編集宮後です。
ロンドンオリンピックには目もくれず
素敵本を追いかけている日々です。
このところ、ずっと世界の本を紹介していたので、
海外出版社についていろいろ調べておりました。
デザイン書はビジュアル中心の本が多く、
海外にも素敵な本がたくさんあります。
個人的にも大好きな本をつくっている
世界の素敵出版社をご紹介しましょう。
Gestalten
http://www.gestalten.com/
1995年にベルリンで設立された出版社。
デザイン、アート、建築、写真などのビジュアルブックを刊行し、
100か国以上で販売されています。
タイポグラフィブックフェアで紹介された
ノキアのコーポレートフォントの本もここから出ています。
Verlag Hermann Schmidt Mainz
http://www.typografie.de/
1992年設立。ドイツのマインツにある出版社。
タイポの日めくりカレンダーTypodariumなどの
タイポグッズもつくっています。
タイポグラフィ関連の本も多く、要注目です。
Chronicle books
http://www.chroniclebooks.com/
アメリカ、サンフランシスコにある有名出版社。
アートやデザインのほか、児童書や実用書も出してます。
最近、日本でも翻訳されベストセラーになった
ダースベーダーとルークの絵本もここが版元。
書籍のほか、ギフトカードやノートなどの
紙文具もつくっています。
penguin Books
http://www.penguin.co.uk/static/cs/uk/0/penguin_collection/index.html
イギリスの出版社。
ペンギンマークにオレンジとクリーム色の表紙はあまりに有名。
日本でもペンギンブックスの本が出てますね。
ペンギンマークをつけたキーホルダー、ノート、カードなどの
関連雑貨も販売されています。
長年培われた強力なブランドがあるからこそできる展開ですな。
欧米の老舗出版社から相次いで紙もの文具製品が出てるのは
決して偶然ではなく、その背後には日本より深刻な出版不況があるといわれています。
紙の本が売れないなら、紙で別のもの(文具や雑貨など)をつくるという発想です。
取次を中心とした日本の流通形態だと難しいかもしれませんが、
今後、流通形態の規制が緩和されれば、あながち無理とは言い切れません。
Viction Workshop Ltd
http://www.victionary.com/
2001年創設。Victor Cheungが設立した香港の出版社。
Viction:aryはブランド名。デザインオフィスと出版社を運営してます。
フォントの使用例を集めたI love Typographyのシリーズなど、
ハイセンスな装丁で注目される版元です。
デザインオフィスで出版もしているところというと
スイスのラーズミューラーパブリッシングが有名ですが、
やはりそういう会社は装丁が素敵だったり、
素敵オーラをビシビシ放っています。
編集者としてはこうした素敵本に憧れるけど、
出版経営としてビジネスと両立できるのかも興味あるところ。
Victionのように素敵本でブランドをつくり、
デザインの仕事もするのがよさそうですが、
日本の出版社ではそういう会社はあまりないみたいです。
どちらかというとデザイン事務所で本も出している会社に
期待したいところ。これからはデザイン事務所や製造業の企業などが
自社ブランドをつくる出版部門を持つことが増えそうな気がします。
出版社以外の企業が本をつくる流れが加速する、という話は
他の方々もおっしゃっていることで、今までにもまして
編集者にはメディアプランの考案能力と
ビジュアルコントロール能力が問われるのではないかと思います。
そのあたり、海外のビジュアルブックの出版社は上手だなと思うので、
ぜひ参考にしたいところです。