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ベルリン文字看板博物館 Buchstabenmuseum 
ライター渡部のほうです。

文字好きの皆さんの巡礼の地がまた一つ。
ベルリンにひっそりとある、Buchstabenmuseum
www.buchstabenmuseum.de
直訳すると「文字博物館」だが、文字と言っても、看板サイン文字のみ。

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古きが去り新しきが取って変わる、激変のベルリンの中で、壊され、外され、ゴミとなる文字サインを集め、修復し展示しているのである。

もらったリーフレットによれば、Barbara DechantさんとAnja Schulzeさんの2人がこれらのサインの保存を目的に、非営利組織としてスタートしたのが2005年。Die Hochschule für Technik und Wirtschaft (HTW ベルリン応用科学大学) やネオンサイン製作所のManfred Dittrichらの協力を得て回収や修復を継続。その後2008年にミュージアムとしてオープンし、2010年、現在の場所に移った。

とはいえ、この場所、住所通りに行ってみると、寂れたショッピングモールで、隣がマクドナルドというような、何?ここ?と一瞬戸惑うのだが、とりあえず間違いない。

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中にはこのように看板サインの文字が、並び、どこで見つけたか、どんな書体か、どんな用途で使われたか、素材は、などの情報解説もきちんと書かれている(調べた人、ホント偉い)。

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サインの中身なんて、なかなか見れるものではない。
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ウェブサイトのニュースページは看板サインだけでなく、文字に関する情報が随時(そんなに更新はされていないが)。
http://www.buchstabenmuseum.de/buchstaben/news.php

今回は1人でふらっと入っていったが、10人までのガイドツアーも受け付けているので、是非詳細解説付きで見たい。
また、寄付金も受け付けていると同時に、ヨーロッパ以外の国から(むろん日本も含む)の看板サイン情報も受け付けている。
「この看板、どうしても捨てたくないけど、場所がない」という方は連絡してみるといいかも。

BUCHSTABENMUSEUM SHOWROOM
Berlin Carré, 1st Floor, Karl-Liebknecht-Straße 13, 10178 Berlin (Mitte district)
木曜〜土曜 午後1時〜3時
入場料 2.50 Euro

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このミュージアム情報は、ベルリンの観光情報ガイド Berlin In Your Pocket   www.inyourpocket.com/germany/berlin の編集長、Jeroen van Marle さんから。
この方、前回のPlus One Berlin 滞在でビビりながら会った「地元民」。
(詳細はこちらで http://blog.excite.co.jp/dezagen/18941873/ )
素人地元民のはずなのに、やけにガイドっぽい喋りがうまいな、と思ったら、ガイドブックの主催でホントにプロのガイド業もやっているのである。
プロの仕事を持ちつつ、お小遣い稼ぎのサイドビジネスもやってます、というのはベルリンでは特に珍しいことでもないらしいが、編集長、普通やるかな…アルバイト。
今回はデザイン中心で情報を探してもらったり、実際に案内してもらったり。
当然金は払ったけど、ピンスポットで知らない土地の情報をもらえるのはありがたい。
ご興味あれば berlin@inyourpocket.com 宛にご連絡を(英語)。
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by dezagen | 2012-10-20 23:46 | グラフィック
ベルリンの中古建材屋さん
ライター渡部のほうです。
現在ベルリンにいるのだが、9月にも来たベルリンになんでまたこんな短期間のうちに舞い戻ってきたのかと言えば、別にパリにいる甥が好きすぎて会いに来たついでに、とか、パリからロンドンまでユーロスターに乗り遅れてチケットを買い直してまでロンドンに行きたかったそのついで、とか、ベルリンの友達に食材を届けるため、とか、まあ、それもあるのだが、メインの目的は買い物。

9月に宿泊したPlus One Berlin http://blog.excite.co.jp/dezagen/18941873/ のインテリアは、プライウッドをメインに中古建材をアクセントに使っている。
この冬自宅改装を考えているゆえ、このインテリアを真似したい、と思い、設計をしたパオラちゃんに中古建材屋に連れて行って!とお願いしたら、遠いけどいいわよー、ということで、冬が来て外に出るのがおっくうになる前に、その建材屋に行くことにしたのであった。

ベルリンの中心から電車で30分、バスに乗り換えて40分(バス1時間に3本)。
馬糞のかおり漂うベルリン郊外、そこはすでに田舎と呼んでも良い環境であるが、そんなところの広大な敷地、2万平米(想像つきがたし)に、中古の、小さいものではジャンクショップにあるような家庭用品、雑貨から、タイル、金具、シンク、窓枠、ドア、バスタブ、キッチンユニット、柱、床材、庭用噴水、などなど、家を構成するあらゆるものが揃う。

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ひきだしだけ。

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ドアだけ

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床材

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シンクの山。倒産した会社の在庫処分だろうか

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古いホテルから持ってきたというシンク+クローゼット(もうこれだけでも部屋になりそうな大きさ)

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アルファベットサイン。dかな?

など。
これらはほとんど建築物の解体から持ってきたもの。
日本にもこういう場所があるのかもしれないが、一般に買えるような場所は聞いたことがない。

さておき、自分の買い物なのだが、写真はほんの一部でこういったものがどえーっと延々と続く倉庫の中、外にあるのを見て、その物量に圧倒されてしまい、一体自分が何が欲しいのか分からなくなり、結局クローゼットの取っ手くらいの小物しか選ぶことができなかった。
自分、スケール小さい…。

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補足
今回お世話になった方、
Kana Hoshiさん。
Paola Bagnaさん。www.spamroom.net
パオラちゃんの設計、最新作品は、南インド料理店idli
詳細はこちらで http://www.spamroom.net/idli-restaurant/
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by dezagen | 2012-10-18 16:29 | インテリア
デザイナー紹介2:tento
編集宮後です。
先週まで国際タイポグラフィ協会のカンファレンス
「ATypeI HongKong2012」に行ってました。
って書くと偉そうですが、私は発表するほうではなく取材側。
世界の文字好きと交流し、幸せな時間をすごして参りました。

さて、取材や仕事でお会いしたデザイナーを紹介する
「デザイナー紹介」第二弾はtentoの漆原悠一さんです。

昨年独立したばかりだそうですが、
3つのデザイン事務所で経験を重ね、十分なキャリアを持つ
グラフィックデザイナーです。

漆原さんの最近のお仕事と言えばこちら。
旅行誌『TRANSIT』の姉妹誌として創刊された
『terminal』のアートディレクションです。
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『terminal』は「アウトドアを科学する」をテーマにした
新しい登山・アウトドアのスタイルを提案する雑誌。
山の美しい写真だけでなく、登山に関する検証データや
読み物なども豊富で、雑誌としての見応えも十分。

B5変型というサイズで、山のスケール感を出しつつ、
データページや読み物ページもきっちり読ませるのは、
かなり難しいと思うんですが、『terminal』では
それらが奇跡的に両立されたレイアウトになっています。

ぱっと見ただけではさらっと読んでしまうんですが、
細かく見ていくとすごく緻密なレイアウト処理がされていて
「プロの仕事だなあ」とうなってしまいました。

で、次は単行本『邪悪な虫』『邪悪な植物』。
実在する奇妙な虫や植物をイラストで紹介した
洋書の翻訳本なんですが、内容がとにかく面白い。
(上が原書、下が翻訳版)
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「兵器や拷問道具として使われた虫、
ほかの生物をゾンビのように操る虫、
ナポレオンの進軍を止めたシラミまで。」と
解説にあるように、読んでいるだけで怖い。
(虫嫌いの人は注意!)

でも、本の装丁はかなり素敵です。
原書も素敵なんですが、日本語版でさらに素敵になった印象。
ジャケ買いしてしまいそうです。

最後は11月初旬刊行の本『水縞とつくる紙文具』。
水玉好きのデザイナーと縞模様好きの文具店主による
文具ブランド「水縞」の文房具とそれを使ってつくる
紙文具を紹介したビジュアルブック。
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もともと水縞の文具が好きだった担当編集者(ワタクシ)が
水縞のお二人に声をかけてつくった本で、
ほぼ初対面の漆原さんに連絡してデザインをお願いしました。

かわいいだけではなく、ちょっとビターで男子っぽい
水縞のテイストをよく理解してくださり、
こんな感じの本に仕上がっております。

漆原さんのデザインはとにかくセンスがよくて精度が高い。
渋いものから現代的なものまでできそうな器用さも感じます。

漆原さんの事務所「tento」では、現在デザイナーを募集中。
素敵な方が応募してくれますように。
http://www.tento-design.jp/
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by dezagen | 2012-10-18 07:54 | デザイナー紹介 | Comments(0)
スパイスのパッケージについて
ライター渡部のほうです。

パリ、ロンドンと回って本日ベルリンに着いたところ。
相変わらずスーパーマーケット行脚だが、今回はハーブとスパイスの棚が気になっている。

こちらはパリのMonoprix で撮ったもの。

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こちらはベルリンのKAISER'S。なんだか変なところに棚が配置してあったが、まあ、それはそれ。

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で、思ったのだが、世界各国、食は国際化していき、東西南北のあらゆるスパイスが揃えるようになっていることが伺える。日本もまたしかり。
なのだが、こうやって俯瞰で見た時に「オレガノ、どれかしら」とか「ホワイトペッパーのホールはどこ?」とか、すぐ分かるだろうか?

答え:すぐには分からない。

ハーブ緑系とスパイス茶色系のものの差は分かるが、あとは文字で判断して下さい、という状況。
ハーブやスパイス非常に数が多いので、それを一目瞭然に、というのは無理があるが、それでももっといい解消法はないのか?
という答えの1つになっているのが、こちら、イギリスwaitroseの文字表示のもの。

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ハーブ、スパイスの種類ではなく、名前のアルファベット順にしてあり、その頭文字を大きく出している。
結局、文字を読まなければ分からないのだから、文字をでっかく、というやりかた、すぐ見つけられるアルファベット順、は賢い。
透明瓶で中を見せる方法はよくあるが、waitroseは思い切ってその点は省いている。
あれもこれもと要素を入れるのではなく、的を絞ってパッケージを作った例。

実はロンドンの写真だけ2年前のもの。今、変わっていたらちょっとショックだ。
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by dezagen | 2012-10-16 02:46 | プロダクト・パッケージ
nanoblock
編集宮後です。
ずっと気になっていた世界最小級ブロック「ナノブロック」。
サイズはダイヤブロックの1/8の体積、
1つのポッチが4mmという驚愕のミニサイズブロックです。
(写真提供:株式会社カワダ)
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玩具でありながら、シンプルで洗練されたパッケージデザインが
すばらしいな〜と以前から注目していたのですが、
その製造販売元である株式会社カワダ 販売促進課の藤木義貴さんと
開発課の高橋大佑さんにお話をうかがうことができました。

ナノブロックのロゴ、パッケージデザイン、
ブランディングは誰がどのように行っているのでしょうか?

そもそもナノブロックが発売されたのは2008年10月末。
小さいブロックができないかと20年前に
社内でつくった試作がきっかけで生まれた商品だそう。
団塊の世代が引退する頃に大人向けの玩具を発売するべく
2006年頃から開発がスタートしたそうです。

同社の定番商品であるダイヤブロックは子供向けですが、
このナノブロックは大人向けということで、
最初は団塊世代の男性が好みそうな戦艦大和と、
パーツを自由に組み合わせられる基本セットを発売することに。
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その後、女性向けのシリーズを発売。
ハートと天使、バースデーケーキなどのかわいらしいモチーフ、
カラフルなパーツが瓶に入ったパッケージが女性にうけて、
好感触が得られたそう。
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続けて2009年4月に動物のシリーズを発売。
動物の人気度、カラーバランスを考えて、セキセイインコなど
6種類の動物をチョイス。
雑貨店やインテリアショップでも売れることを意識して、
透明の袋状のパッケージに入れました。
キャチーな外見と700円代という買いやすい価格が受けたのか、
東急ハンズやロフトにも販路を拡大していきます。
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以降、東京タワーや浅草雷門などの名所を集めた情景コレクションシリーズや、
ハローキティなどキャラクターとのコラボレーション商品など、
次々と新しい商品が登場。現在ではレギュラー商品約60種類、
コラボアイテムを含めると約130種類の商品が展開されるまでに成長しました。
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発売から4年経ち、ますますアイテムが増えているナノブロックですが、
いずれの商品にも必ずロゴを入れ、
パッケージまわりのデザインも統一感を出しています。
ナノブロックらしさとしてはずせないパッケージデザイン要素をうかがったところ、

・ シンプルであること(パッケージにいろいろな情報を入れすぎない)
・ 完成写真のまわりに十分な余白をとり、もののよさを引き立てる。
・中身(ブロック)が外から見えること

を意識しているそうです。

玩具といえば、隙間がないくらい情報満載のパッケージが多いなか、
ナノブロックは驚くほどシンプルで、よけいな要素がないのです。

白地にナノブロックのロゴと完成写真というシンプルなパッケージは、
最小限の要素で必要な情報を伝える強いデザイン。
今後、どんなシリーズが出てきても、
このパターンで統一感のある強いイメージをつくることができそうです。

ナノブロックは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアにも
輸出されているそうですが、パッケージのデザインもほとんど
変えていないそう。世界にも通用するデザインなんですね。

共通でロゴタイプは6案に絞られた中から選ばれました。
発売当初のロゴよりも現在のほうが字間が広く、
よりロゴらしく変更されています。

で、肝心の「これ、誰がデザインしたの?」。
ナノブロックのロゴデザイン、パッケージデザインは
外部の制作会社PAM(パム)が担当し、
全体のデザインディレクションとブランド管理は
社内で行っているそうです。

先日、東京スカイツリー® 足元にある商業施設「東京ソラマチ」内に
できた直営店「ナノブロックストア」の監修も社内で担当。
パッケージから空間デザインまで、
統一されたブランディングが印象的でした。
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このブランドイメージがぶれずに展開されていれば、
どんなにシリーズが増えても、海外に広がっていっても、
強いブランドになることでしょう。
そんなことを考えさせられた取材でした。

ナノブロック
http://www.diablock.co.jp/nanoblock/
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by dezagen | 2012-10-05 17:49 | プロダクト・パッケージ | Comments(0)
『Play Printing』
ライター、渡部のほうです。

ここ数ヶ月私の心を悩ましていたのが、ビー・エヌ・エヌ新社から6月に出た『Play Printing』野口尚子著について書いてなかったこと。
情報2ヶ月遅れな新刊紹介ですいません。

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まず、ハイデルベルグの印刷機、Speedmaster SM74のディテール写真から始まり、機械好き、印刷好きをドキドキさせる導入が素晴らしい。

とはいえ、ちゃんとした実用書で、主な内容はオフセット印刷のあれこれ、基本的なしくみからモアレ、ドットゲインなどの解説、グラフィック事例、オーバープリントとノックアウトの使い分け、と、紙やインクの解説、加えて製紙工場(日清紡ペーパープロダクツ株式会社)とインキ工場(株式会社 T&K TOKA)の見学記、オフセットの技術で何ができるかを試したワークショップのレポート、など。

かなり盛りだくさんの内容だが、解説部分はほとんど1ページか見開きで、簡潔かつポイントを押さえた説明文からなっているので、割とさくさくと読み進める。
一般的なノウハウ本のもりだくさん事例+ゴシック体ボールド多用の重さがないのが、かえって分かりやすさを促しているように思える。

ハイデルベルグの印刷機の写真も、グラフィック事例の写真も、工場見学の写真も淡いトーンで統一されているので、全体的な統一感もある。
若干残念だったのは、淡いトーンだけに、アルミ蒸着やオパークといった特殊な紙質が伝わりにくいこと。それを差し引いても、私のような「技術はよく分かってないけど、デザインの専門誌に書いている」というライターには非常にありがたい本であり、かつ、インキ工場の様子に萌えた。

学生や、新米デザイナー、印刷会社に入ったはいいがどうしようと不安な初心者の方々は是非手にお取り下さい。

『Play Printing』野口尚子著 ビー・エヌ・エヌ新社刊 2,079円(本体 1,980円+税)
www.bnn.co.jp/books/title_index/design/play_printing.html#more
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by dezagen | 2012-10-05 01:00 |