ライター渡部のほうです。
突然写真から、だけれども、こちら
文具メーカー、オキナの「Project Paper」
ラフを書いたり、アイデアスケッチをしたり、普段のメモに、
と使っている読者の方も多いのでは?
実際に使ったことがない人でも、文具店ではほとんど必ずと言っていいほど見かける
定番商品だ。
「これ、誰がデザインしたの?」を聞くべく
編集宮後さんと共に、墨田区にあるオキナ本社に伺った。
まず、Project Paperが発売されたのは1982年。
当時、方眼紙ノートは出ていたが
縁のない方眼紙で、1枚1枚が剥がれるパッドタイプは業界初だったという。
薄い青の罫線で、コピーした時に罫が目立たなくなる、
上下左右に真ん中の印があり、ラインが引きやすい、など細かな工夫で
好評を博し、以後定番化したのは上記の通り。
現在はA4、5mm方眼タイプを中心としたバリエーションを揃えている。
表記などマイナーチェンジを除き
デザインは82年以来、変わっていないように思っていたが、
実は1度、Project Paperの書体を変えているのだという。
92年、それまではローマン体だった書体をUniversをベースとした
サンセリフ体に変更した。
(下の写真は82年発売当時の商品)
「書体は時代性が出やすい。
以前のロゴは少し時代に合わなくなってきたので、
見直しを図ったようです」
と、オキナ 商品開発部の深川渉氏は説明する。
確かに時代を感じさせない、普遍的なデザインである。
強いて時代性と言えば、右下の黒い三角だろうか。
80年代初頭、斜めラインや、黒地に赤など原色の組み合わせが流行った。
その影響にも見えるこの三角も、現在「定番」フォーマットに収まっている。
お題の「これ、誰がデザインしたの?」は、
「社内です」とのお答え。
過去、何度かノートや手帳の取材に行ってきた我々だけれども
文具系はやはり社内デザインが多い。
同じ紙を束ねたもの、とはいえ、書籍とは異なり
大量生産される文具は、より一般消費者にアピールする方法や
量産しやすい紙の選び方など、独自の方法がある。
なかなか外部デザイナーに任せづらい、専門職と言えるだろう。
オキナHP
www.okina.co.jp/