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かなバンク展
編集宮後です。
ちょっと時間がたってしまいましたが、
1月25日から2月3日まで東京荻窪の
6次元で行われていた「かなバンク展」のレポートです。

「かなバンク」というのは、
書体会社タイプバンクが4組のデザイナーとつくった
新しいオリジナル仮名書体。昨年11月にリリースされ、
トークイベントや展示が行われていました。

どんな書体なのかはこちらのサイトをご覧ください。
http://www.typebank.co.jp/kanabank/

展示会場の様子はこんな感じです。
画面左手前から右へ向かって、
永原康史さんの「フィンガー」
祖父江慎さんの「ツルコズ」
田中千絵さんの「TREE」
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そしてこのショットだと見えないのですが、
田中良治さんの「BREAKOUT」です。
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BREAKOUTはテレビゲームの要領で消えて行く
文字を表現したフォントなので、
このように映像で見るとコンセプトが伝わります。

こちらのウェブサイトでその様子が見られます。
http://breakout.semitra.com/

このプロジェクトが画期的なのは、
デザイナーと書体メーカーが共同でフォントをつくっていること。

今までも個人デザイナーが自作フォントをつくって
ウェブで販売することはありますが、
書体メーカーとゼロから新しいフォントを
つくることはほとんどありませんでした。

グラフィックデザイナーと書体デザイナーとは
仕事的にも近く、普段から恊働しているイメージがありますが、
フォントに詳しい一部のデザイナーを除いて、
グラフィックデザイナーと書体デザイナーが
一緒になにかをするという機会はあまりありませんでした。

書体デザインには、文字の形のそろえ方や
スペーシングの調整、フォントとしての統一性など
さまざまな制約を伴った専門領域があります。

一方で、デザイナーのほうはそんな制約にとらわない
自由なアイデアを持っています。

たとえば、デザイナーが「文字のはらいが
すごいのびてる仮名があったらおもしろいよね?」とか思っても
(たとえが極端ですみません...)
書体にしようとすると文字の形の整合性をとるのがむずかしく、
書体デザイナーの視点からは「それはちょっと無理では?」という
ことになってしまいます。

今回のプロジェクトが画期的なのは
そんなデザイナーの自由なアイデアを書体デザイナーが理解して、
両者でフォントをつくったことなんです。

でも、フォントはつくったところで終わりではなく、
やはり知ってもらって使われてこそ、本来の役割を果たすもの。
今後はどのように告知して買ってもらうかが課題といえましょう。

そう思っていたら、「フィンガー」が
コーヒー飲料「ジョージア」の広告の
キャッチコピーに使われたといううれしい報告が。
http://www.georgia.jp/dream/

こうした取り組みはどんどんしていただきたいので
みんなでフォントを買って応援しましょう!

3月1日までにかなバンク全18書体を購入した方には
TypeBank PASSPORTを1ライセンス無償提供の
特典があるそうです。この機会にぜひ。
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by dezagen | 2013-02-20 07:23 | 展覧会 | Comments(0)
「クリエイター100人からの年賀状展 vol.8」渡部篇
ライター渡部のほうです。

先に宮後さんがアップしてくれた「クリエイター100人からの年賀状展 vol.8」レポート、
http://blog.excite.co.jp/dezagen/19909275/
の続きで、渡部セレクト篇。

今年は干支である蛇モチーフの使い方に目が行きました。
蛇は細長くて形が自由自在(なのかどうか、蛇にも限界はあると思いますが)ということで、
文字や縁飾りのように「線」として使ったり、
比較的簡単な形に抽象化し型抜きや折紙など立体として使ったり、
アイデアの活かしやすいモチーフだと感じました。

蛇の特徴を掴んだ作品としていいなと思った年賀状、2タイプ。

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博報堂、杉山ユキさんの作品。
蛇と言えば舌。吹くとぴろーっと伸びる笛が入っています。

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東泉一郎さんの作品。
イラストで勝負です。
年賀状となると大概どんな干支の動物でも、かわいいかかっこいいか、
不快感のないいいところで収めるものです。
東泉さんの蛇は、かっこいいとも言えるし怖いとも言える。
目がたくさん書いてあるのは藪や闇の中に潜んでいるイメージでしょうか。
都会に住んでいると動物の生々しさや凶暴性を忘れがちですが、
「そうだ、蛇って怖いじゃん」と、改めて気がついた次第です。
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by dezagen | 2013-02-19 19:52 | 展覧会
続・キギ展 集合と拡散
ライター渡部のほうです。

かなり前から、海外に行っても「全く知らない国に来た」という感覚がなくなってきている。
自分が旅行慣れしてきたこともあるのだろうけれど、行く場所が都市部なのでどこの国に行っても同じ記号が多いことや、事前情報を取り込みすぎていることなどが理由だろう。

強いて言えば、ベイルートは久々の「異国」だった。
フレンチコロニアルとイスラムと地中海文化が混在していて、道が入り組んですぐ迷子になり、誰も使っていないビルの地下室に入って、あのドアを誰かが閉めちゃったらどうしようと思ったり、小さな雑貨店で壊れたメガネを掛けたおじいさんに英語混じりのドイツ語でずっと話を聞かされたり。
一体ここはどこで、なんでここにいるの?とは思うのだけれど、それがむしろ心地よい感覚。

と、いう感覚を日本は東京、代官山で味わってしまった。
『続・キギ展 集合と拡散』
http://www.hillsideterrace.com/art/130208.html


渡邉良重さんと植原亮輔さんのデザイン事務所キギ http://ki-gi.com の展覧会。
「続」というのは、昨年5月ギンザ・グラフィック・ギャラリーで行われた展覧会に続くもの、なのだが、gggの展示内容はそれまでの発表作品だったのに対し、今回は「デザインの仕事におけるイメージやコンセプトの、素のようなもの」(キギ ごあいさつ より抜粋)だという。
会場に行くともらえる、藤原えりみさんにより解説が、これが泣けるほど秀逸なのだけれど、なるべく今、解説を見ないで、自分の気持ちを思い出して書いてみる。

展示品を一部。

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渡邉さんの「ジャーニー」(上 額装の作品 詩:長田弘、ジュエリー:園部悦子。下 刺繍:鈴木久美子)
リトルモアから出ている同名の本『ジャーニー』の世界が、額装され、さらに額からあふれ出し、ジュエリーの現物と並ぶ。
http://www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=849

こちらは植原さんの「implosion←→explosion」
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遠目にもドットで描かれたものと分かるのだが、寄って見ると
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シール。

implosionは内破、explosionは爆発、の意味。
記録をとどめる写真を、ドットに分解=内破、さらにゆがめたり、ギリギリ元の絵が分かる/分からないくらいにまでドットを大きくしたり、散らばりを見せていくこと=爆発、と私は解釈。
シールは剥がされることもある。それが爆発の後の散乱なのかもしれない。

「時間の標本 #002」
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ラムネ瓶型のガラスに鉱石が閉じ込められている。
ガラスを通して見える世界は歪んでいて、幾千年を生きのびた鉱石と、新しいガラスとの時間のギャップ、まっすぐな世界と曲がった世界のギャップ、それを見ているのが楽しかった。

「時間の標本」
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古い書物から切り抜かれた蝶が本物の蝶のように見える。

実はもう1シリーズ「集合」という、紙レースの作品を最後に見たのだが、もうこの頃にはぽやーっとどこか自分の心がどこかに行っていて、写真を撮るのを忘れていた。
「集合」を見た知人は「もう美しいものしか見たくないと思いました」と言っていたけれど、本当によく分かる。

始めの「異国」の話に戻すと、キギが作る世界はとても異国。
渡邉さんの作品の名前が「ジャーニー」であったことは、偶然ではあるけれど、その名前につられたのかもしれない。とはいえ。
見たこともなく、どう進んでいくのか予想が付かず、でも不安ではなく心地よいところ。

物理的に遠い国に行ってさえ見たことがない感覚を探すのが難しい中で、頭の中にそうした世界をちゃんと持っていて、(ここが重要なのだけれど)形にできる人達がいるというのは本当に驚異的だと思う。
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by dezagen | 2013-02-18 11:29 | 展覧会
クリエイタ−100人からの年賀状展 vol.8
編集宮後です。
竹尾見本帖本店で開催中の
「クリエイター100人からの年賀状展 vol.8」を
見てきました。別の日に相方渡部さんも見てるので、
二人でレポートします。

紙の総合商社、竹尾と縁のあるクリエイター100人の
年賀状を一堂に展示する展覧会で、今年で8回めとなるそう。
過去の年賀状展レポートはこちらをご覧ください。

2012年 http://dezagen.exblog.jp/17668913/
2011年 http://dezagen.exblog.jp/14782615/
2009年 http://dezagen.exblog.jp/12709123/
     http://dezagen.exblog.jp/12709131/

今年の会場写真です。
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直接年賀状をいただく方も多いものの、これだけそろって見られるのは
展覧会ならでは。

年賀状は、自分がクライアントであり、デザイナーである媒体なので、
第三者の視点から語るのが難しいデザインともいえます。

そういうわけで、デザインがよかったものという基準が立てづらいので、
ここはもうお互い自分が気に入ったものをピックアップしようということに。
で、渡部さんに聞いてみたところ、見事に好みが分かれました(笑)。

私が「いいな」と思ったのはこちら。

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イヤマデザイン 居山浩二さんの年賀状。
マスキングテープmtをよじってつくった蛇。
よくみると色違いの紙が合紙してあります。
見えないところにも気を遣ったデザインですね。

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Mr Universeの関宙明さんの年賀状。
よく見るとうっすらグロス透明箔とグレー箔で箔押しされています。
箔で押された漢字は古い書籍の活字を版として使い、
深い雪に覆われた森というモチーフを表現しているそうです。

特殊印刷や加工を駆使した年賀状も楽しいのですが、
今の気分としては見えないところで実は凝っているみたいな
繊細で余韻のあるものがいいなと思います。

年賀状展は2月15日(今日!)まで竹尾見本帖本店2Fで開催です。
http://www.takeo.co.jp/site/event/central/201301.html
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by dezagen | 2013-02-15 11:08 | 展覧会 | Comments(0)
まばたきノート
編集宮後です。
恵比寿の東京都写真美術館「第五回恵比寿映像祭」で
作品を展示中のアーティスト、鈴木康広さん。

まばたきする葉やファスナーの船など、
日常のちょっとした風景を新しい視点で見せてくれる
作品を発表しているアーティストです。
http://www.mabataki.com/

その鈴木さんがツバメノート、福永紙工と
ノートをつくっているとうかがったので
早速送っていただきました。

鈴木さんは10年以上もツバメノートを使い続けている
かなりのヘビーユーザーだとか。今回はそんな鈴木さんの
ツバメノート愛が実り、「まばたきノート」という
オリジナル商品ができたそうです。

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見た目はツバメノートですが、中を開くと
所々に鈴木さんのスケッチが印刷されていたり、
背のテープがグレーだったり(通常製品では黒)、
細かなところがオリジナル仕様になっています。

ノートのアートディレクションは有山達也さん、
印刷は福永紙工、製本がツバメノートという
スタッフで制作されました。

現在は、東京都写真美術館 ミュージアムショップの
「ナディッフ バイテン」で2月24日まで限定販売され、
4月以降は全国のミュージアムショップで販売できるよう
準備中とのことです。詳しいお問い合わせは、
福永紙工 info [アットマーク] fukunaga-print.co.jp へどうぞ。
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by dezagen | 2013-02-14 17:24 | グラフィック | Comments(0)
デザインあ展
編集宮後です。
明日から21_21 DESIGN SIGTで一般公開される
「デザインあ」展の内覧会に行ってきました。

子供たちのデザイン思考を育てるNHK教育番組「デザインあ」の
展覧会と聞くだけでわくわくします。
展覧会のディレクターは同番組の総合指導を行う佐藤卓さん、
番組制作に関わる中村勇吾さん、小山田圭吾さん。
ほか8組のクリエイターが作品制作に加わり、
合計35点の作品が展示されていました。

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こちらは入口に設置された「あ」ら!という作品。
「あ」のタテ棒の部分に人間が入ることで文字が完成します。
写真撮って投稿したりして、盛り上がりそう。

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地下のメイン展示室の写真。
ずらっと楽しい作品が並びます。

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たとえば、この作品「ちょうどいい」。
いろいろなサイズのにぎり寿司が並んでいます。
こういうの子供は大好き。絶対に大ウケするはずです。
(なぜか寿司関連作品が多かった気が...)

ほかにも自分がうごくと壁面に写った「あ」の文字も動く
インタラクティブ作品「動く「あ」」や、
自分で書いた「あ」が展示される(かもしれない)「みんなの「あ」」など
子供が自分で参加できる作品が多数展示されていました。

デザインとしての完成度を維持しつつも
子供が楽しんで体験できるというかなり高度なデザイン。
一流クリエイターが結集した「デザインあ」チーム、さすがです。

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私が印象に残ったのはこれ。
ISSEY MIYAKEの本を解体した「本の解散」と
お札をレイヤーにした「お札の解散」。
どちらも岡崎智弘さんの作品。

この「〜の解散」は身近なものを解体して見せる
同番組の人気コーナーで、
「デザインあ 解散」という本も出版されています。

この「解散」という概念は、佐藤卓さんが手がけてきた
「デザインの解剖」シリーズにも通じるところがあり、
1つのものをばらして見せるおもしろさが見事に表現されていると思います。

プレス内覧会冒頭の挨拶で
この番組が実現するまで7〜8年くらいかかったとうかがいました。
それだけの年月をかけて実現された熱意に驚かされます。

展覧会自体はそうした番組裏方サイドの苦労をまったく感じさせない
子供から大人まで楽しめる内容。
「デザインは特別なものではなく、ごく日常の中に溶け込んでいます」という
佐藤さんの言葉どおり、みんなで楽しめるデザインを見せていただきました。

こういう展示がもっと増えるといいなあ。
身の回りのデザインを紹介している「これ誰がデザインしたの?」も
こういう手法で見せられないかなどといろいろ考えてしまいました。

「デザインあ」展は、六本木の21_21 DESIGN SIGHTで
明日から6月2日まで開催。
http://www.2121designsight.jp/program/design_ah/
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by dezagen | 2013-02-07 20:25 | 展覧会 | Comments(0)