やあ、読者のみんな、元気かな?今夜も君達のためにゴキゲンなネタを用意したよ、
……などと80年代DJ風な喋りが頭を回る、夜中のライター、渡部千春です。
昨年7月「これ、誰がデザインしたの?」で
「模倣」でMONO消しゴム、
「応用」で、ポッキーに似た製品をいくつか紹介した。
今年4月に台北、5月に香港に行ってきたので、もう少し「応用」の例を探してみることにした。
↑台北にて。ポッキー類は相変わらず人気。
↑ポッキーに並んで人気が高い日本のお菓子が、コアラのマーチ。日本製。
↑同じ棚の並び。「小熊餅」。
コアラは中国語で「樹熊」。同じ熊だからといえば熊かもしれない。
で、いくつか買って帰って来てみたのだが、
↑台湾向けマレーシア産「小熊餅」
中の小袋の絵が違うが、コアラは変わらない。
ちなみに小袋に描かれている
「Ego」ブランドはシンガポールに拠点を置き、マレーシアに工場を持っている会社。現地及び近隣諸国では「Golden Bear」の名前で製品を出しているらしい。
↑香港向け中国産 「BB熊の朱古力夾心餅」
下に日本語で「BBコアラのチョコお菓子」とある。
BBは赤ちゃん、朱古力はチョコレート、夾心餅はサンドイッチビスケットの意味。
このブランド、EDO Packは香港、台湾でよく見るのだが、公式HPを持っていないようだ。残念。
↑台湾向けマレーシア産「熊熊の森」
やや、異なるアプローチが見られるのは
↑台湾向けインドネシア産「森の国チョコレート」
昨今のアニメ風な半ばリアルな絵柄になっている。ちなみにビスケットに印刷された絵は全く違うトーンの絵だった。
コアラ=樹熊、熊、とくれば、熊猫=パンダも。
↑台湾向けマレーシア産「PANDA熊猫餅」
パンダが登場したのは、こちらからの影響もあるのかもしれない。
↓
↑シンガポール製明治製菓の「Hello Panda」
よく見たら下のほうの日本語は「ハローパソダ」だった。
日本人観光客のための、エキゾチックな風味を増す、サービスだろうか。
こうした商品を、例えばルイ・ヴィトンなどブランド品と同じような類似品と呼ぶには抵抗がある。これらは店内でコアラのマーチと同じ棚に並び、そして明らかに違うからである。
思えば、六角形で緑色という鉛筆の特徴、醤油の赤い蓋、チョコレートの茶色地など、別々の会社から出ているものでも、デザインがどこか記号化してしまうものがある。
これらの商品のパッケージで記号的な要素としては
・熊類(コアラが木の右側にしがみついている)
・森のような背景
・六角形の箱
が挙げられる。
記号化すればするほど、その大元であるコアラのマーチの人気は確固たるものになるとも言えるだろう。
全く異なるアプローチだが、チョコレートフィリング入りビスケットという類で同列に売られていたこれらには、判断が付きかねた。
全く別モノなのだろうが、日本語が…。