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SNSのお作法
編集宮後です。編集者という仕事は、企画をたてるほか、取材、執筆、確認、掲載、宣伝とすべての作業をするのですが、情報を公開する役目もになっているので、どのように情報を開示するかということに非常に神経を使います。取材先や発信元から聞いた情報を、いつ、どのように、伝えるのか、心の注意を払わなければなりません。くわえて、それを読んだ読者や取材先がいやな気分にならないよう気をつけています。

そのためには普段からあらゆることを想定しつつ、誤解のない的確な文章が書けるようになる訓練が必要です。ネット以前はそのような訓練をしてきたプロの書き手が文章を書いていたわけですが、いまでは誰でも文章を書いて公開できる時代になりました。文章のプロではない人が長い文章を書いたり、SNSや広報の担当者になったりして、判断に迷うケースも多々あると思います。

そうしたときに参考になりそうな項目を箇条書きにしてみました。

・展覧会やイベントの告知、新製品の発表などは、情報発信元からRTしたり、シェアしたりする。
 自分が主催者でない場合は、情報元を明記したり、「〜だそうです」などの伝聞形を使ったりする。

・基本的には情報発信元が情報を流したときが情報の解禁日。

・デザイナーが手がけた仕事の場合、いつ情報公開していいか、クライアントに確認してから公開する。

・書籍の場合、版元によって、いつ情報公開してよいかのガイドラインが異なるので、版元の担当者に確認する。

あまり難しく考えずに、「相手はどう思うか?」という想像力があれば、だいたいOKなのではないかと。SNSの送信ボタンをポチっと押す前に、第三者的視点から再考する習慣をつけておけば大丈夫です。
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by dezagen | 2017-01-31 23:04 | その他 | Comments(0)
デザイナーのすごさ
編集、宮後です。
ひとつ前の渡部さんのブログ記事を読んで、「言葉にできないデザイナーの仕事って何なんだろう?」という興味がわきました。仲條さんも中村さんも、デザインが魅力的なだけでなく、ご本人の人柄も大変魅力的で、デザインと人柄が渾然一体となって表現しがたい魅力になっているのではないかと感じました。「言葉にできない」というのは、デザインの表現部分だけ切り離して説明することができないからではないかと。

デザイナーの人柄がデザイン表現にどう影響するのか、個人的に興味があって、ずっと観察してきました。若いうちは、マーケットが求めているものに反応できる勘やセンスの良さでなんとかなりますが、年齢を重ねるごとにデザイナー本人が積み重ねてきた経験や人間的な深みがないと厳しいのではないかと感じています。事務所のスタッフを指導したり、学生に教えたりする機会も増えるので、人間力が問われるような気がします。

仲條さんは1933年生まれで御年83歳。現在、デザインの世界には、80代から20〜10代の人がいるわけですから、学校を出たばかりの若者は大先輩たちとは違うフィールドで勝負しないと勝てないわけです。それがデザイナーの大変なところでもあり、やりがいがあるところではないかと思います。

デザイナーという仕事は、まだ形になっていない概念を目に見える形にする非常に大事な仕事です。まだそこに存在すらしていない思想やぼんやりとした理念を整理し、視覚化することは、誰もができるわけではない特殊能力だと思います。たとえば、経営者が考えている企業理念を理解してロゴをつくったり、まだ世に出ていない新しい製品の形を考えたり。そのためには、デザイン力のほかに、経営者が求めていることを察知する直感、コミュニケーション能力、予算と時間を管理するマネジメント能力なども必要でしょう。それだけでも大変ですが、さらに本当に優れたデザイナーには進むべき未来を指し示せる能力もあります。これは優れた経営者や研究者にも備わっている能力です。

そう考えると、デザイナーというのは本当にすごい人たちだなと思うのですが、そのすごさが社会にあまり伝わってないような気もします。最近ではデザインが残念なケースで語られる機会が目立ってしまったがゆえに、よけいにそう感じます。

業界の中だけで話題にするのではなく、「デザインってすごいんですよ」ということを外に向けて語っていかないといけないですね。今年はもっと言葉でデザインを伝える仕事をしようと思ったのでした。
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by dezagen | 2017-01-30 22:53 | その他 | Comments(0)
中村至男展と仲條正義展
ライター渡部のほうです。

1月13日から銀座で始まった2つの展覧会。
1つはクリエイションギャラリーG8の『中村至男展』(2月16日(木)まで)、
もう1つはギンザ・グラフィック・ギャラリーの『仲條正義 IN & OUT, あるいは飲&嘔吐』(3月18日(土)まで)。

仲條正義 IN & OUT, あるいは飲&嘔吐 http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000683


中村至男と仲條正義。
(以下、時々敬称略)
言っていいのかどうかよく分からないけど、普通にグラフィックの仕事を頼みづらそうなグラフィックデザイナーランキング多分5位以内の2人。だって、普通に文庫本の装丁(文字組込み)とか、コンビニで売る飲料のパッケージデザインとか、この2人に頼んだらどんなものが出て来るか全く予想が付かない。

逆に言えば、予測の付かないものが出て来るのがたまらない面白味であるところの2人だ。
まずは中村至男展(グラフィックデザイナー歴25年にして初の個展!)のほうに足を運ぶ。

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入っていきなり、多分、龍。多分、新年っぽい。
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でも今年酉年だし、何なのだろう…。とりあえず自分の理解できないものは後で中村さんに話を聞こう…。

壁を隔てて、二部屋+小部屋からなるG8の手前は新作。奥の部屋はこれまでの作品からの抜粋。一番奥の小部屋はデビュー時、ソニーエンターテイメント在籍時(1990〜1997年)から大体2000年くらいまで。奥に行くほど中村至男の原点に近づいていく、という仕組み。

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とりあえず奥までずんずん見て行く。
ああ、懐かしいな「携帯電話サイト「うごく-ID」(2000年)」

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の、小さい画面!
自分の名前等を入力すると、4コマもしくは5コマのアニメの中に名前の文字が登場する、というもの。とても小さいギミックがむしろ新鮮に思えた。
小さい画面だとやれることに限度があると思っていた時に、むしろこの限度内に収まっているからこその面白味を見いだしたものだった。

要素が少ない、というのは中村至男の特徴の一つだ(明和電機などの例外はあれ)。グラフィックの要素をギリギリまで削ることで、純粋に「見る」ことの面白さ、「発見」の驚きの強さを増す。

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例えばこの新作シリーズ。
手前のケーキのグラフィックは本展のポスターにも使われている、メインビジュアルでもある。ぱっと見るとホールのケーキを切った、ハッピーなグラフィックだけれど、よく見ればロウソクも切れている、火も半分に切れている。
現実ではこんな風には切ることができない。ひょっとしたら、すごい切れ味の真剣で剣士の師範の人に切ってもらったら、こういう切り方が出来るのかもしれないけれど、それを人間の目で見ることはできない。ひょっとするとありうるのかもしれない、それが目に見えないだけなのかもしれない。こんな疑問を起こさせる。
これにもっと説明的な、例えば上述したような剣士を書き入れたりとか、こんなのないよね、というような説明文が入ったとしたら若干しらけてしまう。
何も説明ないからこそ、自分の目で見たことでやってくる突然の驚きのインパクトが強い。
隣のグラフィックは水滴が指の間で止まっている。これはひょっとすると高性能写真で捉えれば撮れるのかもしれない。だが、中村至男特有のシンプルなまっすぐな線で描かれ、とても停止している。永遠にこれが続くのではないかと思う。
中村至男のグラフィックは時々、こんな風に見ている人を驚かす。

過去25年分(!)のグラフィックを集めて見ると、過去のものはより説明的だったようにも見える。
毎日広告デザイン賞に応募した1990年代前半の「としまえん」の作品は
(反射が見え見えで作品自体見にくくてすいません)、
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普段見慣れた原稿用紙なのに、くるん、と回っている。そして「としまえん」の文字を見ることで「ジェットコースターなんだな」と思う。これも非常にシンプルな手法で人を驚かしたグラフィックだったけれど、最近の作品に比べると「原稿用紙だよね」「回っているよね」という、明らかさ、が際立っていた。
今はもっと要素を削いでそれを伝えている。修練のなせる業だと思う。中村至男の作品はさらっとしていて簡単に作られたように見えるが、余計な要素をコンマ1ミリでも減らし、ギリギリのラインはどこなんだろう、と徹底的に最後の瞬間まで悩み続けてやっとここだと選ぶ。
そんな苦労が見えないところも中村風ではある。

ちなみに、前述の「龍」。
中村さんに聞いてみたら「ベクターで龍を書いてみたかった」とのこと。
なるほど。
「イラレってごくたまにソフトのバグで線が割れたり、バリがでたりするんですね。ベクターデータの第一メデイアとしてのマチエル(筆ムラや滲みかすれような)で質感を表現できないかなあ、、と前から思っていました。」
とのこと。
予想の付かない面白さで、今のソフトだから出て来る面白さで何かを表現できるか、そんなところに進化しているようだ。
って、技術が未熟だからこそ面白かった「うごく-ID」とも近いのかも…。まだまだ研究が足りないなあ。

G8で満喫した後に、中村至男展とスタンプラリーも行われている『仲條正義 IN & OUT, あるいは飲&嘔吐』へ。

もうこのタイトルだけで、何が出て来るやら…ドキドキワクワクハラハラするのだけれど、何が出てきても、もう仲條世界に入っていくしかないなあ、とも思うなあ、と想像していたら、やはりそうだった。

本当に圧倒されて、ブログに書こうと思いつつ写真を撮るのをほとんど忘れていたので、公式の会場写真はこちらで堪能して下さい。

1階の新作ポスター群(22点)は「MOTHER & OTHERS」がテーマになっているのだが、
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どこら辺がMotherでどこがOthersなんだろうか、とか、こっちが考える隙も与えず、勢いのあるグラフィックが目に飛び込んでくる。
仲條正義のグラフィックは言葉にするのが難しい。説明もしにくい。
写真の右端のグラフィックを見て、ライター歴24年の私の頭に浮かんだ言葉は

「ポッポー!」。

これだけ。
本当にこれではライター失格なのだが、多分バカボンのパパなら「これでいいのだ」と言ってくれると思う。
そして地階は仲條正義がエディトリアルを手掛けた『花椿』のページが平台というか斜め台というかの台にがーっと並んでいる。
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なんでファッション誌に力士なの?とか、考えても分からない。

デザイン系のライターとしてはデザインを解読したり、説明したりすることが仕事であり、また自然とそう向き合うものなのだが、仲條正義の作品に対してはもうこっちとしてはそんな努力はしない。
出てきたものを受け入れるしかない。
見て、その迫力に圧倒されてしまうので、受け入れます!という姿勢になってしまう。

ブログ読者には悪いが、仲條正義の世界感は言葉に出来ないので、とにかく期間中にgggに足を運んで、圧倒されて来て、と言いたい。

中村至男と仲條正義の展覧会に共通するのは、意外性とそれを受け入れる喜び、だろうか。
今、私は美術系の大学の先生という仕事もしているので、きれいな文字組だとか、人に理解されるための構成とか、グラフィックのお作法を一生懸命教えている立場ではある。
だが、たまにこうした「お作法」からぐっと突き抜けて「先生」の予想の付かないものを見たくなる。ルール度外視(じゃない場合もあるけど)で、ただひたすら見ていて生理的に気持ち良いもの、考えなくても頭の中で楽しくなってしまうもの、そんなものがもっと見たい。

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by dezagen | 2017-01-19 16:28 | 展覧会
アメリカのwell beingについて
ライター渡部のほうです。

1月初旬、ダッシュ(9日〜13日)でアメリカのオースティンとカリフォルニアのバークリーに行って来た。
オースティンでWhole Foods Market http://www.wholefoodsmarket.com の本社所在地に隣接する本店(?)を
バークリーでTrader Joe's http://www.traderjoes.com とUrban Ore http://urbanore.com を見る、のが目的。

スーパーマーケットチェーンのWhole Foods Marketは「EAT REAL FOOD」がキャッチフレーズ、Trader Joe'sは「普通の値段で“価値”ある商品を売る」がモットー、と、それぞれ「ちゃんとした商品」を売ることを目的としている。
健康を意識し、フェアトレードなど公正な取を重視し、地消地産など無駄のない流通を心がけ、と言った、ざっくり言うとwell being=身体、精神、社会的にも健康、健全な状態、が主軸になった商品を売っている2社、である。
(ちなみにTrader Joe'sの本社はカリフォルニアのモンロヴィアにあるが、今回はバークリーの一般的な店舗のほうを見て来た)

私が多く見ているプライベートブランド商品は、ヨーロッパ、特にイギリスとフランスのものを見ているのだが、最近急激に増えているシリーズが「free from」、つまり、シュガーフリー、グルテンフリー、脂肪分ゼロ、ナッツなどのアレルギー物質なし、など「○○抜き」で、より健康に気を使った商品群だ。
ただ、どこのブランドも「これだとfree fromだよね」という共通項が見つけづらく、まだ模索中な印象。
ならば健康商品先進国のアメリカの、これまたその業界をリードする2店ではどうだ、と、見に行った次第、なのだが、実はアメリカでも「free from」たるデザインの傾向、というのは見えてこなかった、のが結果ではある。

こちらはWhole Foods MarketのPBの一例。ヘアケア商品。写真では分かりにくいが上のほうでは黒丸に「Whole Foods Market」の白抜き文字。下は緑オレンジ紅青を上に乗せた黒い四角の中に「365 everyday value」の白抜き文字。
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デリカテッセンのカップ。食材のイラストとWhole Foods Marketのロゴ。
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Whole Foods Marketは個々のメーカーを大事にしているためなのか、PBはあまり多くはない。
そもそもそれ自体が小さめのデパートくらいの大きさで、その中に食品やデリカテッセン、イートインコーナーだけではなく、ヨガグッズやオーガニックコットンの衣料など幅広い商品群が揃う。それがオーガニックなのか、フェアトレードなのか、シュガーフリーやグルテンフリーなのか、などの商品情報は、それぞれの棚のサイン、もしくは店内の手書きのポップで見分ける。あとはパッケージの細かいところを見ていくしかないのだが、アメリカはパッケージの表示規制が厳しく、原材料などは老眼には辛いものがある。

一方のTrader Joe'sは、半分以上がPBで占められている。楽しさを前面に出したパッケージ(及び店内インテリア)で、イラストや手書きロゴが目立つ。とはいえ、こちらもシュガーフリーやグルテンフリーなどの表示はそんなに目立って表示されているわけではなかった。

PBが強いと言われるアメリカ。他のスーパーマーケットチェーンでは、お手頃価格になってますよ、という意味でのPB商品はすごく分かりやすく統一化されているのだが、もう少し踏みこんだ差別化はあまりパッケージに反映されていない、というのが実情だ。

今回、バークリーで行ったUrban Oreはスーパーマーケットではなく、中古建材屋である。
いやすごかった。
中は本当に倉庫。ゴミか家具か小物かさっぱり分からない状況。
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外にはトイレから、バスタブから、窓枠から
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ドアだけでも1000枚は軽く超えてる
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バークリーの街自体、リサイクルやエコロジー意識が高く、中心街には衣料や小物の中古屋(チャリティーショップ)、ちょっと離れたところ(とはいえ、車で10分くらい)にはこうした倉庫レベルの中古建材や中古機器屋が揃う。
こうした中古のものを見る時は、どの店でどんなものに出くわすか分からないものだ。とにかく自分の見る目だけが頼り。

中古品/リサイクルと健康食品を一緒にするのは強引だが、well beingに全部含んだとして、ひょっとするとアメリカのwell beingというのは、個人が自分で決めるものであって、チェーン店のパッケージから指示されるものではない、という前提があるのかもしれない。
例えばfree from商品のパッケージであっても、消費者1人1人がパッケージを良く見るだけでなく、店員や口コミや、あるいは実体験がベースになって、やっと選ぶもの、ということになるのではないだろうか。商品を選ぶ際にパッケージ情報に頼ることの多い者としてはかなり難関になってしまうのだが。







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by dezagen | 2017-01-18 06:03 | プロダクト・パッケージ
イギリスのスーパーマーケット、waitroseのデザイン
ライター渡部のほうです。

お正月気分ももう終わり。
新年が始まってしまった。

というのに、まだ昨年末に書こうと思っていたネタが1つ残っていた。
イギリスのスーパーマーケット、wairose(ウエイトローズ)で見たプライベートブランドの話。

イギリスに行くと、プライベートブランドが大きく展開されていて、この分野のデザインは今後日本でももっと大きく取りあげられる必要があると感じる。
その模範的な例として、waitroseは秀逸。

waitroseは他のスーパーマーケット同様、ベーシック、ミドル、プレミアムのラインに+その時々の季節ものや、企画ものなどが加わる。
ベーシックなessential waitroseはロゴと手書きの風合いの強いイラスト。
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食品の種類が違うので比べにくいけど、ミドルラインの「waitrose(そのまんまだな)」シリーズは文字のみ。極力透明パッケージを使っているのも特徴的。中身が重要ということか。
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去年の4月から導入された新しいプレミアムライン、waitrose 1。
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「1」の文字を横にずっと引き延ばしていくような色帯を使って商品名の下地にし、上に細い線画のイラストを入れている。
これがあまりプレミアムに見えない、という評価も。
実際、イラストと内容のイメージが違っているようなところもあり、むしろ写真の右側に写っているビスケットを真ん中においた写真の部分のほうが堂々としていて、それらしい。

商品の品質も、デザインも評価の高いwaitroseだが、これはちょっとどうなんだろ。
これは私の推測だけれども、プレミアムラインを購入する層が30代〜40代くらいで、オーセンティックなものより、新しさを好むところから新機軸に挑戦したのだろうか。

昨年のクリスマスシリーズはイラストを大きく使ったもの。
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企画のシリーズの1つ、シェフのHeston Blumenthalと共同開発したシリーズの1つ。中国茶のラプサンスーチョン(正山小種)フレーバーのスモークサーモン。
中国伝統衣装を着た鮭(笑)!
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同じくプレミアムラインでも、waitrose1はこんな感じ。なぜ鳩なのかよく分からないけど…。
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キッチン小物なども独自のラインを出している。ベージュ、白のナチュラルカラーとアクセントカラーに水色を起用。
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waitroseのブランドカラーは緑/黄緑なのだけれど、キッチン雑貨のアクセントカラーには若干強すぎる。企業性をゴリ押ししてないところもいい。

なんでプライベートブランド(英語ではprivate labelsということが多いけど)が今後日本で重要性を増していくか、に戻ると、
(という話はこのブログでかなり何度も書いているけど)
1)世界的に小売店(スーパーマーケット)のプライベートブランドのシェアが増えているのだが、日本はまだ遅れていること。
2)プライベートブランドのブランディングは、これまでの食品や雑貨のパッケージの作り方とは異なるため、十分にリサーチ、作り込む必要があること。

プライベートブランドに対して、メーカーから出ているものをナショナルブランドと呼ぶが、
ナショナルブランドは、例えばお菓子であれば「お菓子らしさ」、スパイスならば「スパイスらしさ」、飲み物であれば「飲み物らしさ」のシズル(写真に限らず)が求められていた。
だが、プライベートブランドの場合、1ライン作る場合、例えばwaitrose1が出た時は500アイテムから始め、800アイテムに広げる予定、と非常にアイテム数が多い。また、その中には乾物も生鮮品も飲み物も様々な種類のものが含まれる。

・幅広く展開できるパッケージのベースを作る必要があり
・かつ、ブランド感もきちんと伝え
・ブランドの中でも、上中下レベル、アレルギー物質や糖質フリーなど健康を意識したものなど、識別できる必要があり
・さらにさらに、ナショナルブランドとの違いを伝え、家で商品をストックした時に、競合(他の小売店チェーン)との違いも出せること。

この条件を見ていると、航空会社のブランディングを思い出す。
小さいものでは名刺、封筒などのステーショナリー、機内で使う紙コップから、機内インテリア、空港インテリア、大きなものでは機体まで、とものすごい幅広さ。小規模な航空会社でも何千アイテム、大手では何万アイテムというものに応用できるブランディングが必要。
また、エコノミー、ビジネス、ファースト、とクラス分けもある。

日本のプライベートブランドは、無印良品のデザインの影響力が強い。
無印良品のデザインは素晴らしい。
でもそれだけでは、どこもかしこも同じに見える。
どこで、どう個性を出し、消費者にアピールをするのか?
日本の小売店チェーンは用意が出来ているのだろうか?




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by dezagen | 2017-01-06 03:23 | プロダクト・パッケージ
print galleryの展示
編集宮後です。
2017年もよろしくお願いいたします。

年末に白金高輪のprint galleryで開催されている、イ・ギョンスによるタイポグラフィ展「迷い鳥たち:文字の練習」を見てきました。会場には、韓国ソウルを拠点に活動するデザイナー、イ・ギョンスさんの作品14点が展示されています。

イ・ギョンスさんは、弘益大学大学院でヘルムート・シュミットに タイポグラフィを学び、ハングルとアルファベットの融合、字間や余白について考える作品を制作されてきた方。今回の個展では、過去10年の仕事で、タイポグラフィ上の問題が生じた 細部を極端に拡大したポスターを展示しています。普段気にとめないような細部をあえて拡大して見せることによって、作品として成立させると同時に、見る人に問題提起をするという実験的な作品です。

こちらが展示風景。print galleryからお借りしました。
展示の詳細はこちらをご覧ください。

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print galleryは、海外のデザイナー、タイポグラファーのタイポグラフィ作品を積極的に紹介しているギャラリーです。最新のタイポグラフィ作品を直接見られる大変貴重な場所でもあります。日本で初めて紹介される作家も多く、いつも新鮮な作品が展示されているので、「どのように運営しているのだろう?」と思っていました。

ギャラリーを主催しているのは、デザイナーの阿部宏史さん。スイスのバーゼルでデザインとタイポグラフィを学び、2012年から白金1丁目(最寄り駅は白金高輪駅)のこちらの場所にギャラリーとご自身の事務所を構え、運営していらっしゃいます。ギャラリーを始めたきっかけは、ヘルムート・シュミットの「politypographien ポリティポグラフィーエン」を展示したいと考えたことから。東京でもギンザ・グラフィック・ギャラリーなどを除けばデザインやタイポグラフィ、アート作品ではない印刷物を専門に展示する場所もほとんどないことも、始めた理由の一つだそうです。

基本的には阿部さんがほぼお一人で企画から運営を担当。作家から返事がなかったり、諸般の事情で断念せざるを得なかったりすることも。海外とのやりとりは大変そうですが、メールやFAX、時には国際電話やスカイプなども使ってやりとりしているとか。

展示する作家と期間が決まったあとも、展示内容、説明文、作品の搬入搬出方法、保険、宣伝物の制作、告知など、決めなくてはならないことがたくさんあります。これらをほぼ阿部さんお一人で担当されているというから驚きです。

ギャラリーを運営していてよかったことをうかがうと、展示期間中、その作品に囲まれて過ごしていると段々とコンセプトや制作背景、作家が考えていることなどが身にしみてわかってくるような感覚があるのだそうです。あと、普段会わないような人に会えるのでこの点も良い点だとか。

現在の展示が終わったあとは、2017年3月中旬から、ヘルムート・シュミットの先生で現在92歳のクルト・ハウエルトの展示をするそうです。ほかにもいくつかの企画を進行中とのことなので、楽しみです。今後はテーマにそった企画展や日本人の作品も紹介していきたいとのこと。

年明けのオープンは、1月6日(金)から。展覧会詳細は以下になります。

「迷い鳥たち:文字の練習  イ・ギョンス」
会期:2016年12月17日(土) から 2017年1月29日(日)
         [12月30日から1月5日は冬期閉廊]
         土日祝 13:30 から 20:00
月金 15:00 から 20:00
         火水木 休み
場所:東京都港区白金1-8-6, 1F(最寄り駅は白金高輪駅)
展覧会詳細:
http://www.printgallerytokyo.com/ex-lee-kyeongsoo.html
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by dezagen | 2017-01-04 23:20 | 展覧会 | Comments(0)