編集宮後です。
そういえば、美大のシンボルマークのデザインについて、
これ誰で調べていたのが途中になっていました。
専門学校や美術予備校も含めて調べようと思い立ち、
今までご縁があった学校を中心に調べることに。
再開第一弾はこちら。桑沢デザイン研究所です。
バウハウスから学んだ桑沢洋子氏が1954年に開校、
以後約半世紀にわたり、デザイン教育を行っている専門学校です。
デザイン業界でも出身者が多いことで有名ですね。
学校のシンボルマークはこちら。
早速「これ、誰がデザインしたの?」をお聞きしてみると、
1979年の創立25周年に制定されたそうで、デザインは草刈順さん。
草刈さんは阪神百貨店や緑屋のロゴをデザインされ、
西武百貨店ロゴの文字部分のデザインも担当された著名なデザイナーで、
同校でも教鞭をとっていらっしゃいました。
桑沢デザイン研究所さんから、デザインの意図が記された
草刈さんの文章を送っていただいたので以下に引用いたします。
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KとDとSという正方形のカードを使って立方体を作る、というと何やら造形クイ
ズめいてしまうが、桑沢のシンボルマーク制作を依頼されたとき、初めにピンと
きたのがこのことだった。というのは、K(桑沢)とD(デザイン)とS(スクール)
は単なるイニシャルではなく、もっと本質的な意味をそれぞれがもち、しかも、
それがガッチリと有機的なつながりをもった一個のCUBEである、という感じがし
たからである。いろいろな組合せを試してみたが、結局、図のようなオーソドッ
クスなものを平面に投影し、マークとしてビジュアライズした。
なお、スクールカラーとしてブルーを決め、KDSのDの部分が色面になり、補助
カラーとしては白とグレイがあり、この3色を基本として色彩展開することにな
っている。
また、英字の書体は、70年代においてもっとも完成度の高いタイプ・フェイス
Helvetica体を使用、マークと一体となってシンボル化してゆきたいと思ってい
る。日本字の書体は、太ゴシックの長体を英字書体にあわせてデザインしたもの。
(草刈 順・グラフィックデザイナー)
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学校のロゴの場合は、卒業生や先生など、
縁のある方がデザインする場合が多いのでしょうか?
このあと何校か調べてみたいと思います。続く。