編集宮後です。
活版印刷の次は最先端のデジタルファブリケーションの話題です。
今年の頭からデジタルファブリケーション(Fab)の本をつくってました。
デジタルファブリケーションとはごく簡単にざっくり言ってしまうと、
3Dプリンターやレーザーカッターなどの加工機を使って
データから立体物を製造することです。
もともとはアメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)の
ニール・ガーシェンフェルド教授の授業「ほぼ、なんでもつくる方法」が発端。
そこからデジタル工作機器でいろいろなものづくりをする市民工房
「ファブラボ」が世界各地に誕生し、現在その動きが急速に広がっています。
毎年、世界各地のFab関係者が集まる世界大会が行われているのですが、
今年は日本が初めて開催国となり、8月下旬に世界ファブラボ会議が
横浜で開催されました。会期中、26日にKAAT 神奈川芸術劇場 ホールで
開催されたシンポジウムがあり、そのときの写真がこちらです。
ファブラボ関係者の方々と書籍をつくっていたので、
当日はその本の販売員兼取材要員として参加してきました。
会場はこんな感じ。500人以上は入っているんじゃないかな。
13時から18時まで10組の講演とパネルディスカッション、
Fabアカデミー卒業式、Fab関連映画の上映とかなり充実した内容。
こちらに当日のプログラムがアップされてます。
http://www.fab9jp.com/expo/
最後に上映された映画「Making, Living, Sharing」は
ノルウェーのデザイナー、イェンス・ディヴィクさんが
2年間にわたり世界のファブラボを訪ねて撮影した映画。
http://www.fab9jp.com/expo/
に予告編がアップされています。
イェンスさんがレーザー加工機で木材を切って
1つ1つ形の違う椅子をつくったり、飛行物体をつくったりしてて
プロダクトデザイナーが見たらかなり楽しめるかも。
映画上映後は会場から拍手がわき起こり、興奮のうちに会議は終了。
デジタル工作機器で何ができるか、それによって世界がどう変わるのか、
世界のFab担当者が実状を報告しながら語るので、
いま世界で何が起きているのかかなり具体的に把握できました。
全部見終わってなんとなく感じたのは、
インターネットが登場したころの何かがおこりそうなわくわく感、
フラットにオープンにグローバルにつながっていく感覚に近いような気がしました。
この感覚、前にもあったなと。
会場にデザイン関係者は少なめだったのがやや残念なところ。
いまはまだ理工系の関係者が多いけれど、芸術系の関係者がさらに加われば
もっとおもしろくなりそうな気がします。