にアレンジした日本の紋章風、
と、それぞれに学風を表しているように思える。

ところで、武蔵美も「美」のシンボルマークを持っているが、やはり美術系の学校の真髄は「美」なのだろうか…。
他の美術系学校のマークを色々調べて見る必要がありそうだ。
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by dezagen | 2012-03-18 23:50 | グラフィック
私がインドネシアに行って来た理由
ライター、渡部のほうです。

2泊3日ほどインドネシアのジョグジャカルタに行ってきた、という話は先のMonggoのところで書いたが、
なぜインドネシア?
なぜ首都ジャカルタでなくジョグジャカルタ?
2泊3日(+機内泊1泊)って何?
という質問は誰からも受けていないのだが、なぜそういうことになったか、を書く。

日経BPから出ていて定期購読者配布のみなので割と知られていないデザイン専門誌『日経デザイン』で、「日本ブランドが世界を巡る」という連載をやっている。
ちなみに書籍も出ている(宣伝) http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/186810.html

日本のメーカーが海外進出する際、日本とは事情の異なる場でどんなデザインが求められるのか、ということを、すでに進出、販売しているメーカーの例を紹介していて、すでに4年もやっている。
これだけ長い間やっていると、日本のメーカーが狙っているところとか、なんとなく傾向も見えてくる。

海外進出というと、欧米で認められたいとか、人口約13億を抱える中国でサクセス☆とか、そのようなことを聞きそうだが、意外にそういうことでもない。
欧米と中国はそれぞれ別の理由だけれど、ハードルが高いのである。
比較的ハードルが低く、今後成長が認められそうな市場として日本企業が注目しているのはASEAN、中でもインドネシア、とメーカーの人からよく聞く。

確かに人口約2億4千万人、しかも増加中である。と聞くだけでも有望そうだが、人口増加、中産階級層の増加は他の国でも見られること。
なぜ、特にインドネシアなのだろ?
これは自分で見てこなければダメだなー、と「なんとなく」思ったので行って来た、というのが理由であるのだが、フライト時間が7時間+国内移動1時間掛かるような場所に、日本国内旅行じゃないんだから2泊3日なぞという短期間旅行はあまりにも軽率な判断であった。
43歳、寄る年波に勝てない。

それはさておき、なぜジョグジャカルタか、というのは、チョコレート工場があったから、ではない。
海外では、何が、どんな店で、どのように売られ買われているのか、を見てくるのがワタクシの仕事であり、趣味。
海外の首都はどこも似たような流行があり、似たようなブランドがあり、地方色が薄い、のを繰り返し見ていたため、今回は
1)特別大都市でも田舎でもなく、地方色があり、
2)商業都市であると同時に農産地にも近く
3)低所得者層から中所得者層への移行が見えやすい、であろう
ジョグジャカルタにしたのであった。

で、ジョグジャカルタで見て来たものはこのようなものである。

ちょっと街の中心部からは離れたところの個人商店。

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のれんのようにぶら下がっているのは、シャンプーや洗剤などの小袋(サシェット)。
1回分から3回分くらい使えるもの。
「インドネシアは低所得者層がまだ多いため、その時持っているお金で買える分だけ買う人が多い」とメーカーの人が言うのをよく聞く。
それ以外にも、屋外での湯浴みや洗濯をする場合、大きいサイズの商品だと長く使っている間に品質劣化してしまいそう(劣化とまで言わなくても洗濯洗剤の粉が固まっちゃったりとか)なので小さいサイズのほうがいい、というのもありそう。
また、その時の気分に流されやすそう(あくまで印象です!)なインドネシア人からして、小さいサイズでその時々に合わせたヘアケア製品などを選ぶのが楽しいのではないか、とも考えた。


こういう簡易屋台でも、日用品を売っている。

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市場も大きい。
これはお菓子だけれど、食品計り売りは普通。
パッケージはビニール袋だったり、ペコペコのプラスチック容器だったり、紙箱だったり。

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こちらは街の中心部にあった中規模のスーパー。
インスタントラーメンのコーナー。

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そういえばTVで、昔カップスターのCMで流れていたみたいな、若い子達が楽しそうにラーメンを食べる、というCMを見た。

インドネシアのクノールはRoycoというブランド名で売られている。
あまりにもシンプル、大胆極まりないパッケージデザインなのでびっくりした。

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こちらも別の意味で大胆なパッケージボトル。
ミルク飲料。捨てたくないなあ。

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所変わって、郊外型大型ショッピングモールの中のカルフール。
車でお買い物にいらっしゃる、中産階級向けという印象。

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外資系のお茶ブランド、ティーバッグもあったけど、伝統的な茶葉パッケージも人気な様子。
それにしてもこのパッケージ、紙でくるんで糊がゆるく貼ってあるだけで、えらい茶葉がこぼれてる。

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こちらは調味料。
スーパーに売っている調味料は、瓶、缶、PP加工された紙パックの中にビニール袋、と、日本とさして変わらないけれど、一部、昔ながらのビニール袋をゴムで封、というのもあった。
こっちのほうがおいしそうに見える。

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シャンプーは、パンテーン、ダブなどほとんど国外ブランド。日本のなつかしエメロンも健在。
概ねサイズは小さいものが多い。
下の段はサシェットタイプ。カルフールで買って個人商店でばら売りする、というのも多いそうな。

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なぜか「日本の日用雑貨」コーナー。いや、これ日本じゃないと思う、ものもあったけど。

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日本と言えば、マンガ大人気。
ショッピングモール内の書店、1/5くらい?マンガコーナーだった。

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「なかよし」「少年マガジン」も単行本と同じサイズで売られているのが不思議。
マンガは、やはりドラえもんが一番人気らしく一棚占めるほど。
あとは今の日本とほとんど変わらない人気マンガの翻訳版がずらーっと並んでいる。
韓国、中国だと思われる(アルファベット表記なのでよく分からず)マンガ家の本もあり、また、インドネシア人マンガ家の本も。


おきまりのようにK-Popは人気である。
関連書籍が平積みコーナーに。

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人気アイドルは、少女時代、スーパージュニア、SHINeeの順らしい。
スーパージュニアの本は買ってみようかしら、と中を見てびっくり、1980年代初期のファンジン並の白黒コピーを束ねました、な中身で、ページの真ん中にインクの線が出てたりとか、写真はかすれて見えないくらいとか、ということで買ってこなかった。
今考えるとむしろ買ってきたほうがよかった。
こんな本、今、日本にないし。

ちなみにインドネシアといえば、AKB48の姉妹プロジェクトJKT48があるではないか!
が、CD屋に行っても、ティーン向け雑誌を見ても影も形もない。

インドネシアのアイドルグループでは Cherrybelle というグループ http://cherrybelle.info/ が人気の様子。
化粧が濃いのがちょっと気になる。

と、段々本題から外れていってるが、日本のメーカーの方々が「インドネシア市場は有望」という理由もなんとなーく理解して帰ってきた。
まだまだリサーチが必要だし、確証たる確証はないのだけれど、インドネシアでは国内企業が育ちにくい状況がある、と聞いた。
主な理由は税金、流通マージンで、小規模生産で小さく流通させる分にはそれほど問題はないけれど、州を超えて販売する、国外に輸出すると言った販路の拡大をする際に、色んなものが課金されるらしい。
「鳥かご税」「トウガラシ/ネギ栽培許可料」とか聞いたことのない税金の名前を見る限り他にも色々あるんだろうな、という想像はつく(資料が古いので廃止されてるかも。でもまだあるかも。調べなきゃ)。
インドネシアの国内メーカーが頑張って税金を払い続け、細々と成長するよりは、国外メーカーが大きく投資をして工場を作って生産したほうが早い、かつ雇用創出にも早く繋がる、ということなのだと思われる。

オマケ的なもの。
個人商店のパン屋で目が合ってしまい、買ってしまったパン。

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30センチくらいあるので、サンショウウオか?と思ったが、多分ヤモリ。
日本だとクマパンとか亀パンとかかにパンとかあるけれど、そういったものは全くなく、唯一ヤモリパンだけあった。
ちなみに中身はない。ただひたすら甘い白いパンだった(食べた)。
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by dezagen | 2012-03-18 02:04 | その他
インドネシアのチョコレート Monggo
ライター渡部のほうです。

先日、2泊3日ほどインドネシアのジョグジャカルタに行ってきた。
首都ジャカルタから飛行機で1時間。人口50万人ほどの地方都市になぜ?しかも2泊3日って何?
と、いうのはほとんどうっかりだったのだが、そこら辺の話はさておき、
ジョグジャカルタには、インドネシアでは珍しいチョコレート工場があるのだった。

Monggo http://www.chocolatemonggo.com/ というのが、それ。

街の中心部からタクシーで15分〜20分くらい。
のほほーんとした住宅地の中に、本社工場。

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家?
門のところにいるの鳥だし。
って、多分元住宅を改装した場所だと思われるが、中はちゃんとあります、ショップと工場。

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ショップのお姉さんがなんかすごい美人。英語流暢(ひょっとして第一言語が英語の方なのかも)。
(追記:なんか見たことある、と思ったら、小椋冬美のマンガに出て来そうな美人なのだった)

で、肝心の製品というと、こういう感じ。

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君は小学生か?みたいな、いい笑顔をしてるのは、もちろん小学生ではなく、PR担当のGurnadi Santoso (グナルディ・サントソ)さん。

ここしばらくチョコレートについて調べていて、カカオを作っている国が作るチョコレートというのが少ないことが気になっていた。
カカオが作られるのが暖かい国ばかりゆえ、溶けやすいチョコレートは売りにくい、などもろもろ理由はあるのだけれど、香りも味わうものだけに、産地で作ったほうがいいのでは?そんなメーカーはないのか?と探してみたところヒットしたのが、カカオ豆生産量世界第3位インドネシア産のMonggoであった。

カカオはすべてインドネシアのスマトラ産。
やはり私の勘は間違ってなかった。カカオの香りが非常に強くてフレッシュ。
しかも、日本人に(も)嬉しいことに、甘すぎない。
スイス・フランス・ベルギー産のチョコレートは、おいしいけど甘すぎて喉が渇く、みたいなことがない。

先に「インドネシアでは珍しいチョコレート工場」と書いたが、他にインドネシア産のチョコレートがないわけではない。
なんだか段々チョコレートに詳しくなってしまって、面倒臭い話になってきてるが、Van Houten(インドネシアは過去、オランダ領だったことの名残ですかな) やSilver Queenといったチョコレート他ネスレ系のチョコレートなども自国で作られ販売されている。
のだが、そのほとんどは、植物性油脂などを入れた安いもの。植物性油脂を入れると安く出来るのだが、カカオ成分が少ない分味は劣る。
ちなみに日本製の一般的なチョコレートは残念ながら植物性油脂入りがほとんど。

Monggoは植物性油脂を一切使わず、ヨーロッパの高級チョコレートと同じ製法でできないか、と試みた極めて珍しいメーカーなのである。
メーカー自体の始まりは本当に最近で2005年から。ベルギー人のThierry Detournay(ティエリー・ドトウネイ)さんが「生産地なのにまともなチョコレートがないよ!」と、インドネシア人の奥様と始めたもの。2008年に(恐らくリーマンショックの影響で)一度会社が倒れたものの、再起し、現在は社員70人を抱え、インドネシアほぼ全土に流通する高級メーカーに成長しつつある。

サイズの大きな80gで200円弱〜250円ほど(フレーバーにより異なる)、40gバーは約100円。
現地のチョコレートの値段(は質によってえらいばらつきがあるのだが)の大体2,3倍。
わずかに輸入されているリンツやキャドバリーの1/2ほど。
質から言えば、かなりお買い得な商品である。

とはいえ、平均月収や物価が日本の1/10〜1/5(統計により異なる)の土地。
ジョグジャカルタの中心地でも、昼食が100円で食べられるくらいだから、チョコレート1枚に200円は日本人の感覚にして1枚1000円とかそれくらい。
贅沢品ゆえ、現地の人からするとギフト向け、あるいは観光客向けな商品である。

で、やっとデザインの話になるのだけれど、高級品なだけに
1)ある程度高級感のあるパッケージが求められる。
2)観光客にしてみれば、インドネシアの風合いが欲しい。

上の写真だと分かりにくいかと思うので、HPのほうで見て欲しいのだけれど
http://www.chocolatemonggo.com/en/content/monggo-products
基幹商品80gの板チョコレートは、バティックのパターンを意識したカカオ柄を起用。
お土産用の100gは影絵や寺院の柄を、これまたバティックの柄のようにアレンジしている。
現地の人でも比較的カジュアルに買える40gのバーは、1色刷の紙をベースに、シズル感の伝わりやすい写真の帯を掛けている。

こちらはダーク69%、80gの中を開いたもの。

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カバーの紙は粗目の再生紙。かなり風合いが出ている。
あとは板紙とアルミ箔でラップ。
最近は樹脂系フィルムのチョコレート包装が目立つが、Monggoのチョコレートの中身にも人工添加物を使っていないので、外装は紙とアルミ箔のみでなるべく自然に近い素材を意識して選んでいる。
中のチョコレートは、カカオのマーク入りで、オーセンティックなチョコレート、という感じだ。
こうしたデザインはチョコレート職人でMonggo代表者であるティエリー氏がディレクションを行っている。

ブランド名「Monggo」はジャワ語で「please、どうぞ」の意味。
(補足:最初インドネシア語と書いてアップしてしまいました。インドネシア文化に詳しい友達のご指摘、サンクス!)
日本にも是非どうぞ、と言いたいところだが、まだ国内流通のみ、というのはちょっと残念。
日本の輸入業者様が頑張って欲しいところ。
ヨーロッパから入れるより、明らかに近いんだし。
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by dezagen | 2012-03-17 21:51 | プロダクト・パッケージ
「装丁外」展
編集宮後です。
「美術展図録考1」で紹介した永井裕明さんの
個展「装丁外」が昨日から始まりました。

会場は、茅場町の古書店「森岡書店」。
永井さんの装丁にぴったりな空間です。

普段は広告のお仕事が多い永井さんは
「装丁は専門ではないので」とご謙遜されますが、
この装丁のお仕事が本当にすばらしい。

美術展の図録、写真集、ブランドブックなど
約40点の書物が展示されていました。

会場の様子。
在庫がある本は会場で買うことができます。
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こちらは、永井さんが手がけた本をかたどったポストカード。
パッケージなどで使われるDKホワイトという用紙にUV印刷後、本の形で型抜き。
紙の風合いと印刷がからみあって、ヨーロッパの古いはがきのような味わいが出ています。
全ポストカートと作品解説を綴じたブックレットも販売中。
(ブックレットはこのリング綴じ本のほか、大小2サイズの和綴じ本があります)
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会場で配布されている出展目録には作品の説明や
使用した紙や印刷手法なども記されています。

展示されている本は、展覧会図録や作品集など
書店では手に入らないもの、すでに売り切れのものが多いのですが、
『紀ノ国屋本左衛門』はお値段1050円とリーゾナブルで
書店でも買える本。以前取材で色校を見せていただきましたが、
微妙な色合いが再現されていて本当にすごいです。

展覧会は、今週17日(土)まで。本好きならば、必見です。
http://moriokashoten.com/?pid=40464564
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by dezagen | 2012-03-13 07:28 | 展覧会 | Comments(0)
中村至男 4月は青山でどっとこ祭!!
ライター渡部のほうです。

私が愛して止まないデザイナーの一人、中村至男さんの本が出るという。
なんと絵本なのだという。
なんと、絵本出版の大御所、福音館書店 http://www.fukuinkan.co.jp/ から出るという。
月刊『こどものとも 年中向き』5月号、4月1日発売なのだという。
値段は410円、と驚くほどの安さだ。
70画素で動物が描かれるという。見えるのか!?
ホントなのか!?
って当たり前でホントで、頑張ると動物に見えます。

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本の出版を記念したイベントも開催予定。
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▼イベント『4月は青山でどっとこ祭!!』
●青山ブックセンター本店 4月3日(火)~19日(木)
「どっとこ どうぶつえん」の展覧会を開催します。
どうぶつたちを美しい大判プリントでご堪能ください。
http://www.aoyamabc.co.jp/

●青山ユトレヒトで特別コーナーを設置!
4月3日(火) 〜 8(日)
ユトレヒト(港区南青山5-3-8 パレスミユキ2F)
http://www.nowidea.info/

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さあ、春が始まるぞ。
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by dezagen | 2012-03-13 01:24 | 展覧会
チョコレート考36
ライター、渡部のほうです。

紙包みのチョコレート、もう一個。

Café-Tasse http://www.cafe-tasse.com のFamily Bar Noir

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100g 525円(税込)

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筋入り再生紙の中に、アルミ箔の包み紙。
再生紙自体はもう珍しくないけれど、筋入りの紙はテクスチャーが感じられて、結構好きな人多い。

Café-Tasseは結構どこの輸入食品店、割とお高めのスーパーなんかで目にするのだけれど、HPを見ても会社情報がよく分からない。自社facebookによれば、1990年ブリュッセルで設立、当時はカフェ用の5gチョコレート(コーヒーについてくる小さいチョコレート)を作っているメーカーだった。
なので、「Café-Tasse(コーヒーカップ)」の名前が付くわけですな。
2001年にAndreas Gembler 氏が会社を買収し、2009年からはGembler 氏の娘が継いでいる。とのこと。

現在の商品バリエーションは、Gembler 氏に買われた後から増えたものなのか、よく分からないが(チョコレートのことを調べるにはフランス語の知識が必要だなー)、HPを見る限り、日本には入っていないものがものすごくあるし、東西南北あらゆる国に卸している様子。
どこの国でどの製品が売れているのかは分からないけれど、(品質を担保した上で)普遍的なデザインだけにどこでも受け入れられやすいのではないだろうか。
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by dezagen | 2012-03-09 07:08 | プロダクト・パッケージ
美術展図録考1
編集宮後です。
相方渡部さんは日々チョコレートを追いかけ、
私は美術展の図録を追いかけております。

私がしつこく美術展図録にこだわり続ける理由。
それは好きな展覧会の図録が残念な感じだと
たまらない喪失感におそわれるから。
残念な感じというのはデザインがうまい下手というよりは
「この展覧会で、この装丁はないよね」っていう世界観完全無視のデザイン。

で、今日ご紹介するのは、川村記念美術館の図録を手がけている
アートディレクター、永井裕明さんのお仕事。

こちらは永井さんが手がけた「モーリス・ルイス 秘密の色層」の図録。
出品点数が少ないので、ページ数も少ないんですが、
ルイス作品の世界観を完全に表現していて、すごくいい。
造本も綴じ糸の色が全部違っていたり、細かな気配りが。即買い。
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あと、同じく川村の「バーネットニューマン」展の図録もすばらしい。
こちらは買いそびれてしまったので、永井さんの事務所のサイトでご覧ください。
http://www.nginc.jp/works/バーネット・ニューマン-2010/

どちらの図録ももう売り切れで、在庫がないそうです。
たぶんみんな「これは即買い!」って思ったんだろうな。

で、その永井さんの装丁の仕事を集めた個展が
3/12-17まで茅場町の森岡書店で開催されます。
アート関係の良書を出版しているトゥルーリングと
古書店&ギャラリーの森岡書店の共同企画だそうです。
こちらそのDMの一部。これは見に行かなくては。
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永井裕明「装丁外」
2012年3月12日(月)~17日(土)13時〜20時
森岡書店 http://moriokashoten.com/
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by dezagen | 2012-03-08 18:19 | 展覧会 | Comments(0)