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チョコレート考9
ライター渡部のほうです。

まだまだ続く、チョコレートへの旅。

フランソワ・プラリュ
www.chocolats-pralus.com/jp

チョコレート考9_b0141474_1363922.jpg


のピラミッド・ビオ(左)とミニ・ピラミッド(右)。
もともと原産地の違うカカオ豆10種のチョコレート10種を束にしたピラミッドというセットがあり、そのミニ版。
(パプア、インドネシア、サオ・トメ、トリニダッド、ヴェネズエラ、タンザニア、ガーナ、マダガスカル、コロンビア、エクアドル)
ビオのほうはオーガニックで5種が2枚ずつで合計10枚。
(ガーナ、エクアドル、ドミニカ共和国、タンザニア、マダガスカル)
どちらも10枚で約50g、1300円(税抜き)。フランスでは5ユーロ(現状約500円ほど…ユーロ安だなあ)。
紐で縛られたビニールの包みをほどくと、小さい1枚1枚のチョコレートは、金色の紙に包まれ、国毎に違う帯で巻いてある。

産地が違うカカオ豆のチョコレートが揃うという意味では、日本にも100%Chocolate Cafeがある。
www.meiji.co.jp/sweets/choco-cafe

チョコレート考9_b0141474_20301278.jpg


写真はバレンタイン限定のサブレート(チョコレートがしっかりしみ込んだサブレ)を手前に撮ってしまったが、奥は56種類の中から選べるシリーズのもの。
56種のチョコレートの中に国・地域別のものは22種類。
こちらはそれぞれ14gで1枚200円と300円のものあり。
それぞれに色の違う箱の中に、チョコレートがプラスチック包装で入っている。

味も製法も違うけれど、コンセプトは似ている。
あくまで現地値段で考えると、100%Chocolate Cafeの56種シリーズのほうが高い。
今は異常な円高なので、それを考慮すると、大体同じ値段くらいのもの、と考えることもできる。
もちろんチョコレートを消費する量も文化も違うので、単純な比較はできるものではないが、仮に同じ価値で似たコンセプトのチョコレート、と考えてみる。

100%Chocolate Cafeのデザインはグルービジョンズ。
www.groovisions.com/works/100chocolatecafe
(サブレートは未確認)

ブランドの統一感があり完成度の高いデザインだと思う。
だがどっちがギフトっぽいか、どっちが高そうに見える?と言われれば、私はフランソワ・プラリュに軍配を上げたい。

理由は、量産感と手が掛かってる感の違い。
100%Chocolate Cafeのチョコレートは、個包装で箱装と贅沢なのだが、一般的なチョコレート菓子に使われる箱と同じ紙や印刷で、なんとなく、工場から生まれてきたな、という感じがする。
簡単に言えば、特別感は薄い。

フランソワ・プラリュも工場ではあるが小規模で、最後のラッピングに紐結びをしているのも、手が掛かっていると感じさせる。紐で結わえるために、透明フィルムがそれぞれ個々に違う形になるのも、このセットはこれしかない、という特別感に繋がっているのではないか。

100%Chocolate Cafeはいつでも、どれもが同じ品質で同じもの、というのはメーカーからすれば当たり前のサービスではあるのだが、ギフトとなるとちょっと弱い感じがする。
バレンタイン限定のサブレートは2枚で600円、と決して安くはない。ベビーブルー×銀の箔押しとベビーピンク×金の箔押しの組み合わせもバランスがよいと思う。(ちなみに味も濃厚でおいしい)
でもやはり「整いすぎている」感じがする。

デンマーク発のスイーツ専門店、デザートサーカス www.dessertcirkus.jp や、スペイン発のカカオサンパカ www.cacaosampaka.jp にも、同じような感覚を覚えている。

ついでに書いてしまうと、100%Chocolate Cafeが生まれた2004年から早8年が経ち、日本のチョコレートを取り巻く環境が変わったこともあるだろう。
フランス始めヨーロッパから老舗や世界的に有名なショコラティエ、パティシエがお店を続々と出し、特別オーラをそっちに持って行かれている。

日本の中では希少な、普通のチョコレートよりちょっと上、の「中間層チョコレート」なので、100%Chocolate Cafeには頑張ってもらいたいのだが。
by dezagen | 2012-02-01 21:13 | プロダクト・パッケージ