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世界のブックデザイン2011-12
編集宮後です。
今年も本好きにとって楽しみな展覧会、
「世界のブックデザイン」の時期がやってまいりました。
先週金曜日にオープニングパーティーがあったので、
早速行ってきたのでした。

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毎年3月にドイツのライプツィヒブックフェアで公開される
「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書、
日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国、
今年初紹介される台湾を加えた8か国の造本コンクールで入賞した
優れたブックデザインの書籍約200点を展示。

今年はいつも入選する強豪国ドイツのコンクールの開催時期が
変更されたため、「世界で最も美しい本コンクール」には参加せず、
ドイツ以外のさまざまな国から受賞書籍が選ばれたそうです。

「世界で最も美しい本コンクール」では、最優秀賞に相当する
「金の活字賞」、そのほか、金賞1点、銀賞2点、銅賞5点、
栄誉賞5点の合計14点が選出されます。

今回は31か国から540冊が応募。
そのトップである金の活字賞はこちら。
『La Residence』(レジデンス/デンマーク)
JHエングストロームの写真集。
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そしてこれが金賞の『Raum, verschraubt mit der Zeit
Architekturjahrbuch Graz』(時間と結びついた空間 
シュタイアーマルク州グラーツの建築年鑑2010)
オーストリアのシュタイアーマルク州の2010年建築賞を
受賞した10作品を掲載した本。
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こちらは銅賞の『What We Wear』(私たちが身につけるもの/オランダ)
普段着ている衣類の製造から廃棄までのプロセスを写真におさめ、
それをジャバラ折りの形式でまとめた写真集。
ドキュメンタリーのようなリアルな写真が
圧倒的な説得力をもって迫ってくる様子は圧巻。
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ここからは各国の造本コンクール。

これはオランダで出版された聖書。
乙女チックなデザインのカバーが物議をかもし、
審査員の間で激論がかわされたという一冊。
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台湾の詩人、夏宇の詩集。
ページが袋折りになっていて、
小口にも印刷されているカラフルな造本。
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「今年はおとなしめの本が多いかな」と思ってみていたら、
ドイツのコーナーにとんでもないものが。

『decodeunicodeーDie Schriftzeichen der Welt』
(デコードユニコード 世界の文字)
文字コードの標準規格「ユニコード」の
バージョン6の文字10万9242文字をすべて掲載した本。
膨大なユニコードを全部掲載したっていうのがすごい。
(書体デザイナーにとっては便利なんだろうか...?)
本にしようっていう発想がクレイジーだし、
68ユーロで3500部発行っていうのもチャレンジング。
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どこから出してるんだろう?って思ったら
タイポグラフィ関連書で有名なドイツの出版社
Hermann Schmidt Verlag, Mainzじゃないですか。

こんなの絶対に出版社の企画会議じゃ通らないよね。
「誰が読むんだ」って言われちゃうもの(私は読みますけど)。

decodeunicodeは映像もあります。
2時間半、ずーっとユニコードが流れているという...。
http://vimeo.com/48858289

当日は大急ぎで見たので、まだまだへんてこ本はあるかも。
展覧会は、印刷博物館で2013年の2月24日まで開催。
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/121117/index.html

過去の展覧会リポートはこちら。
2011年 http://blog.excite.co.jp/dezagen/17040747/
2010年 http://blog.excite.co.jp/dezagen/14366166/
2009年 http://blog.excite.co.jp/dezagen/12145216/

昨年より前の入賞作品をご覧になりたい方は『世界の美しい本』をどうぞ(とちゃっかり宣伝)。
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by dezagen | 2012-11-19 21:15 | 展覧会 | Comments(0)
ATypI Hong Kong 2012
編集宮後です。
気づいたら1か月もブログ書いてなかったんですが、
ちょうど1か月前は香港に行っておりました。

毎年世界各地で行われている書体のカンファレンス
「ATypI(エータイプアイまたはアティピと読まれているようです)」の取材です。
通常は欧米で開催されることが多いのですが、今回はアジアで初めての開催、
しかも香港開催ということですばやく参加を決めたのでした。

ATypIは初参加だったのですが、今回は日本の書体メーカーの方々が
大勢参加されるので、「知り合いいるし、なんとかなるさ」的な
感じで参加してきました(予想どおり、なんとかなりました)。

詳細は1月に出る雑誌のほうで書くので、
ブログでは旅行記風にご紹介したいと思います。

もともとATypI(国際タイポグラフィ協会)は
書体の盗用に対処するために設立された団体。
現在では年1回、世界各国の書体関係者が集まり、
情報交換や研究成果発表をしています。
今年は、10月10日〜14日の5日間で行われました。

詳細なプログラムはこちらにアップされてますが、
内容をざっくり紹介すると、最初の2日間はinno Centreという場所で
フォントの技術的なセミナーやワークショップが、
後半3日間はHotel Iconで各国の参加者による発表が行われました。

発表はスライドが中心なので、英語がわからなくてもそれなりに楽しめます。
かなり具体的な書体開発の話から、研究段階の発表まで内容はさまざまですが、
世界の文字業界でどんなことが起こっているのかをダイレクトに感じることができます。

Iconのすぐ近くに香港理工大学があり、そこの先生や生徒が中心となって
今回の香港大会の準備をしてくださったそう。期間中は学生ボランティアの
皆さんが大活躍。会場のFree Wi-Fiがつながらないよと言えば、
さささーっとキーボード打ってつなげてくれるし、何か聞けば流暢な英語で答えてくれる。
フレンドリーで感じよくって優秀。すばらしい。

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香港理工大学のキャンパス。狭い香港とは思えないくらい広々しています。
この中庭で、書体コンテスト「Letter2」に入選したポスターの展示が行われていました。

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で、こちらが前半の会場となったinno Centre(上)。九龍のけっこう北側にあり、
いわゆる観光スポットからは離れています。後半の会場Hotel Icon(下)
は尖沙咀東岸に新しくできたコンラン卿プロデュースのおしゃれデザインホテル。

セミナーの開始終了時刻は日によって違いますが、だいたい朝9時から夕方5時くらいまで。
長丁場なので、朝食や昼食、喫茶の用意もあり、至れり尽くせり。

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朝食はHotel Iconのパンとコーヒー、
昼食はケータリングが出て香港理工大学の中庭(上写真)で食べました。
まわりの人と自然にしゃべるので、いい交流になりました。普段日本では会う機会のない
日本の書体関係者とも知り合えるのがカンファレンスのよいところ。英語が得意じゃなくても
自分のつくった書体とかデザインを持っていくと、話が盛り上がります。次回ATypIに行く方は
絶対に持って行ったほうがいいです。

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こちらは後半の会場となったHotel Iconの会議室。ここで1人25分間のプレゼンテーションが
プログラム通り、次から次へと行われていきます。発表はすべて英語。
興味ない発表はパスして、ほかの参加者としゃべっていたほうがおもしろいかも。
有名な書体デザイナーも会場にいるので、直接話すいい機会です。

最終日は、日本と香港を中心とした有志メンバーによる発表会
「出張!タイプルノアールin香港」が行われ、
理工大の教室に150人近い人が集まり、多いに盛り上がったそう。
文字好きだけど、ATypeIには参加できなかったという
若者が押し掛けたのではないかと推測されます。すばらしいです。

来年の開催地はオランダらしいので、楽しみです。
日程、プログラムは、こちらのサイトにアップされる予定。
http://www.atypi.org/

来年の参加を検討されている方は日本語で書かれたこちらのサイトをどうぞ。
とても参考になります。
http://tosche.net/2012/08/atypihk_j.html
http://blog.petitboys.com/archives/atypi2012_day1.html
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by dezagen | 2012-11-15 07:00 | イベント | Comments(0)