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デザインの現場6月号発売
『デザインの現場』6月号が発売されました。
特集は「文字のつくりかた」。

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http://www.bijutsu.co.jp/dezagen/

これ誰の兄弟サイト「タイプディレクターの眼」小林さん、
字游工房の鳥海さんによる「文字のつくりかた」講座は必見。
やはりこのお二人はすごいです。
記事について書かれている小林さんのブログもぜひ。
http://blog.excite.co.jp/t-director/10317357/

# by dezagen | 2009-05-27 18:07 | Comments(0)
コアラの記号
 やあ、読者のみんな、元気かな?今夜も君達のためにゴキゲンなネタを用意したよ、
……などと80年代DJ風な喋りが頭を回る、夜中のライター、渡部千春です。

 昨年7月「これ、誰がデザインしたの?」で「模倣」でMONO消しゴム、「応用」で、ポッキーに似た製品をいくつか紹介した。

今年4月に台北、5月に香港に行ってきたので、もう少し「応用」の例を探してみることにした。

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↑台北にて。ポッキー類は相変わらず人気。

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↑ポッキーに並んで人気が高い日本のお菓子が、コアラのマーチ。日本製。

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↑同じ棚の並び。「小熊餅」。
コアラは中国語で「樹熊」。同じ熊だからといえば熊かもしれない。

で、いくつか買って帰って来てみたのだが、

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↑台湾向けマレーシア産「小熊餅」
中の小袋の絵が違うが、コアラは変わらない。

ちなみに小袋に描かれている「Ego」ブランドはシンガポールに拠点を置き、マレーシアに工場を持っている会社。現地及び近隣諸国では「Golden Bear」の名前で製品を出しているらしい。

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↑香港向け中国産 「BB熊の朱古力夾心餅」
下に日本語で「BBコアラのチョコお菓子」とある。
BBは赤ちゃん、朱古力はチョコレート、夾心餅はサンドイッチビスケットの意味。
このブランド、EDO Packは香港、台湾でよく見るのだが、公式HPを持っていないようだ。残念。

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↑台湾向けマレーシア産「熊熊の森」

やや、異なるアプローチが見られるのは

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↑台湾向けインドネシア産「森の国チョコレート」
昨今のアニメ風な半ばリアルな絵柄になっている。ちなみにビスケットに印刷された絵は全く違うトーンの絵だった。

コアラ=樹熊、熊、とくれば、熊猫=パンダも。

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↑台湾向けマレーシア産「PANDA熊猫餅」

パンダが登場したのは、こちらからの影響もあるのかもしれない。

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↑シンガポール製明治製菓の「Hello Panda」
よく見たら下のほうの日本語は「ハローパソダ」だった。
日本人観光客のための、エキゾチックな風味を増す、サービスだろうか。

こうした商品を、例えばルイ・ヴィトンなどブランド品と同じような類似品と呼ぶには抵抗がある。これらは店内でコアラのマーチと同じ棚に並び、そして明らかに違うからである。

思えば、六角形で緑色という鉛筆の特徴、醤油の赤い蓋、チョコレートの茶色地など、別々の会社から出ているものでも、デザインがどこか記号化してしまうものがある。
これらの商品のパッケージで記号的な要素としては
・熊類(コアラが木の右側にしがみついている)
・森のような背景
・六角形の箱
が挙げられる。

記号化すればするほど、その大元であるコアラのマーチの人気は確固たるものになるとも言えるだろう。

全く異なるアプローチだが、チョコレートフィリング入りビスケットという類で同列に売られていたこれらには、判断が付きかねた。
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全く別モノなのだろうが、日本語が…。
# by dezagen | 2009-05-27 03:03
ADC審査会
編集部の宮後です。
今日は、先週行われたADC審査会のお話を。

ADCというのは、「東京アートディレクターズクラブ」の略称で、
日本を代表するアートディレクター約80名で構成されるクラブです。
誰でもなれるわけではなくて、ADC賞を受賞したことがあり、
ADC会員によって選出されて初めて、
晴れてADC会員になれるという名誉ある会なのです。

ポスター、新聞・雑誌広告、テレビCMなど1万件近くの作品が応募され、
その中から『ADC年鑑』に掲載される
約1000件の作品を選ぶのがこの審査会。

体育館のような会場一面にポスター、
ロゴなどのジャンル別に作品が並べられ、審査が行われます。
比較的小さなものは机上で、ポスターなどの大きなものは床上に。
奥に見える窓のところまで作品で埋まっております。

こうして、丸3日間、朝9時半から夕方6時頃まで
みっちりと会員による審査が行われ、
最後にグランプリ、ADC賞が選出されます。

(ここで詳しくリポートできるといいのですが、
諸事情で詳しく書けず。てなわけで会場写真もナシ!)

さて、今年の受賞作は? 
詳しくは、7月27日発売の
『デザインの現場』8月号をご覧ください!

# by dezagen | 2009-05-24 22:50
サクラクレパス
 こんにちは。また渡部千春です。前回のクーピーに続いて、サクラクレパスの他の商品についても若干。

 まずは「クレパス太巻」

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 1969年にデザインリニューアルされ現在まで続くこちらのデザインもクーピーを担当した吉田幸一さんの手によるもの。犬やバラ、フラミンゴなどの絵は故沢村徹氏が手がけ、吉田さんが構成。
「私のデザインに対する姿勢はあくまでシンプルでクリア。そして時代の波に押し流されないようなデザインを指向したいと思っています」と吉田さん。全然押し流されていません。

 ちなみにリニューアル前のパッケージ(1959年から69年)はこんな感じ。

サクラクレパス_b0141474_1139147.jpg


 デザイナーは大橋正氏。50年代からキッコーマンのADをつとめ、キッコちゃんを生み出したり、食材イラストを使ったシリーズを出した人、として知っている人もいるだろうし、戦後のグラフィック会を牽引したスターが揃った「グラフィック55」展の参加者として知っている人もいるだろうし、あるいは猫や子供の絵がかわいらしい明治製菓のポスターで覚えている人も多いだろう。

 大橋氏のデザインで今も使われているのが「クレヨン太巻」

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 1959年から変わらず、今年で半世紀。言われてみると、「あ、大橋正」と分かるあたりが大橋マジック。

サクラクレパス www.craypas.com
# by dezagen | 2009-05-24 11:41
クーピー
 読者の皆さんこんにちは、渡部千春です。

「クーピーってデザインが変わってませんけど、誰がデザインしたんでしょうね」という、宮後さんの疑問から、今回はサクラクレパスの「クーピーペンシル」について調べてみた。

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発売は1973年。以後、40年近く、本当に変わってないのでびっくりする。

 クーピーというと……、という書き始めで考えてしまったが、正式な商品名は「クーピーペンシル」であるにも関わらず、大体の人には「クーピー」で通じる。よく見たらパッケージ自体「クーピー」だけ白抜き文字になっていた。
 クレヨンでもなく、クレパスという名前ですらうろ覚えな小学生(私)が全く新しい名前を覚えられたのも、重要なところをマークしてくれていたからだった、と今更気が付く。デザイナーさん、ありがとう。
 そのデザイナーさんはというと、当時※沢村徹デザイン研究所(現沢村デザイン研究所)に在籍していた※※吉田幸一さん。現在は大阪芸術大学のキャラクター造形学科の教授を務めている。

 クーピーのパッケージの大きな特徴といえば、幾何学模様だけのグラフィック。クレヨン然り、絵の具しかり、多くの児童向け画材は具象的な絵柄がほとんど、その中ではかなり斬新なアイデア。商品開発の時点から参加していた吉田さんによれば、当時パンダ人気沸騰中だったことから、パンダの絵をあしらったパッケージの提案もあったそうだ。
「具体的な何かを表現して子供達の思考を停止させるのではなく、もっと自由な想像力が働くようなデザインを目指したのです。四角、丸、三角といった抽象的な形態が色彩で満たされ、抽象的ではあるものの商品の形状が表現されています」

 70年代小学生であった私にしてみるとクーピーは新しさの象徴でもあった。パッケージも子供の目には変わっているし、全部が芯なのに手に色が付かず、消しゴムで消すことができる。親には怒られたが、鉛筆削りで削った時にくるくると出てくる色のリボンが楽しかった。
 吉田さんにとって「クーピーのデザインはターニングポイントの一つだった」そうだが、ユーザーの子供(私だけじゃないと思うが)にとっても、新しい道具を手にいれたターニングポイントだった。


※沢村徹 大阪をベースに活動。大阪市営地下鉄、旧三和銀行などのロゴマークを手がけた。大阪デザイン団体連合の会長も務めた。

※※吉田幸一 1939年生まれ。62年武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)デザイン科卒。64年沢村徹デザイン研究所入社。74年株式会社沢村徹デザイン研究所取締役就任。現在、大阪芸術大学キャラクター造形学科教授。サクラクレパスの他、味覚糖やバンダイのデザイン、梅田地下街サイン計画などを手がける。

クーピーペンシルについての詳細は、サクラクレパスのサイトでどうぞ
http://www.craypas.com/products/pickup/coupy.php
# by dezagen | 2009-05-22 21:57