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2017年ロンドンデザインフェスティバル Design Frontiers
ライター渡部のほうです。

本日は、Design Frontiers というイベントに。
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14件ほどの小さな展示とはいえ、プロダクトデザインの実力者が揃った展示なので期待して行ってみると、良かった…、全く期待を裏切らない、いい展示だった。

最初に見たデンマークのテキスタイルメーカー、Kvadrat https://kvadrat.dk がいきなりこの猛獣。
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かなり振り切ってる。(ごめんなさい、こちらの作品の作者が分からず)

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かと思うとこんなかわいげな作品もあったりして、ただ布を見せるだけではない工夫が。こちらはChristien Meindertsmaの作。

スワロフスキーはトード・ボーンチェの作品を。
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トード・ボーンチェはミニチュアのような、細かい切り絵のような、細かさ、が一つの特徴でもあったが、近年はそうした傾向だけでなく素材の魅力をボーンチェ独自の解釈で切り拓く作品が増えている。
この照明は有機的な形に作ったクリスタルから、液体のような光の現れ方をするのが面白い。

nolii
またたくまにイギリスきってのスーパースターデザイナーになった、ベンジャミン・フバートの新作は、PC、モバイル周辺アクセサリーの提案。
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こちら↑は会場写真がうまく撮れなかったので、オフィシャル写真から。

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どれがどれだか分からなくなっているバッテリーやアダプタ類をスマートに収納したり、絡みやすいケーブル類をファブリックとグリップ感のある樹脂でまとめたやすくしたり。
こうした工夫は他のブランド、メーカーでも見ることが出来るけれど、見た目にもまとまりのあるシリーズとして出している。

Jijibaba
日本にも来月、Dover Street Market 銀座にラウンチ予定のファッションブランド「Jijibaba」(ジジババかあ…)。
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デザイナーはジャスパー・モリソンとハイメ・ハヨン。全然タイプの違うプロダクトデザイナー2人で共作?と思ったら、ジャスパー・モリソンラインとハイメ・ハヨンラインの二種で分かれていた。
ジャスパー・モリソンはスタンダード好きを反映し、ハイメ・ハヨンは家具やプロダクトなどにも使う曲線やちょっとしたアクセントを盛り込む、と、それぞれのプロダクトスタイルが洋服にも活かされている。
38種のアイテムはファッションのシーズン毎の新作を出していくスタイルではなく、継続的に売られるものになっているとのこと。

最後に見て、正に「frontier!」と思ったのが
Sebastian Cox とNinela Ivanovaのプロジェクト。
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一見、陶器かな?と思うようなランプシェード。これは木材チップに菌を培養し、菌糸の繋がりによって成型していく、というもの。作るのに大体1ヶ月くらい掛かるそう。
まだかなりプロトタイプ状態で、形もガタガタしているが、いずれもっと樹脂のようなきっちりした成型を目指す、という。


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# by dezagen | 2017-09-23 00:09 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル mt × Foyles
ライター渡部のほうです。

LDFでmtのエキシビションがあると知って、あわわ、とダッシュ。
会場はロンドン老舗の書店Foyles。

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ショーウィンドウと、店内1階の真ん中のスペースに水色、灰色、白のmtを使ったインスタレーションが展開されている。
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この写真の左側のスロープには、mtのテープ、そのままを重ねたものが並んでいる。
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様々な書籍カバーの色彩が入り交じる店内で、色を3色に絞り、穏やかな雰囲気にまとめているのは効果的だ。上の写真のように人々がくつろいでいるのも、この色柄の効果だと思う。

ショップのレジ前、雑貨コーナーにも特設のmtスペースが出来ていた。
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youtubeにこのインスタレーションの設置の様子がアップされているので、是非こちらも。



以下余談

90年代半ばにロンドンにいた私からすると、Foylesは今で言うとamazonがリアル書店になったような場所。あらゆる本が揃っていて、特に教科書系は確実にある。美術にしろ言語にしろ各セクションの書店員さんは正に生き字引で、書籍買うより店員さんの話を聞いているほうがよほど勉強になりそうな感じだった。本の並べ方も雑多で、本のありかは店員のみぞ知るという状況。まだコンピューター管理されていない時代のお話。


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# by dezagen | 2017-09-22 07:42 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル V&A
流浪の大学教員、たまにライター、渡部千春のほうです。

ロンドンデザインフェスティバル(以下LDF)、http://www.londondesignfestival.com HPを見てもその規模がよく分かってなかったのだが、ハブ地であるヴィクトリア&アルバートミュージアム(以下V&A)でパンフレットをもらって、規模の大きさに困惑中。
だって、パンフレットは280ページの分厚さ、インデックスに出ている展示数は合計273件。
えー!?
パンフレットの始めに地図があるのだが、見出しが「WHERE TO START」。赤字で示されたメインの場所だけでも10カ所ある。正に「どっから始めるの?」だ。

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というわけで、LDFをカバーすることなど到底できないので、LDFのレポートはあくまで表面を撫でた感じであることを最初にお伝えしておきます。
ごめんなさい。

さておき。
まずはV&Aから。https://www.vam.ac.uk

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今回のLDFのテーマはネオン、だそう。ロンドンの都会ならではの美しさを表しているとのこと。
展示のグラフィックを手掛けているのはペンタゴン。シンボル的なこちらのネオンは、ドメニク・リッパ作。

博物館の中での企画展示や単体の展示物が27件。単体の展示物は博物館の通常展示の中に紛れていて、探しながら歩いて行くと博物館全体も見れる、というのがV&A恒例の方式。V&Aの建物自体が複雑な作りなので、宝探しゲームみたいで楽しい。

私が面白いと思ったのはこちら。
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Lubna Chowdharyの1000個に及ぶ陶作品群 Metropolis。
展示会場は博物館の伝統的な陶芸のコーナーだ。その中に、手のひらサイズで作られた、家電やギターやパソコンなどなど、現代の生活用品が並ぶ。これらも100年経つと「古典的」と捉えられるのだろう。
会場ではChowdharyさん、本人が作品の説明をしていた。過去20年余りに亘って作られたもので、自分ではあまり意識していないが、その時々の彼女の生活に意味を持つものが作られている、と母親が気付いた、とか。

こちらはFlynn TalbotのReflection Room。
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説明なしでも圧倒的な力強さ。

V&Aでは他にプライウッドの展覧会やピンクフロイド展などを開催中。



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# by dezagen | 2017-09-22 06:42 | イベント
Can Graphic Design Save Your Life? 展覧会
ライター渡部のほうです。

現在、ロンドン滞在中。
まずは気になっていた展覧会『Can Graphic Design Save Your Life?』へ。https://wellcomecollection.org/graphicdesign

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文字通り、グラフィックデザインは命を救う事が出来るのだろうか?をテーマにしたもの。


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  1. Provocation (挑発)のコーナーよりマラリヤを媒介する蚊が髑髏の顔になっているポスター。1941年 © Estate of Abram Games

展示は6つのコーナーに分かれている。
1)Persuasion(説得) 
 煙草を例に、いかに喫煙が健康を損ねるか、アニメーションやパッケージ、切手、ポスターなど(JTのマナー広告含む)。
2)Education (教育)
 人体の仕組みの説明、病気の説明など、書籍やアプリなどを紹介。いわゆる「保健体育」的な教育ではなく、知識の伝達方法。
3)Hospitalisation(入院治療)
 病院でのサイン計画(原研哉氏が手掛けた梅田病院含む)、タイポグラフィー、北米で使われている患者とのコミュニケーションを促すピクトグラムを使ったコミュカード、ディック・ブルーナの絵本など。
4)Medication (薬)
 薬のパッケージデザインや、製薬メーカーの機関誌など。
5)Contagion (伝染病)
 マラリア、AIDS/HIV、エボラ熱、ジカ熱まで、正しい知識を促すポスター、パンフレット類。
6)Provocation (挑発)
 がんや心臓病、摂食障害、アルツハイマーについての正しい知識を促すキャンペーン、自殺防止のホットラインなどのポスター、パンフレット、Tシャツグラフィックなど。

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Hospitalisation(入院治療)のセクションより。Illustration Dick Bruna © copyright Mercis bv, 1986

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Persuasion(説得)のコーナーより禁煙を促す切手類。various countries around the world

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Persuasion(説得)のコーナーより。Biman Mullick, Cleanair


 面白いのは、この展示会場のWellcome Collectionという施設は、デザイン専門の会場ではなく、医療や健康をテーマにした文化総合施設であること。展示も入場無料なので誰でもが入れる。
 企画は GraphicDesign& http://www.graphicdesignand.com という出版社も兼ねるデザインのプロによるものだが、医療、健康の場にいる人々など、より一般の目線に近いところから見たグラフィックデザインの可能性を探っている。
 会場を訪れる人々もカフェを利用したついでに見てみた、という感じの人も多く、それを意識してか、内容も分かりやすく、デザイン業界だけに閉じた展示ではなかったところはとても良かった。
 日本でもこうした、デザインや美術の専門でない場所で見れる企画がもっとあっても良いのではないだろうか。例が思いつかないけれど、例えば医大や大型病院の一角、あるいは小さいスケールでドラッグストアの中で個展、というのも有効かもしれない。

 展示に合わせて出版された同名の書籍では、参加デザイナーらに「グラフィックデザインは命を救う事が出来るのだろうか?」を聞いた回答が掲載されている。「YES」の答えが多い中で、オランダのアルツハイマー基金のロゴなどを手掛けたスタジオダンバーの答えは「NO」。「命を救うのは医者である。(中略)グラフィックデザインは相互理解を促す手段だ」と言う。
 
 グラフィックデザインの役割は大きいが、命を救う、というところまでは行かないのかもしれない。ただ、ポスターによって、メディアによって、健康管理アプリによって、知識を得て、未然に防いだり、周囲の理解を促すことは可能だ。

 欲を言えば模範的なグラフィックばかりではなく、効果のない(効果の出なかった)グラフィックとの比較もあればさらに理解しやすかったのではないかと思う。 
 常々、日本の麻薬防止ポスター「ダメ、絶対」のシリーズは影響力がないと考えている。最近はアイドルでもなくイラストレーションの女の子を使っているのを見て、もう全く訴求力はない、と感じた。
 麻薬が「ダメ」なものであることは誰でもが知っている。むしろ、なぜそれを必要とするようになるのか、一度依存するとどうなるのか、なぜやめられないのか、Contagion (伝染病)とProvocation (挑発)のコーナーではその点秀逸な作品が揃っており、「なぜ」を人々に理解してもらうことが必要なのだと感じた。


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# by dezagen | 2017-09-21 14:36 | 展覧会
TAKAIYAMA inc. EXHIBITION「3F/B.C.G」
編集宮後です。
デザイナー、山野英之さんの事務所 TAKAIYAMA inc. の展覧会「3F/B.C.G」に行ってきました。タイトルになっている「3F」はTAKAIYAMA inc.のアプローチの法則であるFocus/Frame/Function(焦点、枠組、機能)、「B.C.G」(僕のCG)は山野さんのプライベートワーク名だそう。

展示ではこれまでの仕事を、フォーカス、フレームとグリッド、機能と構造、印刷、本、ロゴ、サイン、写真、動画、プロジェクトの10カテゴリーに分けて紹介。山野さんのプライベートワーク「B.C.G」の新作も展示されていました。会場はデザイン小石川、会場構成はDaisuke Motogi Architecture。山野さんの考え方やアプローチがまるっとわかる展示です。

こちらが会場写真。かなり広い空間ですが、14本の柱を中心にカテゴリー分けされており、1つずつ見ていくとかなり見応えがあります。小さな名刺から巨大なサイン計画、映像作品まで、様々なサイズや時間軸の仕事が一緒に並んでいて、山野さんのお仕事の幅広さを感じました。

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山野さんとは、2004年に『これ、誰がデザインしたの?』のブックデザインをお願いしてからのお付き合い。今は、文字デザイン誌『Typography』のデザインでお世話になっています。柱に貼ってある下2枚のレイアウトは『Typography』の誌面。かなり細かくグリッドが切られているのがわかると思います。印刷物で見ると、画像をポンと配置したように見えますが、レイアウトデータを開くと、このように緻密に計算されているのがわかるのです。

表面的には「センスがいい人が作った感じのいいグラフィック」に見えるのですが、その裏でかなりいろいろ考えられているのがTAKAIYAMAのデザインかなと思います。きれいなグラフィックで終わらず、ちゃんと機能しているんですね。建築家とのサイン計画の仕事が多いのも、感覚的ではなく、空間の中でグラフィックがどのように機能するかを考える構造的なアプローチをしているからなのではないでしょうか。

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こちらは、山野さん個人の作品「B.C.G」の展示。一番右がIllustratorで描いた元の絵で、その部分を切り取った作品が左側に並んでいます。Illustratorのデータを拡大しても画素が粗くならず、どこまでも均質に拡大されていく様子を作品にしたもの。一見、きれいな色の抽象画に見えますが、「スケールとは何か?」を再考させられる作品だと思いました。

こうして見ていくと、感覚的な部分と構造的な部分との振れ幅がかなり広いことに気づくかと思います。どちらかに秀でたデザイナーは多いのですが、両方をハイレベルにこなせる人は案外少ないのです。その振れ幅を楽しんでいただくためにも、じっくりと時間をかけて展覧会をご覧になることをお勧めします。

展覧会は、10月1日(日)までデザイン小石川で開催。
文京区小石川2-5-7 佐佐木ビルB棟2F
http://designkoishikawa.com/exhibition/383/
http://takaiyama.jp/news-post/exhibition-bcg/


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# by dezagen | 2017-09-20 08:11 | 展覧会 | Comments(0)