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2017年 ロンドンデザインフェスティバル designjunction
ライター渡部のほうです。

ロンドンデザインフェスティバルのメイン会場の一つである、design junction
再開発の進むKings' Cross駅近くのエリア、美大のセントラル・セントマーチンズ校舎を含む3会場+屋外を使った大規模な展示。

行った日があいにくの雨模様で、かつ、まだ開発中ということもあって行き方がよく分からない、と思ったら、サインが秀逸。
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蛍光+矢印型。小さくても遠くからでも目立つ!

見た感想を先に書いてしまうと、ハイエンド向けでちょっと商業的すぎたかな、というのが正直なところ。すでに知名度のあるブランドやデザイナーの展示がほとんどで、新しいものを見るというよりは、プロ向け見本市の各メーカーの仮設ショールームが一堂に集まった感じ。
メインのスポンサーが、車のルノー、時計のラドー、国のバックグラウンドのつくトルコセラミック、と、これだけ見てもお金持ちっぽいのは伺えるところ。ハイエンドのマーケットが革新的でないということではないのだけれど。

気になったものをいくつか。

Seeds
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写真右の卵型のブースが商品。
卵型のブースがあっても使いにくそう、と、思ったものの、入ってみるとかなり居心地がいい。
1人でいてもなんとなく安心感がある。天井部分が空いているので閉塞感はなかった。2人で話をする(メーカーの人にはこのブースの中で話を聞いたので)のも、外からの雑音を適度に遮断し、適度に距離を保ちながら会話が出来る。
最大5〜6人は余裕で入れるサイズ。パーティーやビジネスシーン、公共の場など、多目的な用途を想定しているとのことで、私が個人的にこれいいいなと思った理由は大学での学生との相談時に使えるな、と思ったため。
周囲に人がいると話しにくい学生もいるし、かといって閉鎖空間も辛い。そんな時に便利だな、と。本当に個人的な理由だけど。
ガラス繊維強化プラスチック/ポリエステル製で、軽くて強い。また15個ほどのパーツを特別な道具なく組み立て、解体することができる。

デンマークのセラミックメーカー KAHLER(Aの上に‥のウムラウト)
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キャンドルの上から被せる陶器。 Urbania建築物の形になっているのが楽しい。
デザイナーは女性2人のデザインチーム、BECKER & BACHE。

2LG studioのシルクスクリーン+カフェ提案。
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インテリアデザイン事務所の2LGが発案するカフェは、2LGの壁紙風のパターンが載ったシルクスクリーンを体験し、乾くのを待つ間にコーヒーを楽しみましょう、できた紙はラッピングペーパーやポスターにお使い下さい、というもの。
美術系の大学にいるとシルクスクリーンは馴染みがあるが、一般的にシルクスクリーンを手軽にできるところはかなり数が限られているのだな、というのを実感した次第。
ただ正直言ってあまり現実的でないような気も。初心者の場合、それなりに服も手も汚れるし、シルクをやるならやるで準備しておいたほうがいい。コーヒーブレイクがあるのはいいと思うので、どうせなら(うちの)大学の工房にカフェを入れて下さい。

本当は筆頭に入れるべき、会場入口前の広場を使ったターキッシュセラミックの門。セラミック作家のAdam Nathaniel Furmanの作。
こちらはオフィシャル写真。
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入る時は雨だったので、うまく写真が撮れず。帰りに見たら空がすごい色になっていて、そのシルエットがきれいに見えた。
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そういう風に楽しむ作品じゃないんだろうけど。


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# by dezagen | 2017-09-23 07:38 | イベント
2017年ロンドンデザインフェスティバル Design Frontiers
ライター渡部のほうです。

本日は、Design Frontiers というイベントに。
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14件ほどの小さな展示とはいえ、プロダクトデザインの実力者が揃った展示なので期待して行ってみると、良かった…、全く期待を裏切らない、いい展示だった。

最初に見たデンマークのテキスタイルメーカー、Kvadrat https://kvadrat.dk がいきなりこの猛獣。
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かなり振り切ってる。(ごめんなさい、こちらの作品の作者が分からず)

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かと思うとこんなかわいげな作品もあったりして、ただ布を見せるだけではない工夫が。こちらはChristien Meindertsmaの作。

スワロフスキーはトード・ボーンチェの作品を。
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トード・ボーンチェはミニチュアのような、細かい切り絵のような、細かさ、が一つの特徴でもあったが、近年はそうした傾向だけでなく素材の魅力をボーンチェ独自の解釈で切り拓く作品が増えている。
この照明は有機的な形に作ったクリスタルから、液体のような光の現れ方をするのが面白い。

nolii
またたくまにイギリスきってのスーパースターデザイナーになった、ベンジャミン・フバートの新作は、PC、モバイル周辺アクセサリーの提案。
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こちら↑は会場写真がうまく撮れなかったので、オフィシャル写真から。

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どれがどれだか分からなくなっているバッテリーやアダプタ類をスマートに収納したり、絡みやすいケーブル類をファブリックとグリップ感のある樹脂でまとめたやすくしたり。
こうした工夫は他のブランド、メーカーでも見ることが出来るけれど、見た目にもまとまりのあるシリーズとして出している。

Jijibaba
日本にも来月、Dover Street Market 銀座にラウンチ予定のファッションブランド「Jijibaba」(ジジババかあ…)。
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デザイナーはジャスパー・モリソンとハイメ・ハヨン。全然タイプの違うプロダクトデザイナー2人で共作?と思ったら、ジャスパー・モリソンラインとハイメ・ハヨンラインの二種で分かれていた。
ジャスパー・モリソンはスタンダード好きを反映し、ハイメ・ハヨンは家具やプロダクトなどにも使う曲線やちょっとしたアクセントを盛り込む、と、それぞれのプロダクトスタイルが洋服にも活かされている。
38種のアイテムはファッションのシーズン毎の新作を出していくスタイルではなく、継続的に売られるものになっているとのこと。

最後に見て、正に「frontier!」と思ったのが
Sebastian Cox とNinela Ivanovaのプロジェクト。
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一見、陶器かな?と思うようなランプシェード。これは木材チップに菌を培養し、菌糸の繋がりによって成型していく、というもの。作るのに大体1ヶ月くらい掛かるそう。
まだかなりプロトタイプ状態で、形もガタガタしているが、いずれもっと樹脂のようなきっちりした成型を目指す、という。


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# by dezagen | 2017-09-23 00:09 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル mt × Foyles
ライター渡部のほうです。

LDFでmtのエキシビションがあると知って、あわわ、とダッシュ。
会場はロンドン老舗の書店Foyles。

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ショーウィンドウと、店内1階の真ん中のスペースに水色、灰色、白のmtを使ったインスタレーションが展開されている。
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この写真の左側のスロープには、mtのテープ、そのままを重ねたものが並んでいる。
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様々な書籍カバーの色彩が入り交じる店内で、色を3色に絞り、穏やかな雰囲気にまとめているのは効果的だ。上の写真のように人々がくつろいでいるのも、この色柄の効果だと思う。

ショップのレジ前、雑貨コーナーにも特設のmtスペースが出来ていた。
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youtubeにこのインスタレーションの設置の様子がアップされているので、是非こちらも。



以下余談

90年代半ばにロンドンにいた私からすると、Foylesは今で言うとamazonがリアル書店になったような場所。あらゆる本が揃っていて、特に教科書系は確実にある。美術にしろ言語にしろ各セクションの書店員さんは正に生き字引で、書籍買うより店員さんの話を聞いているほうがよほど勉強になりそうな感じだった。本の並べ方も雑多で、本のありかは店員のみぞ知るという状況。まだコンピューター管理されていない時代のお話。


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# by dezagen | 2017-09-22 07:42 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル V&A
流浪の大学教員、たまにライター、渡部千春のほうです。

ロンドンデザインフェスティバル(以下LDF)、http://www.londondesignfestival.com HPを見てもその規模がよく分かってなかったのだが、ハブ地であるヴィクトリア&アルバートミュージアム(以下V&A)でパンフレットをもらって、規模の大きさに困惑中。
だって、パンフレットは280ページの分厚さ、インデックスに出ている展示数は合計273件。
えー!?
パンフレットの始めに地図があるのだが、見出しが「WHERE TO START」。赤字で示されたメインの場所だけでも10カ所ある。正に「どっから始めるの?」だ。

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というわけで、LDFをカバーすることなど到底できないので、LDFのレポートはあくまで表面を撫でた感じであることを最初にお伝えしておきます。
ごめんなさい。

さておき。
まずはV&Aから。https://www.vam.ac.uk

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今回のLDFのテーマはネオン、だそう。ロンドンの都会ならではの美しさを表しているとのこと。
展示のグラフィックを手掛けているのはペンタゴン。シンボル的なこちらのネオンは、ドメニク・リッパ作。

博物館の中での企画展示や単体の展示物が27件。単体の展示物は博物館の通常展示の中に紛れていて、探しながら歩いて行くと博物館全体も見れる、というのがV&A恒例の方式。V&Aの建物自体が複雑な作りなので、宝探しゲームみたいで楽しい。

私が面白いと思ったのはこちら。
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Lubna Chowdharyの1000個に及ぶ陶作品群 Metropolis。
展示会場は博物館の伝統的な陶芸のコーナーだ。その中に、手のひらサイズで作られた、家電やギターやパソコンなどなど、現代の生活用品が並ぶ。これらも100年経つと「古典的」と捉えられるのだろう。
会場ではChowdharyさん、本人が作品の説明をしていた。過去20年余りに亘って作られたもので、自分ではあまり意識していないが、その時々の彼女の生活に意味を持つものが作られている、と母親が気付いた、とか。

こちらはFlynn TalbotのReflection Room。
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説明なしでも圧倒的な力強さ。

V&Aでは他にプライウッドの展覧会やピンクフロイド展などを開催中。



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# by dezagen | 2017-09-22 06:42 | イベント
Can Graphic Design Save Your Life? 展覧会
ライター渡部のほうです。

現在、ロンドン滞在中。
まずは気になっていた展覧会『Can Graphic Design Save Your Life?』へ。https://wellcomecollection.org/graphicdesign

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文字通り、グラフィックデザインは命を救う事が出来るのだろうか?をテーマにしたもの。


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  1. Provocation (挑発)のコーナーよりマラリヤを媒介する蚊が髑髏の顔になっているポスター。1941年 © Estate of Abram Games

展示は6つのコーナーに分かれている。
1)Persuasion(説得) 
 煙草を例に、いかに喫煙が健康を損ねるか、アニメーションやパッケージ、切手、ポスターなど(JTのマナー広告含む)。
2)Education (教育)
 人体の仕組みの説明、病気の説明など、書籍やアプリなどを紹介。いわゆる「保健体育」的な教育ではなく、知識の伝達方法。
3)Hospitalisation(入院治療)
 病院でのサイン計画(原研哉氏が手掛けた梅田病院含む)、タイポグラフィー、北米で使われている患者とのコミュニケーションを促すピクトグラムを使ったコミュカード、ディック・ブルーナの絵本など。
4)Medication (薬)
 薬のパッケージデザインや、製薬メーカーの機関誌など。
5)Contagion (伝染病)
 マラリア、AIDS/HIV、エボラ熱、ジカ熱まで、正しい知識を促すポスター、パンフレット類。
6)Provocation (挑発)
 がんや心臓病、摂食障害、アルツハイマーについての正しい知識を促すキャンペーン、自殺防止のホットラインなどのポスター、パンフレット、Tシャツグラフィックなど。

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Hospitalisation(入院治療)のセクションより。Illustration Dick Bruna © copyright Mercis bv, 1986

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Persuasion(説得)のコーナーより禁煙を促す切手類。various countries around the world

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Persuasion(説得)のコーナーより。Biman Mullick, Cleanair


 面白いのは、この展示会場のWellcome Collectionという施設は、デザイン専門の会場ではなく、医療や健康をテーマにした文化総合施設であること。展示も入場無料なので誰でもが入れる。
 企画は GraphicDesign& http://www.graphicdesignand.com という出版社も兼ねるデザインのプロによるものだが、医療、健康の場にいる人々など、より一般の目線に近いところから見たグラフィックデザインの可能性を探っている。
 会場を訪れる人々もカフェを利用したついでに見てみた、という感じの人も多く、それを意識してか、内容も分かりやすく、デザイン業界だけに閉じた展示ではなかったところはとても良かった。
 日本でもこうした、デザインや美術の専門でない場所で見れる企画がもっとあっても良いのではないだろうか。例が思いつかないけれど、例えば医大や大型病院の一角、あるいは小さいスケールでドラッグストアの中で個展、というのも有効かもしれない。

 展示に合わせて出版された同名の書籍では、参加デザイナーらに「グラフィックデザインは命を救う事が出来るのだろうか?」を聞いた回答が掲載されている。「YES」の答えが多い中で、オランダのアルツハイマー基金のロゴなどを手掛けたスタジオダンバーの答えは「NO」。「命を救うのは医者である。(中略)グラフィックデザインは相互理解を促す手段だ」と言う。
 
 グラフィックデザインの役割は大きいが、命を救う、というところまでは行かないのかもしれない。ただ、ポスターによって、メディアによって、健康管理アプリによって、知識を得て、未然に防いだり、周囲の理解を促すことは可能だ。

 欲を言えば模範的なグラフィックばかりではなく、効果のない(効果の出なかった)グラフィックとの比較もあればさらに理解しやすかったのではないかと思う。 
 常々、日本の麻薬防止ポスター「ダメ、絶対」のシリーズは影響力がないと考えている。最近はアイドルでもなくイラストレーションの女の子を使っているのを見て、もう全く訴求力はない、と感じた。
 麻薬が「ダメ」なものであることは誰でもが知っている。むしろ、なぜそれを必要とするようになるのか、一度依存するとどうなるのか、なぜやめられないのか、Contagion (伝染病)とProvocation (挑発)のコーナーではその点秀逸な作品が揃っており、「なぜ」を人々に理解してもらうことが必要なのだと感じた。


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# by dezagen | 2017-09-21 14:36 | 展覧会