ライター渡部です。久々「これ誰取材」に宮後さんと行って参りました。
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とあるアーカイブ系のサイトを見ていたら、ホームランバーの初代イラストは和田誠氏、と出ていた。
ならば話を聞かないわけにはいかない、と、メイトーブランドの協同乳業に行ってきた。
ホームランバーがこの世に出たのは1960年。1955年から出ていたアイスクリームバーのリニューアルとして出たものだ。
格子模様と文字だけで構成されたこちらもきれいなパッケージだ。が、時代は50年代後半=昭和30年代。「もはや戦後ではない」高度経済成長期が始まり、オリンピックを招致、決定と日本も徐々に豊かになっていった中で、もっとインパクトのあるものが求められたことは想像できる。
このリニューアルのインスピレーションの素となったのは長嶋茂雄氏。1958年に読売ジャイアンツに入団し、ルーキーとして活躍していた時代のヒーローだった。
「長嶋茂雄」「野球」「ホームラン」の3つをキーワードに、当たりくじつき、野球の柄、ホームランという名前が決まった。当たりくじつきという目新しさや、長嶋茂雄氏を起用したキャンペーン広告もあり、ホームランバーは人気、定番商品となった。
このときリニューアル全体のデザインを手がけたのがライトパブリシテイ。在籍していた和田誠氏がイラストを担当した、という次第。
初代のパッケージは10年以上続いた。現在40代〜60代の人々にはホームランバーと言えば、和田氏の絵柄が記憶に残っているようだ。
他の資料を眺めていたら、ホームランバーと同時期の名糖ヨーグルトの瓶にも子供のキャラクターが使われているものがあった。絵柄からして和田氏が手がけたものだろう。ブランド全体で和田氏のキャラクターがあったことで、さらにホームラン坊やのイメージが定着したのではないだろうか。