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取材先の決め方
今日は、以前この本のトークショウをしたときにいただいた質問「取材先はどうやって決めるのですか? すんなりOKがでないときはどうするのですか?」について、お答えしたいと思います。雑誌連載していたときの話をしますね。

まず、取材先の決め方ですが、毎回「次のこれ誰取材、どうします〜?」という感じで、渡部さんと私で取材したいものの候補をいくつか挙げていきます。お互いが「これ、おもしろそう! 取材したい!」と思ったものから順に優先順位を付けまして、誰がデザインしたのか調べていくんです。

「Pasco」のロゴのように、すでに誰がデザインしたのか分かっていて、その背景をもう少し詳しく企業の方へ取材したい場合、反対に企業に聞かないと誰がデザインしたのか?まったく分からない場合など、いろいろな場合がありました。実際は、誰がデザインしたのか?分からずに、渡部さんと私で分担して企業にアタックしていたケースが多かったですね。

お察しのとおり、取材ができない場合も多々ありました。取材できない主な理由としては、1、いつ誰がデザインしたのか?企業内にも資料が残っていなくて分からない。2、取材に応じたところで企業側にあまりメリットがないと思われ、やんわりと断られる。3、誰がデザインしたのか?公開したくない。などなど。

1は、どうしようもないので、おとなしくあきらめます。今までの事例でいくと、ポリバケツや運転免許証などがそうでした。調べていただいたのですが、当時の資料がないので答えられないとのことでした。

2の場合も残念ですが、それも一つの企業姿勢ですから、まあ仕方ないかと。最近はデザインの認知度が上がってきたので、こういうパターンは減りましたが、連載を始めた2000年当初はまだデザイン携帯もなかった頃ですから、無理もありません。

問題は3です。誰がデザインしたのか?こちらの調べはついてるんですが、企業側が公表をOKしない場合です。非公開の理由を聞いてみると「デザイナー名が出ると、競合他社がそのデザイナーにデザインを頼むかもしれないので」「そのデザイナーの作品というより、自社のコンセプトでデザインしたものだから(個人名を出す必要はない)」など、なんだか悲しくなるお答えが。もっと胸を張って、「この人にデザインしてもらいました!」って言いましょうよ!

一通りねばってみた後、どうしてもダメなら、次候補の取材交渉へと切り替えます。こうして次々と取材交渉をしていくと、交渉の過程自体がなんだか宝探しみたいで、意外なデザイナーの名前に遭遇したあかつきには宝を探し当てたような気分になります。このワクワク感、誌面で伝わっていたでしょうか?
by dezagen | 2008-07-31 19:01 | Comments(0)